ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(ネタバレ)
公開 2024年 アメリカ
監督 トッド・フィリップス
出演 ホアキン・フェニックス
レディー・ガガ
キャサリン・キーナー
ブレンダン・グリーソン
ザジー・ビーツ
スティーヴ・クーガン
ハリー・ローティー
リー・ギル
ケン・レオン
ジェイコブ・ロフランド
ビル・スミトロヴィッチ
コナー・ストーリー
2019年に公開され、社会現象にまでなったホアキン版「ジョーカー」の続編。まさか続編が出るとは夢にも思わなかった。出た。
しかし、みんなの異様なまでの期待をよそに、公開された映画はびっくりするくらい酷評されている。
いやいや、つまんないわけはないだろ…と思いつつ、あまり期待せず、公開翌々日(三連休の最終日)に観に行ってきた。
一人で。初のプレミアムシートで。+1000円で。荷物置くとこがあって、ちょっと広いくらいの席で。
結果、まあ、悪くはないのでは?って感じ。決して最高ではない。
↓以下ネタバレ(これから観る人は絶対見ない方がいい笑)↓
忙しい人のためのあらすじ(ネタバレ)
前回の事件でお縄となったアーサー(ホアキン・フェニックス)は、拘置所でいじられキャラになっていた。そんな中同じ施設に収容されていたジョーカー信者リー(レディー・ガガ)と出会い、まあそういう感じになる。調子に乗ったアーサーはジョーカーの姿で自身の弁護を始める。しかし葛藤の末、「ジョーカーはいない」と正直に語った彼に失望する多くのジョーカー信者たち。リーにもフラれて、またどん底に落ちたアーサー。最後は施設内にいたジョーカー信者に殺されてしまう。
忙しい人のための感想
・演出オサレ
・歌多い
・演技うますぎて怖い
概要
塀の中のアーサー・フレック
前作で証券マン3人と同僚1人と司会者1人を(司会者は生放送中に)殺し、アーカム州立病院の拘置所的なところに収容されたアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)。
そこは心を病んだ犯罪者が収容されるところだからなのか、昔だからなのか(1980年代初頭)、意外と平和で看守も優しい。ジョークと交換でタバコをくれたりする。ていうか普通にタバコが吸える。
ある日、弁護士との面会のため4人の看守に連れられていくアーサー。
刑が比較的軽い人たちが入院してるっぽい病棟へ移動し廊下を歩いていると、なんかみんなで歌っている部屋の1人の女性(レディー・ガガ)と目が合う。その女性は部屋から出てきて、部屋の前を通り過ぎるたアーサーたちを呼び止める。
そしてこめかみに手の銃でバンてやる例のやつ、前作でアーサーがソフィーにやってた例のやつをやってきた。
アーサーが何も言えずにいると、看守たちは「なんだイカれ女か」とスルー。とにかく弁護士に会いに行く。
塀の中のレディー・ガガ
あくる日、看守長?のジャッキー(ブレンダン・グリーン)から、「こないだの歌セラピーあったやろ?あれお前も参加することになったからな」と言われるアーサー。どうやらセラピーに看守も付き添うことで自分も歌を歌うのが目的らしい。いや歌好きなんかい。平和か。
そのセラピーにはもちろん先日のイカれ女の姿もあった。チラチラ目が合う。合間に看守の目を盗んで、窓際で煙草を吸う彼女の元へ行く。
「あなたなの?」と彼女は言った。
彼女は名前をリーと名乗り、ジョーカーのファンであると明かす。彼女もアーサーと同じく貧しい家庭で育ち、母親から虐待を受けていたという。
自分と似た家庭環境をもち、自分の行動を肯定してくれた彼女に、アーサーの心の中は映画のメインテーマよろしく重低音の恋に落ちた音で満ちあふれることになった。
音楽セラピーの参加者で映画鑑賞会が開かれて、隣り合わせになった2人。そんなことよりパーティー抜け出さない?とリー。いやいや撃ち殺されるよとアーサー。リーは残念がるが、部屋の隅で煙草を吸うフリして放火。パニックに乗じて2人は手を取り、とりあえずキッス。そして病棟を飛び出す。
しかしそんなに簡単に逃げられるはずもなく、高いフェンスにしがみついたところで2人は捕まり、アーサーは懲罰房へ入れられてしまう。
真っ暗な空間の中で目を開けると、そこには看守を“抱き込んだ”というリーの姿が。アーサーに感化されるからと家に帰されることになってしまったというリーは、「2人で山をつくろう」とか何とか訳わかんないこと言って、アーサーにピエロのメイクを施す。そしてSEX。
裁判が始まり、「犯行時の彼はジョーカーという人格に乗っ取られてたから責任能力はないぞ」と主張するアーサーの弁護人メリーアン(キャサリン・キーナー)に対し、「いやいやそんなことないだろ」とする検事ハービー・デント(ハリー・ローティー)。
「面談して資料も読んだけど多重人格じゃないと思う」という専門的な博士的な人(ケン・レオン)も出てくるが、「10分くらいの面談で何がわかるんですか?ほんとに断言できるんですか博士として?」とメリーアンが圧をかけて博士的な人震え声。
てかあれ?博士?
