底が真っ平らになったスニーカー
雨上がりでまだ道が濡れている頃、ウォーキングに出かけようかとスニーカーを履いて家の外に出た。
家の敷地は家を建てる前に若干盛り土をしてあり、道路よりも玄関が高いので、道路に出るには50cmほど傾斜を下る。大した傾斜ではないけれども、雨上がりで滑りやすくなっていたためだろうか、ズルっと足が滑って転びそうになった。
足の裏を上げて靴底を見てみる。スニーカーの靴底は完全にすり減っていて、ほぼ真っ平らになっている。滑り止めの凹凸が一切消えている。
アチャチャ~、これじゃ滑りやすくなってしまうわけだ。
今まで、天気が悪い時に出ることがなく、乾いた地面だと滑らなかったので気が付かなかったけれども、雨上がりの滑りやすくなっている地面では耐えられなかったようだ。
その靴でそのままでかけてしまおうか、他の靴に履き替えるか、ちょっと考えて他の靴を探してみたら1足、ウォーキング用のスニーカーがあったのでそちらに履き替える。
どちらも同じシリーズのスニーカーで、靴底がだめになってしまったものは昼間歩くとき用の黒色のもの。別のものは、夜や早朝など暗い時に歩くように買った蛍光黄色の目立つ色合いのものだ。
夜はやはり少しでも目立つ色のものを身に着けたほうがいいと思うが、昼間、蛍光色のスニーカーで歩いていると、ちょっとイケた風をきどってるのか、って思われそうで気恥ずかしい。
それで、黒と派手な色のを2つ用意してあった。この日、歩こうと思ったのは昼間だったけれども、他に履けるウォーキングシューズがなかったから、蛍光黄色のスニーカーで出かける。
健康のためのウォーキングなら、足に負担のない程度に靴底がしっかりしていれば、あまりお高い靴は使わない方がいい。
あまりにも安すぎて靴底がペラペラな薄いものだと、アスファルトからの衝撃が足に直に伝わってしまって足がすぐに痛くなってしまう。それだとちょっと困る。
でも、機能性の高いスニーカーだと、歩くための筋肉を育てることができないようだ。
以前、足を前に出すサポートをしてくれるというスニーカーを履いたことがある。確かに足は簡単に前に出る。スイスイ前に出るから、前よりもぐんぐんと歩けるようになった気がした。
でも、サポート機能付きの靴は、本来、足腰の筋肉で行うべき動きを、靴のソールで代替しているために、ソールで代替されている部分の筋肉が退化していくのだという。
もちろん、0.1秒を競うトップレベルのアスリートは、全身をまんべんなく鍛えているだろうから、靴の力を借りてでもタイムを縮めるべきなのだろう。
でも、普通の人が同じものを履いても、自分の身体のためにはならないらしい。
なぜか、サポート付きの靴を履きはじめてしばらくしてから、おしりから太ももの後ろあたりの筋肉が妙に痛くなり始めた。最初は原因がわからなかったけれども、靴を変えたことが原因かもと思い、以前の靴に戻したらすぐに治った。
以前の靴は、サポート付きの靴のようにはスタスタと早く歩けない。ベタベタと1歩ずつ自力で足を前に出さなければいけないのがもどかしいような気がする。でも、何のためのウォーキングなのか、その意味を考えたら、靴の力を借りて早く歩くのではなく、自分自身の筋肉を適度に使って歩くほうが、一般人である私にはいいようである。
足に過度な負担をかけないようにしつつ、自分の筋肉を使って1歩1歩確実に足を前に出していくことが、明日の健康を作ると信じて、今日も歩こうと思う。