映画感想文『テルマ&ルイーズ』シスターフッド映画の金字塔と自由への疾走 自由っていったい何だい?
監督:リドリー・スコット 音楽:ハンス・ジマー
キャスト:スーザン・サランドン ジーナ・デイヴィス
ハーヴェイ・カイテル ブラッド・ピット マイケル・マドセン
1991年に日本公開された『テルマ&ルイーズ』。監督したリドリー・スコットは『エイリアン』(1979)『ブレードランナー』(1982)あたりが有名でこの二作品は後のSF映画の歴史を塗り替えたといえるほどの名作だといっても良い。
昔TSUTAYAでレンタルして観た覚えはあるが、今回アマゾンプライムビデオで再視聴。本作は90年代のアメリカン・ニューシネマと評されることが多い。アメリカン・ニューシネマとは、1960年代後半から1970年代半ばにかけてアメリカで製作された一連の映画作品をさす呼び名である。社会体制に対して反抗的あるいは逃避的な人物を描写した作品が多い。主な作品を挙げると『俺たちに明日はない』『卒業』『真夜中のカーボーイ』『イージー・ライダー』『明日に向かって撃て!』『いちご白書』『バニシング・ポイント』『スケアクロウ』『時計じかけのオレンジ』『タクシードライバー』etc… あたりだろうか。定義は特にないのだが共通していえるのはハッピーエンドではなく、自暴自棄に振舞う主人公たちには皆最後に悲惨なラストシーンが待ってる。
『テルマ&ルイーズ』はリドリースコット作品だが宇宙もエイリアンもレプリカントも出てこない。アーカンソー州に住んでる専業主婦テルマと独身で中年に差し掛かったウェイトレスのルイーズの二人が主役のロードムービーだ。高圧的な夫に家政婦扱いされているテルマ。ルイーズは気は強いが結婚に踏み切れない恋人に鬱屈した日々を送っている。二人は週末のドライブ旅行に出発する。途中のバーでテルマは泥酔し店の客の男に駐車場でレイプされかける。助けに入ったルイーズは、テルマが護身用に持って来た銃で男を撃ち殺す。ここから彼女らのタフな逃走劇がスタートする。本作は数少ない女性二人のバディ映画だ。「私の映画には強い女性が登場するが、それは私が強い女性にひかれるせいだ。個人的な趣味からきている」そう言うスコット監督の『エイリアン』主人公リプリーもたった一人でエイリアンと戦う”強い女性”の象徴だといえる。
シスターフッド(女性同士の連帯)映画の金字塔と言われる『テルマ&ルイーズ』。しかし、ブルーメタリックのフォード・サンダーバード・コンバーチブルを巧みに操りアクセル全開で激走する姿は単純にカッコいい。崖から飛び降りるラストはハッピーエンドにすら見えてくる。その”自由への疾走”は未だに抑圧された社会に生きる男女の共感を呼ぶことだろう。
#MeToo運動以降、日本国内でもTwitterを通してフェミニズム運動が拡大してきた。「#WithYou」や「#WeToo」といったハッシュタグが使用され、性被害の当事者以外も、連帯を示す動きが広がった。しかし2022年7月に報じられたジェンダーギャップ指数(男女格差を示す値)において、日本は世界146カ国中116位。主要7カ国(G7)の最下位であるばかりでなく、世界的に見てもジェンダー後進国と認めざるを得ない状況である。
でも、クソフェミはうんざりだw
『テルマ&ルイーズ』公開25周年記念番組 主演二人
この時点で70歳のルイーズ役のスーザン・サランドン とテルマ役のジーナ・デイヴィスは61歳 スーザンは当時より若い。。ジョージ・クルーニーはこのJ.D.役のオーディションで落選。ブラッド・ピットを監督に推薦したのは、テルマ役のジーナ・デイヴィスだった。
自由への疾走 Lenny Kravitz - Are You Gonna Go My Way
教えてくれよ、なぜ俺達は死に急ぐのか
ひとりまたひとりと互いに殺し合うのか
そんなことより互いに抱きしめあい
一緒に踊り、愛し合うのさ
(でも俺が本当に知りたいのは)
お前はどうするのかということ
(それが俺の確かめたかったことなんだ)