マイルズじゃねーか!
チャン博士の跡をついで博士的な人になったの?
震えてますよ!
でもアーサーはそんなことより傍聴席のリーに夢中。気もそぞろな彼を心配した弁護士のメリーアンは、「彼女は嘘をついてあなたを操ろうとしている」と忠告。それというのもリーは、アーサーのかつての家の近くに住んでいて、父親を亡くし、母親に虐待されていたと語っていたが、それは全部嘘で両親も生きてるし何なら医者で金持ちでリー自身も精神医学を学んでいるとか何とか。
嘘とかそういうのに敏感なアーサーはリーが面会に来た時、不機嫌な感じで(でも嫌われないように)聞いてみたところ、「あなたに好かれたくて。嘘なんてみんなちょっとはつくでしょ」と言われる。しかもこないだのアレで子供ができたとの発表が。これにはアーサーもリーがアクリル板に描いたルージュでグラスゴースマイル。
ソフィー・デュモン
公判では、アーサーが恋心を抱いていた隣人のソフィー(ザジー・ビーツ)が証人として出廷。
前作でアーサーは、妄想が過ぎてアパートの部屋に不法侵入して死ぬほど彼女をビビらせてしまった。結局最後まで彼女に危害を加えることはなかったものの、彼はことごとく変な奴だったと話す。いやそりゃそうだし。例の生放送も見ていたという彼女はハービーに「テレビの中の彼は普段の彼と違いましたか?」と問われ「いや…ピエロのメイクしてました」と陽気なジョーク。そして彼の母から、軽い気持ちで「あなたは人をハッピーにしなさい」と言ったら本気でコメディアンを夢見始めて困った。才能ないのに。って話を聞いて…もうやめて!アーサーのライフはもうゼロよ!
