親との新たな関係づくりのための2拠点ライフ(田町文化STORE管理人 黒木敦子さん)/ノーザンオカヤマのオモシロ人vol.6
こんにちは。衆楽舎のPR担当Haruです。すっかり秋になり岡山は葡萄の美味しい季節です。今回の「ノーザンオカヤマのオモシロ人」は、津山と神戸の2拠点生活を始めた女性をご紹介!津山では「食」に携わる場所にいらっしゃいます。
連載「ノーザンオカヤマのオモシロ人」 vol.6
田町文化STORE管理人 黒木敦子さん
今回ご紹介するのは、今年から衆楽舎がプロデュースしている津山市の田町エリアにある田町文化STOREで今年6月から管理人をされている黒木敦子(くろきあつこ)さん。田町文化STOREは、衆楽舎にとっても活動の拠点とも言える大切な場所です。
一人暮らしの父と向き合うために故郷との2拠点を開始
Q)神戸と津山での2拠点生活を始められたそうですが、その理由は?
[黒木さん]50歳を機に、それまでほとんど目を向けてこなかった故郷で、母を失って一人暮らしになった父と向き合い暮らしたいという思いが芽生え、神戸育ちの主人にも理解協力をしてもらいつつ、現在、津山をベースにした第二の人生のスタートラインにいます。
Q)ということは、津山ご出身なのですね?
[黒木さん]はい、津山の城下町(堺町)で生まれて育ちました。大学から神戸へ出て、卒業後約30年間、大阪・東京を拠点に働き、ここ10年余りは神戸市に暮らしています。
Q)どのようなお仕事を経験されたのですか?
証券会社・貿易商社を経て、20代後半からファッションアパレル業界へ。レディスアパレルのバイヤー・生産・MD・店舗開発・事業運営など、ほぼなんでも屋、多くの経験をさせて頂きました。30~40代半ばまで、仕入れや生産、店舗開発等で、年中出張ばかりしていました。海外ではヨーロッパ・アメリカ・中国・韓国など、国内は北海道から九州まで津々浦々、“走りながら考える”日々でした。
特に、ニットの海外生産での言語や文化の違う人達とのモノづくりと、国内各地の地域性や特色を活かしたセレクト系SHOPづくりは、好きで得意なお仕事でした。
Q)ファッションのお仕事で大阪、東京、神戸、海外を飛び回っていたとのこと、津山とは人も時間の流れも全く違うでしょうね。故郷の津山にはどんな思い出がありますか?
[黒木さん]私が生まれ育った堺町(さかいまち)は津山の旧城下町。子供時代には、徳守神社秋祭りのだんじりや、アーケード商店街の土曜市など、当時はとても活気があり、町内会のイベントも多く、楽しい思い出がたくさんあります。
Q)今の商店街はそこまでの活気はなくなってしまいましたね…。今、津山ではどこに住んでいらっしゃるのですか?
[黒木さん]酒屋を営んでいた津山市小田中にある築40年超えの実家に住んでます。月の大半を津山で過ごし、1週間程は神戸の住まいに帰る、という2拠点生活。まだこのリズムに慣れてはいないのでバタバタやってます(笑)。
津山の魅力とは
Q)なんと!ご実家が酒屋だったということは、いろんな人が出入りして本当に活気があったでしょうね。津山の魅力を今はどう感じていますか?
[黒木さん]奥ゆかしさ、かな。とても魅力のある人や場所が多いけれど、自己主張しすぎない、淡々とコツコツと、静かな佇まいなのが魅力だと思います。
Q)なるほど。私も津山に来ると奥ゆかしさをとても感じます。地理的にはどうですか?
[黒木さん]車で数十分の距離に、温泉が何ヶ所もあるのは大きな魅力です。それぞれ泉質や特長が違い、その日の気分でドライブがてらお湯に入りに行ける環境は贅沢過ぎる!
Q)では反対に、短所を感じることはありますか?
[黒木さん]魅力が短所でもあるのかな、と思うことも。奥ゆかしいから、伝わりにくい広がりにくい、こともあるかもしれないなと。でも、津山に戻って来てから新たに知り合った人たちは、伝えたり広げたり、を臆せず楽しくできる人が多いので、いい流れができつつあるようです。
Q)なるほど、本当ですね。私も出会う人、出会う人、本当にオモシロイ人ばかり(笑)。この連載にどんどん登場してもらおうと思っています。初めて津山に来た人におすすめの場所はありますか?
[黒木さん]イタリアンジェラートの「LATTE」さん。牧場直営のジェラート屋さんで地元でも大人気。自家農場で絞った生乳のおいしさが溢れる‟しぼりたてミルク“をぜひ食べてみてもらいたいです!これまで食べたジェラートの中でダントツ1位です、津山の宝だと思います。
吉井川の河原を保護犬と散歩するのが日課
Q)うわぁ。テラス席もあって雰囲気も素敵!グリーンヒルズ津山のそばですね。では、黒木さんご自身が一番好きな場所はどちらですか?
