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「そんだけいっぺんに食べたり飲んだりしたら死んじゃいますよ」という量が致死量ですが、身近な食べ物・飲み物にも、それは存在しています。

ざっとあげていくと、こんな感じ。まぁ、あくまで理論上の数字です。個人差ありますし、ひとつの目安に過ぎない感じですが、いくつか気になったものがあったので、それをとりあげてみたいと思います。

・水6リットル
・コーヒー70杯
・アルコールショット13杯
・胡椒 小さじ129杯
・ナツメグ 小さじ数杯
・砂糖10.5カップ
・サクランボの種2個
・オレンジ1万1,000個
・バナナ480本
・板チョコ38枚
・緑のじゃがいも25個
(緑色になっちゃったものは食べないほうがいいと、もともと言われてますし、さすがに25個もいっぺんには食べるはずもないですが…)
・チューブ歯磨き粉24本(当然「食べ物」ではないですが、なんかしれっと登場してて、面白かったので書いちゃいました)

水6リットル、私はヘタしたら飲む可能性があります。

もちろん、いっぺんに、ではないですが…(笑)。
ダイエッターの方にとっては、1日2リットルとか3リットルの水、水分というのは、割と身近な数字かと思います。
さすがにコーヒー70杯は飲みませんが、水とかお茶は、ついガブガブ飲んじゃうことがあるので、気がついたらそのくらい飲んじゃうってことはあるかもしれません。もちろん〝1日で〟ですけど…。
水の飲み過ぎは、消化液が薄まることで消化不良や食中毒の原因になったり、腎臓に負担をかけることもあります。ほどほどにしたいものです。

この「アルコールショット13杯」ですけど、飲む可能性ある人っているんじゃないですかね? 1ショットって30mlくらいですよね、だとしたら390ml。度数の高いお酒をショットで、ということですから、それなりの量ではありますけど、酒豪の方には割と不可能な数字ではないかと…。くれぐれも飲み過ぎにはご注意ください。

胡椒はともかく、ナツメグはやばいですよ。

胡椒は小さじ129杯分という一切現実感のない数字ですが、ナツメグはやばいです。小さじ数杯レベルですから。
ナツメグを、たった小さじ数杯分一度に摂取しただけで、痙攣やひきつけ、吐き気といった症状を引き起こし、最悪の場合死んでしまうこともあるそうです。
ナツメグに含まれる精神活性物質ミリスチシンは、多量に摂取すれば幻覚症状が出ることで知られていますが、トリップしようとしても、その前に死んでしまうかもしれませんね。

砂糖の過剰摂取も、もちろんいろんな病気を引き起こす原因にはなりますが、致死量ともなると10.5カップ分という量になるそうです。まぁ、これも一度に摂ることはないでしょう。

サクランボの種は、たった2個で死に至る!?

サクランボの種は、ちょっと意外でした。アミグダリンという有毒物質を含んでいて、消化器官で分解されると微量の青酸を発生させるそうですが、通常であれば人間の致死量にまでは至りません。
ただし、種をすりつぶして飲み込んだ場合は、かなり危険だということでした。サクランボなどのバラ科の植物の種の中には「青酸配糖体」(構造中にシアンと糖を持つシアン化合物の総称で、分解によりシアン化水素(青酸)が生じる自然毒)が入っているものがあり、腸内で青酸が発生して深刻な中毒を引き起こす場合があるとのことです。

種自体は誤って食べることはあるでしょう。ただ、わざわざすりつぶして食べることなんてないでしょうし、2個すりつぶして食べたら必ず死ぬというわけでもないようですが、たいへんひどい腹痛に見舞われることは確実だそうです。

ひじきは週に1回までに!

冒頭の一覧には入れませんでしたが、「ひじき」について。割と日本伝統の健康食というイメージがありますね。食物繊維のほか、カリウムやカルシウムなどのミネラル類が豊富な海藻で、栄養面だけを見れば優秀な健康食材と言えそうです。

ところが2004年、英国食品規格庁が、ロンドンで売られているひじきについて、発がん性のある無機ヒ素を多く含むので食べないようにという勧告を出しました。それを受けて東京都江東区の保健所が、日本産、韓国産、中国産のひじきについて調査したところ、英国食品規格庁が測定した濃度と同レベルの結果が出ました。

ヒ素は、もちろん有害な毒です。多量に摂取すれば急性中毒を起こして死ぬこともあります。慢性中毒では嘔吐、食欲減退、皮膚の発疹や炎症を起こしたり、知覚障害や運動障害を起こすこともあります。
厚生労働省では、WHOが定めた基準に照らして、水で戻したひじきを毎日4.7グラム以上食べなければ問題はないとしていますが、毒をできるだけ体に入れないためには、なるべく食べる量を抑えたほうがいいかと思います。大好物でやめられないのなら、せめて週に1回、小皿に載る程度の量がよろしいかと…。

ちなみに、同じ海域で育つわかめや昆布、のりに含まれている無機ヒ素は、ひじきの200分の1程度だそうです。このくらいなら許容範囲、便通をよくして糖質を吸収しにくくする水溶性食物繊維を摂るためにも、ひじき以外の海藻は存分に食べてもよさそうです。

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