健康的なダイエット、その理論と実践
はじめに
ダイエットをはじめてみた
ダイエットとは何か。今更説明をする必要もないと思う。着たい服を着るため、健康の為、スポーツのパフォーマンス向上のため。色々目的はあると思うけれど、今よりも無駄な体脂肪を減らして体重を落とす行為を広い意味でダイエットと呼ぶ。ただし、病気で寝たきりになると、食べる量も減って体重も落ちるけれど、このような減量は普通ダイエットとは言わない。
筆者がダイエットをはじめようとしたきっかけは単純なものだ。正月太りで腹が突き出てしまったからだ。それを他人から指摘され、これは本格的にヤバイと思うようになった。若い頃ならば、そうそうお腹が突き出るようなことはなかったが、加齢とともに身体活動が低下してきて、お腹が出るようになってきた。体全体が太るのならまだしも、お腹だけが突き出るのはあまり良い傾向とは言えない。餓鬼草子に出てくる餓鬼のようで見た目的にもあまりよろしくない。体力も落ちて健康状態も不安定だ。昔は4~5㎞の道のりも難なく走っていたけれど、今は休み休みでないと走れない。何なら歩くのもしんどい。それもこれも、無駄に太ってきた体脂肪のせい。
体重を性格に測定し始めたのは4月からだが、1月から測定していたら85㎏はゆうに超えていたことだろう。それだけ太っていたのだ。数年前まで77㎏くらいの体重だったから、急速に太り始めたことがわかる。
体重に限らず、生活もあまり上手くは行っていない。そのストレスが過食を呼び、さらに体重を増やしていった。思えば、体重を増やすような生活が続いていたと思う。多少運動はしていたけれど、あくまで「多少」であり、無駄な体脂肪を燃焼させるほどの質や量の運動はしていなかった。
実は恥ずかしながら、かつて糖質制限の本を読んで米を食べないようにする、いわゆる糖質制限ダイエットなるものを試みたことがある。その時は確かに一気に体重が減って喜んだものの、しばらくすると体調を崩してしまいまた元の体重に戻してしまった。あの頃は考えなしにただ米を食べないようにしただけの行為であった。失敗してしかるべきだったのだ。
そこで、今回は万全を期するため、ダイエットについての理論もしっかり勉強した上で行ってみることにした。ついでに筋肉のついた理想的な肉体も目指そうと考えてみた。今回はこうして勉強したこと、そしてそれを実行してみたことをまとめたのが今回の記事である。
ダイエットは自分を変える最も簡単かつ効果的な方法である。スポーツのパフォーマンス向上、好きな服を着たい、中年太りが気になってきた。理由は人によって様々であろうけども、これからダイエットをしようと考えている人、またはすでにダイエットに挑戦中の方は是非参考にして欲しいと思う。
ダイエットの結果
結果から言うと、4月から8月の終わりにかけて、約5カ月でおよそ13㎏の体重減少を達成した。記録開始時点ではおよそ84㎏であった体重が71㎏まで落ちたことになる。糖質制限をしていた頃よりも大きい減り方である。しかもあの頃と違ってまったく体調も悪くない。むしろ健康そのものである。夏の暑さは今年も厳しいけれど、夏バテもしていない。
もちろんダイエットを始めてすぐに体重が減り始めたわけではない。しかし自分の勉強した理論を信じて続けてきた結果、それなりに減量に成功したと思う。体重は減ったけれど健康を害した、というのでは意味がない。ちなみに血液検査の結果もかなり改善している。
突き出た自分のお腹を見るのは辛かった。それが無くなるだけでもかなりの自信になる。鏡で自分の体を見るのが楽しくなった。集中力も増して、読書もできるようになった。朝早く起きられるようにもなったし、以前よりも我慢強くなったような気もする。健康と減量の両立も、本書の大きなテーマの一つでもある。
ダイエットの方法
ダイエットの方法はいたってシンプルである。まず人間の太る、つまり体脂肪が蓄積されるメカニズムを理解し、そうならないよう生活全般を見直すことから始めた。そして、脂肪の除去と筋肉の増強を意識する生活を送ったことで体重の減少や体形の変化が表れた。そしてそれは、これを書いている今も続いている。