なんか限界に達したアーサーは弁護士メリーアンをその場で解雇。
マレーの番組で老女にした時のようにメリーアンに口づけし、信者から喝采を浴びる。
公判を終え、牢の中で待機するアーサーの元へやってきて、「あなたをクソ誇りに思うわ」とリー。そしてまたキッス。看守?に接触禁止と言われたので、煙草の煙を口移し。激オシャシーン。
病院に帰っても、「よくやった」と言わんばかりの囚人たちの拍手喝采。調子に乗ってアーサーはテーブルの上でポーズ。みんなで「聖者の行進」を歌う。
ゲイリー・パドルズ
過去のなんかアレで法廷内の扮装は自由が認められているらしいってことで、ジョーカーメイクで登場したアーサー。ただし(カールおじさんの空飛ぶ家みたいな)裁判長に「くれぐれも法廷をステージだと勘違いしないように」と釘を刺される。
証人にはアーサーのかつての同僚であり親友ゲイリー・パドルズ(リー・ギル)が登場。
「パドルズ?それが神から授かった名前か?」
「それが本名なんて嘘だろ?信じられない」
「僕があの意地悪な同僚のクリマンマンホフを殺すところを見たと?」
という具合にジョーカージョーカーした証人尋問を行うアーサー。クリマンマンホフってほんとに言ってました。言ってましたってか字幕ですけど。いやアーサーって笑いの才能あるんですよ本当は。
怯えまくるゲイリーも意に介さず、意味ありげで全くないことを次々とまくし立てるアーサー。怯えながら相当悲しい表情をたたえたゲイリーは、「僕の気持ちがわかるか?」と口を開く。「僕を笑わなかったのは君だけだ」「今はただ君が怖い」「あの日から怖くて眠れない」と涙ながらに訴える。非常に可哀想。かつての親友を深く傷つけてしまったことに気づくアーサー。ヤケクソになりまた自分を無下に扱ってきた人間たちに暴言を吐き始め、ついでに精神病院の看守たちもブタ呼ばわり。今でこそアーサーに優しい(?)看守たちだったが、最初の頃は虐めまくっていたのだろう。
病院に戻ると、激おこの看守たち。「なーんか、ヤな感じ?」とアーサー。案の定シャワー室でボコボコ。
アーサーを慕うエディ・レッドメインみたいな雰囲気の童貞囚人リッキー(ジェイコブ・ロフランド)が、抗議の「聖者の行進」を歌いはじめる。看守たち(観てる私たち)がやめろ(やめといた方がいいよ)と言ってもやめない。頭に血が昇っている看守のリーダー的存在が彼も独房から引きずり出してボコボコ(ああ〜だから言ったのに)。勢いあまって殺してしまう(ええ〜?)。可哀想ってレベルじゃねえぞ。
一部始終を聞いていたアーサーは暗闇の中、震えながら涙を流した。
ジョーカーはいない
最後の公判日。ジョーカーメイクでシックなブラウンのスーツで登場したアーサーは椅子を陪審員席の目の前に置き、マイクを持ってそこに座り黙ったまま。裁判長ことカールじいさんに催促され静かに話し始める。
力のあるものに怯え、理不尽な暴力に虐げられ苦しめられていたかつてのアーサーは、ゲイリーが涙ながらに訴え、自分を慕っていたリッキーが殺されたことで、自身が苦しめる側になってしまっていることに気づいたのかもしれない。
ジョーカーはいないと言い切ったアーサーに、傍聴席の信者たちは落胆の声をあげ、次々と席を立っていく。そして、リーも。
弁論を終え、陪審員は秒で判決を出した。てかもうほぼ有罪は確実な空気。その空気で特別に電話を許してもらったアーサーは、リーに電話をかける。もちろんリーは出なかったが、彼は留守電に向かって話し始める。
〝君にここにいてほしい。君が去るなら、晴れた日に太陽を奪われるのと同じだ。それでも君が去ってしまうなら、それも受け入れる。”
電話の向こう側でアーサーの声を聞いていたリー。てかもう家なん?早い。まっすぐ帰ってんじゃん。
リーは最後まで受話器をとることはなく、本物の銃口をこめかみに当てるのだった。
そして判決の時間。
すべての殺人について有罪が言い渡され、笑いの発作が止まらなくなるアーサー。傍聴席のおっさんが「笑うなー!」とブチギレ、カールじいさんもブチギレ。ヘルタースケルター状態。すると突然轟音が鳴り響き、裁判所の壁が派手に吹き飛ぶ。キタキタ〜!!
夢しかなかった
過激派集団の自動車爆弾によって、法廷の中にいた人たちは軒並み吹き飛び大怪我三昧。ハービー・デントは顔の半分を負傷。トゥーフェイス爆誕。
不幸中の幸いか(不幸の割合エグい)、わりと無事だったアーサー。朦朧としながら立ち上がり壊れた壁から外へ出てふらふら歩いていると、ジョーカーのコスプレをしたアーサーより一回りガタイのいい信者の男に「本物だ!こっちへ!」と車に乗せられ、裁判所をあとにする。
市街を走る車の中、ほどなくしてアーサーは正気を取り戻した。正気の彼が真っ先に思い浮かべたのはリーのことだ。彼女は以前かつて自分が母親と暮らしていたアパートへ越したと言っていた。彼女に会わなければ。アーサーは車を降り、走った。すぐ行く!走って行く!
