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創作・表現の楽しさの最たるものとは

ツイッターやSNSで作品を発表したり、noteで記事を公開したりしているクリエイター勢の活力は、どこからきているのでしょうか。
これは人によって千差万別ですが、先日「創作の動機が『見て褒めて欲しい』と求める承認欲求が一番にきてると、それが叶わずにわりと早く諦めるパターンが多いよね」といった趣旨のツイートが話題になっていました。

ツイッターのいいねやリツイート、記事の閲覧数、noteのスキや動画の再生数など、作り手を評価する指標は昔より増えています。
しかし、目標としていた数が達成できたからと言って、生活が激変して良い方向に向かうパターンはあまりないもの。憧れの数字を手に入れたのに何も変わらなかった……とがっかり感に苛まれることさえあります。


大相撲の力士は皆横綱を目指しますが、トップである横綱になったからには定められた勝ち星を維持せねばならず、それが不可能になった時には引退一直線な厳しささえあります。現行制度では横綱には下のランクに落ちたら再びやり直す、Jリーグの昇格・降格のような概念がないからです。
プロ漫画家は本の売り上げや雑誌のアンケートがふるわないと、連載が打ち切りになる点で横綱のポジションに似ています。

目に見える数値での実績を作る事に主目的を据えてしまうと、それが達成された時点でより大きな目的に挑むしかなくなる空気がある気がします。
つまり下のランクに下がれない大相撲と似た感じで、ヒット数が上がらない、以前と同じような結果が出せない自分を責めてしまう土壌が揃ってしまうと言いますか。


目標はあくまで人生のいち通過点であり、そこから次は何を目指せるのか、と考えるスタイルがクリエイターには常に求められるのかもしれません。
ずっと横綱にふさわしいパワーで戦い続け、作品をリリースしまくる一線級のクリエイターたろうと目指すのもよし。
そこまで上がらずとも、体に負担をかけない範囲で活動して見てくれる人に届けるもよし。
むしろ誰の反応がなくても、自らの理想を追求するためだけに表現することも創作の自由に含まれます。

ひとりだけでの創作について、以前画家のヘンリー・ダーガーを取り上げて書きました。
上のランクを目指したために、周辺の人々をライバルと見なしてしまいそこでも辛い思いをする可能性があります。人の心はままならないものです。


さて、私自身は「自分が思い描いた、表現したいものを『自分で書く/描く』こと」が、創作の最大の喜びであり目的です。
頑張って作ったものにあまり反応がもらえなかった時期もありましたが、本来そこは副次的に「もらえたらラッキー!」くらいにしておいた方がいいものだ、と最近改めて思い直しました。

もし仮に、己の性癖ドストライクの文章や絵柄の作家さんに、思うように作品をオーダーして完成品を眺められるとしたらどうでしょう。
「うわぁ~~、神かよ~~!!」と拝み伏すほど喜んで満足する人ももちろんいるはずです。予算さえあればやってる!! って人も。

けれど、私はそのシチュエーションを考えた時に、「他の人が書いて/描いてくれても嬉しいけど、やっぱり自分自身で理想を一つ具現化した、自力で達成できたのを認める楽しさが欲しい」のだと気づいたのでした。
作品を作るのには時間も体力も気力もいるのに、ドMかな? と思わなくもありません(苦笑)。

執筆を仕事にしていた時期があったのですが、私が表現したいと思ったものを他のスタッフに変更させられたり、色々なものを叶えられなかったりしました。
結果、販売のバイトをしながら趣味で好きなように創作ができる環境に戻ってきた時、「ここは私の好きなようにできる! 思う存分書きたいものだけ書いていいんだ!」と、精神的にとても解放感があったのを覚えています。

作り手としての私が幸いだったのは、趣味で作った作品、仕事で作った作品どちらにも、僅かですが好きだと言ってくれたファンがいたことです。
ばんばん評価がもらえている作家さんに比べれば微々たるものでしたが、「私が楽しんで作った作品を受け入れてもらえて、それをわざわざ良いと伝えてくれた人がいた」という肯定感は何にも代えられないプラスの出来事でした。


現在はnoteを連続更新を継続しており、私自身を形作ってきたものを掘り起こす旅の途中です。おかげさまでストレスも減ってきたのか、胃の調子も良くなってきました。
けれどこれが集客と収入を何より最優先した、より売れるために内容を変えてでも書かなくてはいけないものだったら、こんなに満足いく活動にはなっていなかったはずです。

サイトを運営していて対人トラブルもあったので、仕事としてお金になれば嬉しいけどあまり大勢の人に見られるのは怖いと感じるパラドックスも抱えています。
そういった経験のおかげでひたすらバズを狙ってあがいたり、バズが継続できなかったり数字が落ちたりして落ち込む事がなかったのも幸いかもしれません。
その点で、自分の目的と気持ちを大事にすることは出来ているのかなと。


自ら大切だと思っているはずの動機や感情さえ、意識しなければ忘れてしまう程度のぽんこつクリエイターです。また迷いそうになった時に思い出せるよう、ここに記しておきます。
きちんとインプット・アウトプットのサイクルを作り、体を健康に保って、出来るだけ長くクリエイターでいられる私でありますように。

他にも何か読んでみたいなと思った方は、よければこちらをどうぞ。

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沢村脩
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