【パブリッシャー事典】取り扱いタイトルは100本超!日本専用にトレーラー制作も!/レイニーフロッグ
クリエイターの皆さまに、参加パブリッシャーについて知っていただくことで、マッチングの一助となるべく始動したインタビュー企画「パブリッシャー事典」。各パブリッシャーの特色や得意なこと、目指す姿などをお伺いしていきます。
今回は設立11年目のパブリッシャー、レイニーフロッグの白岩さんにお話を伺いました!
「レイニーフロッグ」ってどんな会社?
ーー本日はよろしくお願いします! まずは会社の概要を教えてください。
はい。レイニーフロッグ株式会社と申します。
2013年に設立した会社でして、今年で11年目になります。
基本的には、日本でコンソール向けにゲームをパブリッシュすることを目的として設立されました。
設立からこれまで、世界中のデベロッパー様のタイトルを扱ってきており、100本以上のタイトルをパブリッシュしています。
PCゲームで面白いものを見つけてきてコンソール版に移植する、ということもやっておりまして、『ソード オブ ザ バークラント』や『ExitMan Deluxe』はその一例ですね。
2022年5月には、ポーランドのパブリッシャーであるForever Entertainmentのグループ会社となりまして、今は一緒に営業活動をしています。
これまでのパブリッシュタイトルは?
ーーでは、これまでパブリッシュしたタイトルを教えてください。
日本で開発されたゲームを海外に紹介することも、海外で開発されたゲームを日本に紹介することも、両方やっています。
日本のタイトルで言いますと、最近では「ピクセルシリーズ」というロジックパズルのシリーズ作品である『ピクセルクロス 牧場物語エディション』を2月に発売しました。
こちらは、『牧場物語』シリーズの株式会社マーベラスさんと、ピクセルシリーズの開発元であるScore Studiosさんがコラボした作品です。
2019年からパッケージ版のパブリッシュ事業も始めておりまして、一番最初にパッケージで出したのが、ゲームフリークさんの『GIGA WRECKER ALT.』、『リトルタウンヒーロー』です。
こちらは日本とアジアの一部に展開しております。
最近のゲームですと、『フロントミッション ザ・ファースト リメイク』、『フロントミッション セカンド:リメイク』、『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド:リメイク Zバージョン』のパッケージ版もリリースしています。
これらのタイトルは、先ほどお話ししたForever Entertainmentがスクウェア・エニックスさんやSEGAさんからライセンスをもらって開発したタイトルになります。我々レイニーフロッグは、それの日本向けパッケージ版を担当している形です。
今月の末には『エルシャダイ・アセンション オブ ザ メタトロンHDリマスター』のNintendo Switch向けパッケージ版をリリース予定です。
会社として得意なこと、サポートできること
ーー続いて、会社として得意なこと、サポートできることを教えてください。
日本という市場にこだわりを持っていて、日本の市場は独自性があると思っているのですが、そこへの理解は深いと自負しています。
YouTubeのトレーラーやプロモーション素材も、すでに開発会社の方で作っていた場合であっても、日本用に最適なものを一から考えて作ることもあります。
例えば、以下は弊社で製作したトレーラーです。
ローカライズももちろんサポートしておりまして、クオリティにもかなり気を遣っており、日本のプレイヤーがプレイした際に違和感がないようなローカライズを意識しております。
QAに関しても日本のデバッグ会社さんと連携しながら進めており、日本のユーザーが求めるクオリティを常に考えて提供しています。
元々海外のゲームの取り扱いが多かったこともあり、海外のゲームを日本の市場に最適化して売り出す、という点は強みとして持っていると自負しています。
ーー海外のゲームを扱うことが多いということですが、主に取り扱っているタイトルはどの地域のものになるのでしょう?
そうですね。
ダウンロード版のゲームが増えた影響で、アメリカ、ヨーロッパに限らず、中東、ロシアなどなど、いろんな国の方からお声掛けいただくことが増えています。英語でコミュニケーションができれば、どの国のデベロッパーさんでもお話ししています。
いいゲームであれば、どこの国で開発されたゲームでも前向きにお話しさせていただいていますね。
今後パブリッシュしていきたいタイトルは?
ーー今後パブリッシュしていきたいタイトルはどんなタイトルでしょうか?