例の階段の下へ辿り着き、階段の中腹にリーの姿を見つける。なぜか前髪パッツンになった彼女は、微笑んでいるようにも見えた。
裁判所が爆破されたから僕はもう自由なんだー!どこ行くー!?と嬉々として話しかけるアーサー。でもリーは、どこにも行かないと塩対応。
でも、君なしでは生きていけないんだ。僕は君が恋したジョーカーだよ?と言っても、ジョーカーはいないって、あなたが自分で言ったのよ、と。切ない。これは恋愛映画。もう。
リーは歌い始める。書いてこなかったけど、この映画15分に一回は歌が入る。みんな歌う。来るぞ来るぞと思うと歌シーン。最後も歌う。
でも、アーサーは、「歌うのはやめてくれ」と最後は言う。いや本当に歌ってたんかいと思うが、「歌うのはやめて話をしよう」と言ってもリーは歌い続ける。だって歌手だもの。あたし、歌手だもの。
「赤ん坊がいるんだろ?」と訊いても、リーは答えない。
リーは去って、警察が来る。
これが人生(That's Life)
まるで何事もなかったように、平和(?)な病院での生活が戻った。娯楽室?でテレビを見るともなく見ているアーサー。
面会だとアーサーに声をかける1人の看守。
…え?リー?いやリーが来たらかなり胸熱だけど、来るわけないよなさすがに。ゲイリーあたりが来たんかな…
面会室に向かう途中、若い囚人がアーサーを呼び止める。
ジョークを聞いてくれる?
…うん、いいよ、手短にね。
アーサーは微笑んでそう答えた。
若い囚人はそう言うと、アーサーの腹をナイフで刺した。
もうメッタ刺し。ワンチャン死んでないかも…という観客の淡い期待を見透かすようなメッタ刺し。
アーサーは床に倒れ込むと、目をガン開いたまま絶命。
いやまだワンチャン、という観客の期待を打ち砕くようなガン開き。
感想と考察
感想
さて皆さんもご存知のとおり、公開直後から映画史上稀に見る総スカンの続編として酷評された本作でございますが、いや、悪くなかったよ?
てかむしろ、良かったまであるよ?
2回観たよ?これ書いてる今は3回目観たくなってるよ?
虹を架けるはずだよ?みんなを連れてくよ?
まあ確かにミュージカルシーンが多めだったのは残念っていうか退屈っていうかまあアレだったけど、“頭のおかしさ”を表現するための一つの手段なのかなって観ながら思ってました。
何がよかったかって、リーとのロマンスだよね。
一作目は基本的に絶望しかなかったのに対して、今作はリーっていう自分の存在を認めてくれた味方がいるっていうのが、「よかったねアーサー」って感じでエモかったです。
あとやっぱレディー・ガガのビジュアルって絶妙なんだよな。超がつくほど美人ってわけでもない、無骨なイメージ(金髪のプリン具合もちょうどいい)がホアキン版ジョーカーとめっちゃ相性よかったと思う。キャスティングした人神ですね。
あと、こういう人だと思って惹かれて、付き合って、でも実は本当の自分(相手)がいて、それに冷めて別れるって、わりとベタな恋愛の流れじゃないですか。最後の階段のシーンとか、シンプル別れ話だし。たった一言が取り消せない切なさ。あのシーン、恋愛脳なんでだいぶ刺さりました。
「もう一度観たくなる」のは、きっと幸せだった時の2人が見たいからなんでしょうね。
もう一つ良かったのは、激オシャな映像演出。
冒頭のルーニー・テューンズ風のアニメとか、あの重低音のBGMに被さるタイトルバックとかもそうだけど、要所要所で出てくる演出が本当オシャレ。
・弁護士との面会に向かうため看守4人に連れられ棟を移動する際、看守は傘をさしてるんだけど、アーサーだけは雨に濡れながら歩くシーンで。実際傘は黒い傘なんだけどアーサーの妄想の中ではカラフルな4色の傘になってる。4色の傘の真上のカットと、目を瞑って空を仰ぐアーサー。