[黒木さん]吉井川の河原かな。津山駅から市街地に向かう今津屋橋近く。お城山が目の前に見え、子供の頃に慣れ親しんだ景色があまり変わらず残っていて大好きです。
4歳と2歳の保護犬2頭を車に乗せて日課の散歩に来ます。怖がりな保護犬も、河原ではとことこ散歩したり、2頭揃って走ったり、川の中に足をつけたり、草を食べたり、楽しそうに遊んでいるのを見るのが幸せ。日々違う陽射しや風の匂いを感じたり、野生の鳥や魚と顔を合わせたりしつつ、自分のコンディションを確かめられる場所です。
Q)わんちゃんのお散歩には最高ですねー。今津屋橋周辺の景色をおすすめされる方が多く、まさに地元自慢の場所ですね。そこで聞きたい1曲は?
[黒木さん]ジョニ・ミッチェルの『Coyote』。浮遊感、さすらい感がとても良くて。人生、旅の途中みたいな気持ちになります。
( 曲のリンクは下の「ノーザンオカヤマ セレクション」のコーナーで!)
親との新たな関係づくりは面白い
Q)実は私も、東京と田舎での2拠点生活を真剣に考えたいなと思っているのですが。何かアドバイスはありますか?
[黒木さん]まだ自分自身が手探り中で、アドバイスなんてとても。故郷の魅力は、暮らせばじわじわ沁みてくる、ということくらいでしょうか。
ITの進化で都会でも田舎でも暮らしの便利さはさして変わらない印象ですが、野菜が美味しい、自然が美しい、騒がしくない、だけで、心豊かになれるもんだなと実感しています。自転車に乗るように車であちこち動き回れるから自然とフットワークが軽くなったのもよかったです。
神戸という街も、都会過ぎず田舎過ぎず、海も山も近くて住みやすい大好きな場所。主人のホームグラウンドでもあり、友人もいる。神戸の暮らしにも思いがあります。行ったり来たりは合理的でない面も多く苦労もありますが、今は2拠点生活を送りながら、この先の人生がどのように動くのか動かしていくのか、焦らず楽しもうと思っています。
Uターンを考えている人には、親との新たな関係づくりは面白いですよと伝えたい。日々、今年89歳の父の意外な一面を知り、驚いたり胸を熱くしたり腹が立ったり、こんな人だったっけー、と今更ながら興味津々です。親子でなく、人間同士の会話をすることも多くて有意義。
Q)なるほど。私も介護が始まった世代なので、とても参考になります。2拠点には、それぞれの良さを味わえるというメリットがありますよね。人間関係も違うからこそ、刺激になったり、一方から解放されてホッとしたり。普段はどのようなことでリラックスしていますか?
[黒木さん]月並みですが、映画・音楽・読書は好き。ファッションは長くお仕事だったこともあって、好きを超えて必要不可欠なもの。
雑食というか、興味が沸いたらなんでも観る・聴く・読むけれど、最近では、
真庭のビクトリーシアターで観た“ほとりの朔子”が、淡々とすごいものをくれたので、深田晃司監督の作品を次々観ています。
※ 衆楽舎でも、ビクトリーシアターを取材していますので、ぜひこちらの記事もご参照ください。↓↓
古い家をリノベして人が混じり合う場所に
Q)真庭の方々とも密な交流があって良いですね!では、これからの夢があったら教えてください。
[黒木さん]今暮らしている自宅は築40年超えの古い家で、もともとは酒屋をやっていました。長年手も入れず相当ガタがきていますが、“古きよきもの”の味わいは持っているので、ゆくゆくリノベーションして、ノーザンオカヤマのいろんな世代の人たちが気軽に混じり合う場の一つになれればいいな…と思っています。
黒木さん、ありがとうございました!2拠点やUターンを考えている人にはとても参考になりますよね。またお話を伺い、その時々の気持ちや悩みなどもお聞かせいただけたらなと思っています。
黒木さんが管理人をしている田町文化STOREについては、次回たっぷりご紹介をさせていただきますね!!
ノーザンオカヤマ セレクション
最後は、衆楽舎おなじみ音楽コーナー。先ほどのインタビューで教えていただいた、黒木さんが一番好きな場所で聞きたい一曲はこちら。
ジョニ・ミッチェルの『Coyote』
Apple Musicのリンクを貼っておきますので、吉井川の河原とかわいいワンちゃんを思い浮かべながらお聞きくださいね😊
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次回は田町文化STOREの魅力をお届けします!どうぞお楽しみに〜。
衆楽舎のPR担当、Haruでした。
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