そうですね。
やはり「いいゲーム」というか、「これは世の中に広めていきたい」と思うものを見つけていきたいですね。
ジャンルでいうと、アクション、アドベンチャー、パズル、スポーツ系は得意分野です。
ただそれに限ったわけではなく、「このゲームはぜひご一緒したい!」と思うタイトルや、おこがましいかもしれませんが「ぜひお手伝いしたい!」と思うタイトルは、しっかりプロモーションをして、そのゲームのあるべき姿をちゃんと訴求できるようなお手伝いがしたいと常々思っています。
ーー先日「福岡インディーゲームエキスポ2024」にもいらっしゃっていましたが、イベントでタイトルを探すことが多いんでしょうか?
インディーのタイトルは、どこに宝石のようなタイトルが埋まっているかわからないので、全てのイベントに顔を出すようにはしています。
3月はTOKYO INDIE GAMES SUMMIT、ゲームパビリオン.jp、福岡インディーゲームエキスポ、全て参加しましたね。
ーーすごい! 本当に全国のイベントに参加されていますね!
同じデベロッパーさんでも、イベントの時期ごとに開発状況や進捗が変わっていることがあるので、コンスタントにコンタクトを取るのがいいのかなと思っていますね。我々の状況が変わっている場合もありますし。
情報交換しながら、お互いにとって一番いい形でご一緒できればいいなと思っています。
ーー「いいな」と思うタイトルは、どのあたりで判断されているのでしょうか?
もちろん契約する上では、実際に触ってみないと判断できないですが、イベントなどで最初見た瞬間に「これは!」って思うタイトルはありますね。
イベントに出ている状態で触って、遊びの感覚までちゃんとわかるものってあまりないと思うんですよね。
なので最初にお声掛けする際は、遊びに何か引きがあったり、今までに見たことないゲームだったり、ビジュアルが特徴的だったりとかで声をかけています。
ピッチデッキに盛り込んで欲しい情報は?
ーーでは、ピッチデッキに盛り込んで欲しい情報はありますでしょうか?
インディーのデベロッパーさんには、作るに至ったモチベーションというか、熱い想いがあると思うので、そこを端的に語っていただくのが一番ありがたいですね。
「このゲームはこういう気持ちで作ったんです!」とか、特化した部分やこだわった部分を聞きたいです。
アクションやRPGのお約束みたいな部分は省いていただいて良いので、そのゲームならではの部分にフォーカスして、力を入れて語っていただくのがありがたいですね!
さらに、それに関連したビジュアルや動画があると理解しやすくありがたいです。
あとは、開発資金のサポートを期待しているかどうかは書いておいていただけると、それを前提に考えられるのでありがたいですね。
Game Pitch Base 参加クリエイターに向けて
ーー最後に、Game Pitch Baseに参加しているクリエイターに向けて一言お願いします!
レイニーフロッグという会社は本当に小さい会社なんですが、インターナショナルなメンバーが揃っています。
SEGAやカプコン、マーベラス、Activisionなど、海外も含めたメジャーパブリッシャーで働いていた人間も揃っています。
小さな会社だからこそ意思決定も早いですし、何かをやる時すぐ実行に移せる強みもある会社です。
日本市場に関しては非常によく理解していると自負していますし、海外でパブリッシングする能力もあります。
インディークリエイターの方は、作っていく中で不安になったり迷ったり、意見を聞きたいこともあると思うのですが、弊社グループにはレビューチームというセクションもありますので、途中段階のものを見てフィードバックすることもできます。
作っている段階から声をかけていただいて、そのゲームの一番いい形を一緒に探っていけるパートナーのような形で世界を盛り上げていければと考えております。
最終的に自分たちが絡まなくなったとしても、常にそのプロジェクトにとって一番いい形を見つけていきたいと思っていますので、少しでも興味を持っていただいたら、お気軽にお声掛けいただければと思います!
ーーありがとうございました!
これまで世界各国のタイトルを日本で売り出してきたレイニーフロッグ。
100本以上のタイトルに携わった経験がありながらも、そのゲームにとって一番いい形を探っていきたいという、プロジェクトファーストな印象を強く受けました。
全国の展示イベントに参加されているようなので、見かけられた際は是非お話されてみてはいかがでしょうか?
レイニーフロッグのGame Pitch Base パブリッシャーページはこちら。