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脇雅昭×家入一真QONVERSATIONS LIVE レポート

※トップ画像はPeatixサイトより借用


10月26日渋谷で行われた『QONVERSATIONS LIVE Vol.1 〜CAMPFIRE代表・家入一真さんが、よんなな会発起人(総務省)・脇雅昭さんに聞く、「官民一体の地域創生の可能性」』に参加。今回はそのレポートを書きます。

起業家として有名な家入一真さんと、総務省官僚であり、地方と国の公務員を結ぶ「よんなな会」発起人・脇雅昭さんによるコラボ。

このイベントは、“問いをかたちにするインタビューメディア”「QONVERSATIONS 」(カンバセーションズ)主催のもと、家入さんが公開の場で脇さんに取材するという公開インタビュー形式で行われました。

対談でもなければトークイベントでもない。鋭い質問(ツッコミ?)と軽妙な回答の応酬で、観覧席の参加者たちはお酒を飲みながら生の取材現場をイベントのような楽しい雰囲気で味わえました。

おふたりとも「面識がある程度」の仲だそうで、じっくり会話するのは今回がはじめてといっていいくらい。けれど、そんな雰囲気は微塵も感じさせないほど近い距離で、それぞれのキャラクターをいい感じで出し合いながら、終始なごやかなムードでトークは進行。

地域創生のヒントとなる考え方や仕事とプライベートの関係性、人生論や死生観にいたるまで、幅広いテーマに波紋をつくる大変濃い内容でした。

脇雅昭さん

25歳くらいの頃、国家公務員試験に合格して総務省に入省。すぐ熊本県に出向し、地方の豊かな人材に触れる。発起人をつとめた「よんなな会」は、公務員の魅力と可能性に気づきを与えるコミュニティとして脚光を集めています。現在は神奈川県に出向中。

家入一真さん

クラウドファンディング「CAMPFIRE」代表。以前から脇さんの活動に着目し、「インタビューしたかった」そう。家入さんもまた“問い”を大きな動機付けにビジネス展開されています。

(※写真が中途半端ですみません…)

先輩に「一緒に日本をよくしよう」とはっぱをかけられ公務員に

「なぜ公務員に?」という問いに対し、脇さんはこう答えています。(引用は意訳。以下同じ)

国家公務員はその多忙さゆえに「親の死に目にもあえない」と言われる職業。自分にできるかどいか迷ったけど、20歳も年の離れた公務員の先輩からの一言「一緒に日本をよくしよう」にグッときて、「自分も40歳くらいになったとき、若手にそんなカッコいいセリフを言えるようになりたいなあ」と思って、この道を選びました。

もともとは法律家を目指していたという脇さん。しかし、「法律はすべての人をまんべんなく救える仕組みになっていない」ことに限界を感じ、法律を作る側へ。脇さんに声をかけたその先輩は今も本省で活躍、立派にご出世されているそうです。人の人生って、だれかの一言で決まっていくことがあるから面白い。

「お世話になった地方に恩返し」との思いから“よんなな会”発足

新人の頃赴任した熊本では、いろいろな勉強をさせてもらいました。そこでいろんな人と出会い、現場で培った経験を国政にも生かせました。その恩返しも含め、最初は熊本の人材を生かしたいとの思いで地方と国をつなぐ会合をはじめました。東京だと、人との出会いは比較的簡単だけど、地方にいるといい人材がいてもなかなか交流が生まれない。そんな公務員同士の出会いの受け皿になれたらいいな、と。

地方と国の役人が顔を合わす会合はその後も続き、徐々に規模も拡大。場所は吉本興業だったりミッドタウンだったり。さまざまな会場で交流を深めるイベントをこなすうちに、「よんなな会」は生まれたそうです。

「目の前の仕事をがんばろう」ある女子公務員からのメッセージ

「よんなな会」を続けてよかった、と思えるエピソードのひとつとして、こんな逸話を紹介してくれました。

下水道関係の業務を担当する女子公務員がよんなな会に来てくれたんですけど、会合が終わったあと彼女からとてもうれしいメッセージをもらったんです。下水道業務という目立たない仕事をしてきた自分の自己評価はこれまで低かったけど、「みなさんとお会いしていろいろ話すうちに、目の前の仕事を頑張ろう、という気持ちになりました」。読んだとき、この会を続けてよかったなあ、と思いましたね。

あえて「イエスマン」になる

「プライベートはほぼよんなな会関連で埋まっている」ほど、精力的に活動を続けている脇さん。誰かに何かを頼まれても安易に断ることはせず、積極的に引き受けるようにしているそうです。イエスマンといえば「意志の弱い人」「都合よく使われる人」みたいな意味として使われがちですが、脇さんはあえて肯定的に解釈しています。

頼まれたらとりあえず「イエス」と答えるようにしています。何が正解なんて分からないじゃないですか。頼まれたときの価値観で「それはできない」とはねのけるのはよくないし、もったいない。とにかくやってみる。やってみて、その奥にある一番いいものを発見する。行動した後の結果なんて、あとからどうとでも理屈をつけられるものだし。だから、受ける段階はイエスマンでいい。

そんな脇さんを、家入さんは自分なりにこう定義します。

イエスマンというとネガティブにとらわれがちだけど、イエスと承諾した時点で相手にギブしているんですよね。だから、脇さんは常にギブを送りまくっているんです。

家入さんも、基本的にイエスマンだそうで、面白そうと思った提案はスケジュールのこととか何も考えずに引き受けるとのこと。それで、あとから大変な目に遭うとか。

見返りを求める行動は、長続きしない。今はじめたことって、すぐには結果でないじゃないですか。だから、みんなその前にやめちゃうんだよね。でも、それは5年後10年後にきっと返ってくる。見返りがあるかどうかなんて長い目で見ないと分からないんですよ。だから、損得で動く人は長期的にみて損していると思う。

僕自身、何かをはじめても具体的な成果が出なかったらすぐあきらめちゃうほうなので、家入さんのこの言葉は深く胸に刺さりました。

***

脇さんのお話をきくうちに「公務員、おもしろそう」って思いました。公務員って叩かれやすい存在ですが、やはり実際の現場を知り、苦労を知り、またその仕事の魅力を知る当事者の話を聞くって大事だな、と。たぶん、公務員に限らず、掘り起こしてみれば面白い仕事はまだまだあるんじゃないか、そんな気づきも与えてくれるイベントでした。







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