CUBE 一度入ったら、最後(ネタバレ)
公開 2021年 日本
監督 清水康彦
出演 菅田将暉 斎藤工 岡田将生 杏 吉田鋼太郎
かの有名な閉じ込められる系(ソリッド・シチュエーション・スリラー)映画の金字塔「CUBE」の、非常に嫌な予感のする日本リメイク版。
嫌な予感はしていたものの、思いの外ちゃんとしていた。
監督は清水康彦氏、斎藤工が永野とプロデュースした映画「MANRIKI」を撮った人。
↓以下ネタバレ↓
※今回はオリジナル版「CUBE」のネタバレも含みます!※
忙しい人のためのあらすじ
目覚めると、無限に立方体が続く謎の場所にいた6人の男女。
間違った部屋に入ると罠で死ぬ。
菅田将暉の頭が良かったので部屋の法則性を見つけかけたが、
結局出れたのは子供一人。
菅田将暉の戦いはこれからだ!レッツシンク!
忙しい人のための感想
・ストーリー的に退屈しない内容ではあった
・カザンどこ?
・続編出たら何だかんだで見てしまいそう
特に何が良かったとかではないが話が話なので中座せずに見れた。
オリジナル版とは大筋と最初のトラップ描写(時生君の)以外全部違いましたね。原作でいうところのカザンがいなかったのが残念。
登場人物
後藤裕一(菅田将暉)
エンジニアの若者。原作でいうことろのカザンの役割を半分担うものの、ちょっと頭がいいのかなってくらいの人。親の虐待から弟を救えなかった過去を持つ。
越智真司(岡田将生)
卑屈なイケメンフリーター。嫌いなものは偉そうな人間。
井出寛(斎藤工)
整備士の男。妻が瀕死で時間がないらしく焦っている。
宇野千陽(田城輝)
主人公にしか心を開かない系の子供。
甲斐麻子(杏)
ロボットみたいな喋り方の女性。決め台詞は「あなたたち何者ですか?」。
安藤和正(吉田鋼太郎)
会社役員。嫌な大人の代表。かすり傷一つでギャーギャー騒ぐ。
トラップ紹介男(柄本時生)
映画の最初に出てきて、不用意に部屋を移動して胸をくり抜かれて死ぬ。
概要
鉄製の立方体の部屋「キューブ」に閉じ込めれた男女が何とか頑張って脱出しようとする話。
部屋の四方と上下にはハッチがあり、隣の部屋も全く同じ作りになっている。トラップが仕掛けられた部屋に入ってしまうと高い確率で死ぬ。
冒頭のお決まりトラップ紹介シーンで柄本時生が壁からせり出してきた石柱に胸部を貫かれて死んだあと、別の部屋で3人の男が目覚める。菅田将暉、岡田将生、少年。ダブルマサキと子供である。
3人が自己紹介などしていると部屋のハッチが開き、斎藤工が入ってくる。
斎藤工は靴を靴紐でつなぎ、入る前の部屋に落としトラップを確認してから進む方法を採用しているようだ。
何のかのあって杏ちゃんも加わり、決め台詞の「あなたたち何者ですか?」が出る。
何かと生き急いでいる様子の斎藤工がずんずん進むのでみんなもそれに続く。
部長(吉田鋼太郎)とも合流してどんどん部屋を移動するも、脱出の兆しは見えない。そんな中菅田将暉がハッチに数字が書いてあるのを発見。
いや絶対遅いだろ。
あんな移動部分の全員が通る場所、誰かがもっと早く気付いててもよさそうなもんである。
3桁の数字が3つ。ちょっと賢い菅田将暉と数学をかじっている少年がレッツシンクした結果、3つの数字の中に素数が含まれる部屋にはトラップが仕掛けられてるっぽいという仮説に辿りつく。
その仮説をもとに部屋を移動していく一同。
道中、クワイエット・プレイスで岡田将生が音を立てて部長に軽い怪我をさせたり、部長も部長で軽い怪我なのにやたらブチギレたり、設計図を見つけたり元の部屋に戻ったり斎藤工がタコスナイパーに胸を貫かれて死んだり(誤ってトラップ部屋に落ちた少年を助けようとした)しながらも、菅田将暉が新たな数字の法則を発見。なんかよくわからんが数字は座標で、あとちょっとで出られるらしい、と。
それはそれとして何やら悲しい過去がありげな菅田将暉。ちょいちょい出てくるフラッシュバックみたいなのの鬱陶しさったら。
