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住民資産を守る、前向きな壊す公共事業のすゝめ

NHKニュースでこのように危険な空き家対策費が3年で大きく伸びているということが取り上げられて少し話題になっています。議員立法の空き家対策特別措置法ができたこともあり一気に伸びているものと思いますが、財政的に負担になるみたいな記述はありますが、不必要な公共施設を作って維持費を抱えづづけることを考えれば、一発壊して終わりであれば、全然負担としての構造が違うことは認識しなくてはなりません。

実際に施設開発はライフサイクルコスト全体をみれば開発時より維持、修繕にかかるコストのほうが3-4倍かかることも普通にあります。つまりは建ててから金がかかかるのです。だから開発費100億円なら300-400億円かかることもあるわけです。

そういう意味ではこういう解体費や除却費は何度も壊すわけではないですから、その点では非常に計画が組み立てやすいわけです。とはいえ単年度予算の自治体は累積でかかる予算と、今年かかる予算が同じように評価されて議論されないという大変間違った経営モデルなので、物事がややこしくなるというところがありますね。

「危険な空き家」自治体の撤去費用 3年間で17倍に | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191203/k10012199531000.html

とはいえ、今後人口、世帯数はどんどん減少します。

世帯総数は 2023 年をピークに減少開始、平均世帯人員は減少が続く ・世帯総数は 2015 年の 5,333 万世帯から増加し、2023 年の 5,419 万世帯でピークを迎え るが、その後は減少に転じ、2040 年には 5,076 万世帯まで減る。(p.3) ・平均世帯人員は、小規模な世帯が増加することにより 2015 年の 2.33 人から減少を続け、 2040 年には 2.08 人となる。(p.3)
http://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/HPRJ2018/hprj2018_PR.pdf

このように世帯数は2023年からは減少へと転じていき、さらにどんどん少人数世帯が増加するということで既存住宅規模が不適切になっていくということは確定事項です。

これは人口減少同様に「確定している未来」であり、努力で今更どうこう変えられる話ではありません。となると、確定事項に確実に対応する政策や事業が必要になっていくわけです。

そして、このような世帯減少状況で大切な公共事業は壊すことになります。

◯ なぜ「壊すこと」が公共になるのか

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