先述したように筆者の性質は脂肪の蓄積、つまり肥満になりやすい生活であった。加齢とともに運動量が減り、そして代謝も悪くなるので脂肪が蓄積される。元々小さい頃痩せ型だった筆者は、体全体が太るのではなくお腹周りから太る傾向にあった。いわゆる「内臓脂肪型」の肥満である。日本人に多い。逆に欧米人などに多いのが「皮下脂肪型」の肥満だ。一般的に太っていると言われているのはこの皮下脂肪型の肥満体形が多い。しかし日本人に多い内臓脂肪タイプの肥満は体に多くの不調をもたらすことがよく知られている。筆者は長らく肝臓に脂肪が多く蓄積された脂肪肝という状態であったけれど、今は解消されている。内臓脂肪は皮下脂肪よりも落ちやすいのが特徴だ。内臓脂肪が除去されたことで、疲れやすさも無くなり、より活動がしやすくなった。
生活全般を見直すというけれど、具体的にどう見直したかというと、まずは食事、そして運動、さらに休養の三つを心がけるようにしたのである。よくダイエットは食事が重要、などと言われるけれど、食事も運動も、そして休養も重要である。そのすべてが揃わなければ健康的なダイエットとは言えない。
ダイエットを失敗する人の中には、かつての筆者のように体調を崩して断念した、という人もいるだろう。内臓脂肪の除去などは何より健康のための行為なので、ここで健康を害してしまったら本末転倒だ。中には怪しげなクスリに手を出して体重減少の代償として色々な副作用に見舞われる人もいるかもしれないけれど、そのようなクスリもサプリメントもこの記事では薦めない。
あくまで自分の体で試したダイエットの理論と実践をここでは説明しようと思う。なお、体質というものは人によって異なるので筆者の行った方法が必ずしもすべての人に当てはまるわけではない。しかし、人の行動は完全に自分と一緒でなくとも、何等かの参考になるはずだ。美しい体を手に入れたい女性やお腹の脂肪が気になる中高年の男性まで、幅広く読んでいただければと思う。
最後に、この記事がどのような構成になっているかを説明しよう。
第一章では太る原因、ダイエットの失敗などの要因を人体の構造から考えていきたい。人はなぜ太るのか、どのような生活が肥満に繋がるのかということを説明していく。物事は原因がはっきりしなければ対処できない。問題解決の手法でも、まずは現状を観察して何が問題なのかをはっきりさせる必要がある。
第二章では運動について説明していく。ダイエットは生活全般の見直しというのは何度も書いてきたけれど、運動はその中心と言ってもいい。いや、ダイエットに大事なのは食事だろう、と思う人もいるかもしれない。それは正しい。だが、運動も大事なのだ。これは生活レベルでも言えることだ。そこの所を詳しく解説していく。
第三章は食事である。当然ダイエットにはダイエットの食事がある。食生活という言葉もあるように、食事は生活していくうえで重要な位置づけをされている。少なくとも肥満に悩む人はこの食事に問題がある。食事全体の見直しと、どのような食事が望ましいのかを考えていきたい。
第四章は休養について。休養は運動や食事に比べると軽視されがちだがこれも大事なところだ。正しく休養をして、疲労を回復させなければ運動もできないし、怪我や病気に繋がってしまう。怪我や病気をしてしまっては健康なダイエットという目標は達成できないし、そもそも運動や日常生活にも支障が出てしまう。そういう事態を予防し、健康な生活を送るという点でも休養は大事なのである。
第五章では健康を最大のテーマとして、これまでの運動、食事、休養という行為を通じてどのような生活を送ることができれば、太る生活から健康的で痩せる生活になるのかを考えていきたい。何度も言うようにダイエットは生活全体の見直しをしなければ成功は難しい。単純に体重が減っただけでは成功とは見なさい。健康でかつ理想的な体になることが最終的な目標である。
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