・リーと初めて話した夜、アーサーが真っ暗な独房で煙草に火をつける様子が覗き窓から見える。
・面会にやってきたリーがアクリル板に口紅でニコマークを描くと、それに合わせてアーサーがニッコリと笑うシーン。ここ口紅の方のピントがぼやけるのマジでレベル高い。
・弁護士をクビにしたアーサーの元に面会にやってきたリー。接触を禁じられた二人は煙草の煙をギリギリ触れないくらいの距離で口移しする。
覚えてるだけでもこんだけある。このオシャレさは一作目にはなかった要素ではある。
他にもオシャシーンではないけど、
・リーに出会えて嬉しいアーサーが久々にジョークを言って看守に煙草をもらうシーン(お礼の代わりに看守の背中をポンと叩いて頭を殴られるのも含め)
・リーがショーウインドウをゴミ箱かなんかでブチ割って(ジョーカーの報道がされていた)テレビをパクるシーン
・アーサーが調子に乗ってテーブルの上に立ち聖者の行進をみんなで歌うシーン
・最後アーサーが留守電に吹き込んだ歌
・最後の青年に笑顔で対応していたアーサー
も好き。あーいい映画だなこれ!?
ホアキンとトッドが始めた物語
2作目が1作目と全然違う、1作目を絶賛した人たちが酷評するような内容だったのは、やっぱり良くも悪くもジョーカーっていう伝説のヴィランの話で、やってることは結局悪だよっていう念押しみたいなものだって言ってました。誰かが。
あとは歌=エンタメで、これはあくまでエンタメで現実は違いますよー。こんなことしたら本当はダメですからねーみたいなことなんだっていうのも言ってました。誰かが。だから最後アーサーはリーに歌うのはやめろって言ってたとかなんとか。
何にせよ1作目で自分たちが始めた物語が、悪い方向に行かないように別の角度からアーサーを表現した結果こうなったって感じでしょうか。知らんけども。
いやそれにしても可哀想だろアーサー。こう言っちゃなんだけど死んだ5人ともそこそこ悪い奴だったじゃんか。
まあ殺すほどじゃないか。byゲイリー。
他のジョーカーにはないもの
ホアキン版ジョーカーって、今までの悪のカリスマとして有名なジョーカー(ニコルソン版、ヒース版、レト版)と比べると、なんか感情移入できる唯一のジョーカーな気がするんですよ。
まずサイコパスじゃないんだよね。アーサーは。誰よりも人間。虐待を受けていた母親の話を鵜呑みにして、人を笑わせるためにコメディアンを志すとか、むしろいい奴過ぎるくらい。
リー(ハーレイ)との関係も、他のジョーカーたちと違ってハーレイに翻弄されながら関係を築いていくし、本当はちっともイカれてないアーサーが、ちゃんとイカれてるリーに惹かれるっていうのも、貴族と恋に落ちる庶民みたいなありふれたラブストーリーの構図だし。
ジョーカーとして法廷に立ちたかったのも、結局ジョーカーを演じきれなかったのも、アーサーはまともだったから。アーサーは俺らだったから。世の無関心を憂うけど、実際には何もできず、迎合して生きていくしかないちっぽけな存在だったから。だからゲイリーやリッキーの苦しみに気づいたし、心が傷んだ。
最後都合よく爆発が起きて脱出できたら、やっぱり俺はジョーカーっだってなる現金さも俺ら。
要するに一作目は俺らの代表アーサーが証券マンやマレーのような庶民を虐げて食い物にする奴らを成敗してくれたからあれだけ絶賛されたけど、二作目はアーサーが結局は何者にもなれず、全てを失うエンドだった(アーサーに感情移入していた人が多かった)から酷評する人が多かったんだと個人的には思うけどどうなんでしょう。
いや、ミュージカルシーンが多かったからだろどう考えても!!!