斎藤工に代わってチームを率いることになってしまった菅田将暉はまたフラッシュバックで地蔵状態に。モタモタしてるうちに部屋の真ん中から鉄格子がせり出てきて、少年菅田将暉杏ちゃんチームと岡田将生&部長チームに分断させられてしまう。部長とイケメンは二人きりにしてはいけないのだが。
菅田将暉チームは何やらイベント部屋に到着、壁一面のスクリーンに違う少年が映し出されている。菅田将暉の弟だ。虐待に耐えかねた弟が目の前で飛び降り自殺した時の記憶である。
自分もいじめられっ子だった少年は、映像を見て菅田将暉を激詰め。そしてわざとトラップのある下の部屋に飛び降りるが、菅田将暉がすんでのところで少年の手を掴み助ける。あっさりと菅田将暉の心は救われた。
何のかのあって「999」の部屋に出口があると判明、999の数字を覚えていた杏ちゃんのおかげで脱出できそうな雰囲気。
部長をぶっ殺した岡田将生とも再会し、脱出目前と思われたが、ヤケクソになった岡田将生にトラップ部屋に誘導され、取っ組み合いになるダブルマサキ。というか岡田の方が馬乗りになり、社会不適合者すぎて受け入れてもらえないのを周りのせいにして喚き散らすも、時間差で発動した鉄の枝みたいなやつに体を串刺しにされて岡田の方死亡。菅田の方は部屋の移動が間に合わず置き去りになってしまう。
少年と杏ちゃんは出口にたどり着き、「外に出ても何も変わらないと思うけど大丈夫そ?」と言われ「僕が変わらなきゃ」とか何とか言ってゲームクリア。置き去りになった菅田将暉は傷だらけになりながらも一命を取り留め、To Be Continued。
なぜか少年を見送っただけでキューブを出なかった杏ちゃんはゲームマスター側で、案内役のような役割を担っていた様子。
不思議に思えよ、少年。「変わらなきゃ」じゃないんだよ。
杏ちゃんはまた別の被験者たちと合流し白々しい顔で言う。
「あなたたち、何者ですか?」
感想
観る映画を探してサブスクを漁っていたら見かけて、
ああそういえばこんなリメイクもあったなあと思って、オリジナルはかの有名な密室映画の金字塔だし観てみるか…で観たやつ。
決して面白くはない、というかつまらない部類なのに先が気になってしまうという不思議な映画。「オリジナルとはどう違うんだろう」「終わりはどうなるんだろう」という興味が映画としての面白さより勝ってしまう。
オリジナル版と今作の登場人物を比較するとこんな感じ↓↓
菅田将暉(エンジニア、数学の知識あり)
→レブン(女学生、数学の知識あり)
→ワース(最後にキューブに取り残される)
岡田将生(フリーター、最後に暴走)
→クエンティン(警察官、最後に暴走)
斎藤工(整備士、靴トラップ対策、途中で死)
→レン(おじいちゃんの脱獄王、靴トラップ対策、途中で死)
少年(数学かじりのいじめられっ子)
→カザン(自閉症、天才的な数学の才能)
杏ちゃん(案内ロボ)
→ワース(設計者の一人)
吉田鋼太郎(岡田将生に殺される)
→ハロウェイ(クエンティンに殺される)
結果的に、オリジナル版との違いが全部裏目に出てつまらなくなった印象。
「足を引っ張っていた自閉症のカザンが、キューブの謎を解いて脱出する」っていうのが胸熱だったのに、日本版で脱出できた少年は単に足を引っ張っただけで実際に謎を解いたのは菅田将暉だし。
主人公のトラウマ描写みたいなんも、鬱陶しいったらない。何あのスクリーンの記憶みたいなの。キューブ日本支社は情に訴えかける方針?
岡田将生の狂気の演技は凄かったけど、あんなにイケメンで社会から疎外されるっておかしいだろそもそも。杏ちゃんの最後の「あなたたち何者ですか?」っていう伏線回収!ドン!って感じも腹立つ。
なんか書けば書くほどイライラする内容だったけど、それほどクソ作品でもないっていうのが愉快なところ。斎藤工は無愛想ながらガチのいい奴でよかったです。
以上!