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日進月歩 ~Road to MBA~#65

2020/12/14:シードマネジメント特講1B⑤
 月曜日はシードマネジメント特講1Bとなります。先生は変わらず実務家であり、実務と学問を融合させている笠原先生の講義5回目です。本日は今までのケース課題における振り返りを含めて、DXを進めていく上でのプロセスを講義いただきながらまとめてみました。

 まずは、価値ネットワーク構築のポイントを「バリュープロポジション」の観点でまとめてみました。大きな要素は、①価値提案(マーケティング)、②コンピタンシー、③プロセス、④経営資源となりますが、相互に関係をしながら「戦略」を軸としながら進めていくことで、整理できると理解をしております。

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 続いては、バリュープロポジションを支える仕組みである「バリューネットワーク」については、前回の講義の中でまとめているので復習に載せております(プラットフォーム構想までをまとめる内容)。

 プラットフォーム構想を作成した場合に、影響度の高い顧客(MeeTruck株式会社の場合は「トラック運送会社」)に対して、プラットフォーマーに最も重要な”数”といったものを増やすためにはどうしたら良いか。今回のMeeTruck株式会社のアプリ利用を、認知⇒理解⇒態度⇒意図というプロセスに分けて、最終的な購入してもらうまでの仕掛け作りという観点で分解すると、以下のような手法が受講者とのディスカッションの中から生まれた。

■数を増やすためには・・・
 ✔  福利厚生と絡めて実施する(労働条件の面倒な提案を付与する)
 ✔  紹介制度などで利用ユーザーを増やす
 ✔  無料でまず使う⇒勤怠管理や日々使う業務を付与⇒囲い込みする

 実際に購入させることができるようになった場合に、この後は実際に利用してもらいながら「事業領域」と「有効なデータ」をPMMを基に整理していくことで、領域と提供価値を見極めていくことができる。複数ある領域からMVPというアプローチを用いることで、必要なバリューチェーンが整理される。既存のバリューチェーンにおける「課題」と「解決策(コンピタンシー)」を考えることで、効率的にDX推進が出来ていくのだと考える。

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■MVPのアプローチをする上で必要な観点
A)顧客をセグメントに分けて、各ターゲットに合わせた製品を追求
 =セグメントに分けたプロトタイプを製作して、繰り返し改良する
B)現場を見て課題から見る製品を製作することが重要
 =現場を感じる、観察する、インタビューしてエンパサイズを確認
 ※Empathize、Define、Ideation、Test(MVP)

 ここまでが、MeeTruck株式会社の事例を基に確認をした部分です。ここまでの整理を実際に実行していくためには、この要素を支える・実行する「組織」をどう考えていくかが必要となります。戦略を支える組織として重要な要素は、組織の7Sに基づいた組織能力(OC)を以下に分類することができ、GEにおける実際の例を基に把握していきました。
 Ⅰ)価値観共有(スローガン浸透)
 Ⅱ)組織編制(職務設定、権限移譲)
 Ⅲ)評価・教育制度(KPI設定)
 Ⅳ)風土・文化醸成
この要素以外にも、昨今のビジネス環境は「VUCA」とも呼ばれており、変化が激しい状況にもあるため、そのときの「環境に適応する」ことも重要な要素になると感じました。全体をマネジメントしていくために、状況対応型のリーダーシップを求められているようにも感じましたので、環境を読む力というものも醸成できるように取組みをしていきたいと思います。

 また、大企業が新事業の機会の窓であるS字カーブに踏み切れない理由について、受講生の中でディスカッションを実施しました。

✔  株主からのプレッシャーが強い(短期的な利益を求められる)
 =将来の期待しうるキャッシュフローが大事なのに、短期的を求められる
✔  中間層からの反対勢力が多い(経営者と若手のみに課題意識が強い)
 =変化への反対と既存領域の成功要因が邪魔をして踏み切れない
 ※既存事業からのプレッシャーなどの組織的な要素が強い

 長期的に変化をしていかなければならない場合に、短期的に失う要素が多く、この内容はプロスペクティブ理論に基づいて、人は得るよりも失う方が大きく感じる(同じ2万円でも捉え方や大きさが違う)という要素が大きいものとなる。このような対応策として、「変化を機会として定義すること」や「変化する時期を考える」ことが重要となる。GEやKodakの実例を踏まえながら、理解を深めていった。アプローチの方法や時期という点で、自分の会社に当てはめて整理をしていこうと考えております。
※Kodakの場合は、デジタル技術はあったが顧客が付いてこれなかった(too earlyであって、too laterではない:進化が早すぎた)


         立教大学大学院ビジネスデザイン研究科   平岩 宗

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