合本 「村上春樹」 BRUTUS 特別編集版がなかなかよいですね
最近、20〜30代にかなりハマっていた村上春樹さんの作品(小説に限らず)を再読しています。
そんなこともあってか、アンテナにひっかかってきた(たんに書店で平積みになってたんだけど)このBRUTUS。
合本ということで、なかなかボリューミー、内容も濃いです。
2022年最新インタビューでは、最近の活動の様子(早稲田大学の村上春樹ライブラリーとか)なんかもうかがえて、ファンにはありがたいですね。
わたしの場合『騎士団長殺し』以降はすっかり疎遠、追っかけなくなっていたので、もうファンっていう感じでもないんですが、最近の再読体験でまたほのかな炎がたちあがってきてます。
内容は(本ムックの)表紙にあるように「読む。聴く。観る。集める。食べる。飲む。そして、思う」です。
とはいえ、どうでもいい(ワタクシ的には)「食べる、飲む」はささやかなもので、「読む。聴く。」あたりが充実、メインなのがグッジョブ。
ジュリアン・ジェインズ(二分心の提唱者ですね)の『神々の沈黙』がリストに入っていたりとか
個人的にはちょっとニヤッとしてしまう。(作品でいうと『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を思い出したり)
ジャック・ロンドンの『マーティン・イーデン』もありましたね。
春樹さんの世界観、表現からみても、ジャック・ロンドンは当然視界、射程内に入っていることにはうなづけますが、一番(彼があげる)はこの自伝的作品とは。
存在は知ってましたが未読なので、リストに追加しておきます。
ま、それはそれとして、ジャック・ロンドンといえば以前も投稿したことのある『火を熾す』です。
これほど身体意識をビリビリと刺激、痛いほどに感じさせてくれる作品(短編集)はないんじゃないかな。
感想ははてなブログに投稿していました。
ま、とくに何かを意図してってことでなく。なんとなく、また自己完結の文化的雪かきをしてみたいなと思って再開しただけなので、このへんで。
次のネタは『宿無し弘文』かなぁ。
一定周期でくる「禅」ブームのひとつかと思ってましたが、すこぶる良かったです。
最近、NFTのプロジェクト界隈で引用、言及されてますが(利確せずにガチホする、我慢、耐えることがイコール禅だ、みたいな文脈で)ま、そのへんは関係なく(当然のことながら)堪能できる(しかし、切ない)力作です。