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ダボスにて@世界経済フォーラム 2023 (4)
期間中、3日間にわたって朝の時間帯に開催している "Morning Meditaion" は、前回書いたように祖先に想いを向ける時間だ。連日のミーティングで声は枯れかけているが、お経を読んで「How can we become better ancestors?」をみなさんに問うている。毎回15〜20人の参加者があり、感覚をシェアしてくれる人も多く嬉しい感想もいただいている。
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◉ Wysa
Chatbot for Mental Health
https://www.wysa.com/
会期中、僕は個人的な1on1を中心にスケジューリングしていて、会場で数多開かれているセッションに聴講者として参加することはほとんどない。けれど、今日は一つ「AIとウェルビーイング」がテーマのセッションに足を運んだ。プレゼンしていたのは、インド・バンガロールを拠点とするメンタルヘルスケア企業、Wysaだ。彼らはAIによるチャットボット(テキストメッセージ)を用いてメンタルケアサービスを提供している。
自分から、産業僧事業を参照し「AIによる声の音声感情解析」について考えを聞いてみた。「声」は、クライアントの環境によっては、内容が周囲に漏れることがあると同時に、AIが適切に音声を拾えないこともある。世界各地の多様な状況下にあるニーズに応えるために、あえて(プライバシーを確保しつつ、誰にでもアクセスしやすい)「テキスト」をベースにしているとのことだった。また、安全な場づくりのため「診断」は行わず、あえて解析はしていないとのこと。なるほど、状況やニーズを思えば、その通りだろう。
◉Teresita Sy Coson氏
SMインベストメンツ副会長
その後、フィリピンの女性経営者(フィリピンで最も裕福な女性とされる)Teresita Sy Coson氏とお会いした。彼女の「How can we become better ancestors?」への回答が興味深い。
「私は祖先のことは考えません。過去や未来のことよりも、今、目の前に生きている人のことを第一に考えてビジネスをしています。長期思考どころか、むしろ短期思考に徹しています。未来のことはいくら考えても分かりません。未来のことは、その時代を生きる人々に任せたいと思います」
彼女はビジネスの他にも数々の慈善活動を手がけているが、それは「未来のため」でも「自分がよき祖先になるため」でもなく、今、ここにあって自分にできる最善を尽くすことに尽きている。短期思考というより、もはや、今、ここにマインドフルにあるということだろう。「今、ここ」に至るに、彼女は「よき祖先」という物語を必要としていないのだ。
◉Maximilian von und zu Liechtenstein氏
リヒテンシュタイン公国公子・LGT Group CEO兼会長
リヒテンシュタイン公国は、約300年前、神聖ローマ帝国から自治権を付与されて以来、リヒテンシュタイン公爵家が元首を受け継ぐ人口約4万人の小国である。歴史ある公爵家の公子として、先祖から立場を受け継ぎ、国を預かる身とはどんなものか関心があった。人々との関係性は、なんでも、喧嘩している親子があると聞けばその仲裁に入るぐらい、ロイヤルファミリーと国民の関係は近しいという。
◉Lynda Gratton氏
ロンドン・ビジネス・スクール教授
https://lyndagratton.com/
Twitter:https://twitter.com/lyndagratton
◉PLATON
写真家
http://www.platonphoto.com/
Instagram:https://www.instagram.com/platon/
Lyndaとは他の場面でご一緒する機会も多く、お互いに再会をよろこんだ。彼女は人生100年時代をいかに生きるかを問う世界的ベストセラー『LIFE SHIFT』の著者でもあり、「グッド・アンセスター」の問いかけにも関心をもってくれている。写真家プラトンを紹介いただき、その直後に本人に偶然にお会いした。議論の会場に、アーティストのようなちょっと変わった存在がいることで、場の空気感を揺さぶることが大事だという話には共鳴した。広間ではチェリストのヨーヨー・マが演奏していた。ここ数年、フォーラムには様々なアーティストが招かれており、音楽やアートとともに場がつくられているのも印象的だ。
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