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「SmartHR版サステナブル人事」 人に向き合う編

こんにちは。SmartHR 執行役員兼人事統括本部長(VP of HR)の宮下です。2024年7月にVP of HRに就任いたしまして、人事業務と経営の狭間に立ち、人事パーソンとしての感覚を持ち続けることの重要性を再認識しています。

過去の記事でも触れていますが、SmartHRでは「サステナブル人事」を掲げ、長期的な企業価値向上とステークホルダーの要請に応えられる人事を目指しています。過去に「SmartHR版サステナブル人事」についての記事も発表しており、こちらをご覧になった方もいらっしゃるかと思います。今後もその過程や実践を公開していきたいと思います。

過去の記事は、こちらをお読みください。

その過程における喜びや苦労を共有し、皆様に少しでも共感頂き、我が社でもサステナブル人事を意識して取り組もうとかな!「自分ごと化」して頂けたら嬉しいです。


人事の役割は、「人のやる気を引き出すこと」

サステナブル人事を含め、人事施策全般を推進するのは「人」ですね!もちろん、事業を動かすのも「人」です。営業の売上数字は光を当てた影の部分であり、光が当たるのは「人」です。人が全ての中心です。

人事の役割は、私は「人のやる気を引き出すこと」だと思います。今年の人事キックオフでもこの点を強調しましたが、これは私が常に意識しているテーマです。私が尊敬する八木洋介さん(株式会社people first代表取締役、元 株式会社LIXILグループ執行役副社長)の著書「戦略人事のビジョン」でもこの点に触れられています。

従業員のやる気を引き出すことは、事業の成長に直結します。下の図は、やる気を高めることで事業成長に繋がるサイクルを示しています(今年の人事キックオフ会議で使用したスライドの一部です)。

また、従業員のやる気を高めるには、人事メンバー自身が高いパフォーマンスを発揮し、自分たちのやる気を維持できる環境を整えることが重要です。

今年の人事キックオフ会議で使用したスライドを抜粋

人のやる気を引き出す方法にはいろいろありますが、今回は「トランスフォーメーショナル・リーダーシップ(以下、TFL)」に注目したいと思います。

このリーダーシップスタイルは、組織のビジョンを明確に示し、そのビジョンに基づいて仕事の魅力を伝えることで、メンバーのやる気を引き出すものです。また、メンバー同士が対話(ダイアローグ)を通じて仕事の意味を共有し、それぞれが納得しながら前向きに取り組むことも行います

私はこの方法を意識しながら、日々の業務に取り組んでいます。

ビジョンを浸透するために、何をしているの?

年2回の人事キックオフで人事戦略やビジョンを説明しています。でも、これは一方通行のコミュニケーションです。もちろん、キックオフ会議後のアンケートは回収しますが、これでは本当に腹落ちしているのかはわかりません。よって、私はいま、全HRメンバー(約60-70名)と1on1をしています。目的は、いまよりもより強いチームを作るためです!(いまの良いチームだと思っています)

これにより、戦略を立案した背景や想いを丁寧に説明をさせて頂き、不明な点は質問を頂く双方向のコミュニケーションを行っています。また、相手の反応もお互いにわかるので、言葉以上の感覚が共有出来るもの大きなメリットだと感じています。

1on1の進め方は、アイスブレークを行います。最近入社された方は、お互いの自己紹介から始めます。その後、1on1の目的をお伝えし、人事の役割や人事戦略、2030年までに実現したい世界観を丁寧にお伝えします。最後に質問を頂く流れです。

全員と1on1をさせて頂くのは、スケジュール調整等は大変です。この進め方が良いかは不明ですが、コミュニケーションが全てのスタートだと思い進めています。この1on1は年2回行いたいと思います。

なぜ対話(ダイアローグ)が大切なの?

少しだけアカデミックな話しをすると、経営の世界で「ダイアローグ(対話)」の重要性を唱えたのは「学習する組織」の著書、ピーター・センゲです。センゲは、科学的管理法から続く「管理する組織」では限界を訴え、環境変化に対応できる「学習する組織」への転換を説きました。

「ダイアローグ(対話)」は、お互いが尊重される場で、それぞれが考えたことを場に出し、相互理解を深めるプロセスです。正解を求める、すぐに判断する、というビジネスの枠組みをはずし、ゆったりと探求する姿勢で対話していくコミュニケーションです。「学習する組織」では、このダイアローグこそが、いまの時代には必要であると説いています。

「ダイアローグ(対話)」の目的は「手段」の良し悪しを考えるのではなく、その背景にある「意味」を共有することです。多様の人が集まれば意見が異なるのは当然です。共同体として目指すものが同じであれば、お互いの意見を戦わせる前に「どうしてそう考えるのか」を深く理解しあうことが大切です。異なる考え方でも、意味を共有出来れば、建設的な第三案が生まれる。これが「ダイアローグ(対話)」の思想です。

長々と記載しましたが、SmartHRの人事では、この「ダイアローグ(対話)」を通して、人事戦略やビジョンの「意味づけ」を自身に落とし込んで頂き、「自分ごと化」からやる気を引き出して頂きたいと考えています。

やり方は、人事内の部門ごとに集まって頂き、「ダイアローグ(対話)」を開催します。これは10月から開催するので、まだこれからです。オンライン開催をベースに、時にはオフラインで毎月開催して行きたいと思います(オンラインとオフラインのハイブリッド開催はダイアローグには適さないと言われています)。オフライン開催時は、任意参加での懇親会もしたいと思います!

このように、「1on1」で目的や背景を直接お伝えし理解頂き、「ダイアローグ(対話)」を通して「意味付けと自分ごと化」を行って頂きたいと考えています。

私たちが目指すこと!

私たちの人事は、2030年までにARR目標額を達成し、ミッションである「well-working」の実現を目指しています。詳細については、以下の(2030年までの人事統括本部ロードアップ)をご参照ください。

私たちが目指すことを実現するには、「長期的な企業価値の向上とステークホルダーのニーズに応える」ことが重要であり、これはサステナブル人事の基本的な考え方です。この考え方は、私たちが目指す世界観と深く結びついていると考えています。

今後も、SmartHRが目指す世界に向けた取り組みを発信していきますので、これが皆様の人事施策にお役立ていただければ幸いです。引き続き、よろしくお願いします。

2030年までの人事のロードマップです

参考書籍


SmartHR版サステナブル人事note 編集部

  • 執筆:VP of HR 宮下 竜蔵

  • 編集者:副島 智子

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