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酒を辞めて良かったこと
私は数年前に酒断ちした。そのことに今はメリットしか感じていない。そんな話を書いてみたい。
私は子どもの頃から、周りの大人がアルコール漬けになっているような環境で育ってきた。社会的に問題になるようなアルコール中毒ってまではいかないけれども、もしかしたらその一歩手前の状態が当然だったかもしれない。
両親ともに夜はビールを浴びるように飲むが当たり前、夜は2人とも酔っ払って、酔っぱらいの戯言を聞きながら、時には罵声を浴びせられながら育ってきた。
法事などで親戚が集まると、無礼講で酒をつぎまくり、2時間位するとあちらこちらに酔っ払いがクダを巻き始めて、訳の分からない結論の見えない堂々巡りの議論が大声で始まる。
子供の頃はそんな大人たちのクダの巻き方が面白くて、延々と続く終わりのない漫才のような姿を笑って見ていた。
そんな環境だったから、私自身も酒を飲み始めるのに抵抗はなかった。とはいっても子どもの頃から飲んでいたわけでもなく、高校卒業したくらいで飲み始めた。
今は大学でも未成年には絶対に飲酒をさせないそうだが、私が高校を卒業した頃は高校生くらいの飲酒に関してはとっても緩かった。
浪人や留年していない現役の年齢なのに、高校の卒業式のあとで飲み屋に繰り出した同級生もいるし、大学受験のために一浪した予備校では合格記念パーティで当たり前のようにビールが並んでいた。まだ19歳だって言うの。
一浪後の19歳で入学した大学の学部主催の歓迎パーティでもビールが並び、先生や事務の職員さんたちも新入生に当たり前のように勧めて飲ませてくる。現役で入った子は18歳だって言うの。
もう、浪人時代くらいから毎晩のように缶ビール3本くらいは飲んでいたかもしれない。
ときには記憶を飛ばして、寝入ってしまい、友だちに担がれて帰ったこともあった。エンドレスの飲み会で、途中で2時間くらい記憶が途切れていることもある。その間、かなりはっちゃけた言動をしていたようだ。
今のようにスマホがない時代で良かった。動画に撮られていたら恥ずかしすぎて、入る穴がいくつあっても足りない。
それが、いつしか身体がアルコールを受け付けなくなってきた。
前と同じように飲んでいるだけなのに、気持ち悪くなって吐いてしまうことが増えていった。また、翌日の二日酔いがひどく残るようになっていった。
酒を飲むと体調があまりにも悪くなるので、毎晩飲んでいたのが1週間に一度になった。それでも、しばらくは週に一度の酒を楽しみにしていたけど、週に1回でも飲むと体調が悪くなってしまい、飲んだ夜の深夜から翌日にかけてとにかくしんどくなる。
何か身体に異変が起きたのではないかと思って、近所のクリニックに駆け込んでみたが、特に内臓関連や肝臓、腎臓の数値に異常はない。
膵臓が不安だったので、胃腸科専門クリニックで腹部超音波検査をしてもらったけど異常はない。もちろん、膵臓の数値も問題なし。
ただただ、酒を飲むと体調が悪くなる。
身体に表面的には問題がないのに、どうやらアルコールを受け付けなくなってしまったようだ。
それで、思い切って酒を完全に辞めてみることにした。冷蔵庫に残っていた第三のビールは近所の人にあげてしまい、たまに飲みたくなったときにはノンアルビールやノンアルワインを買ってくるようになった。
そうしたら、メリットしか感じない。
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