男2人×女1人の恋愛事情⑮ 次の機会は突然に
慎吾に誘われた日の夜、私は涼太に電話して、慎吾の件をさらりと報告した。
「明日、職場の人に誘われたで飲みに行って来る」
「そうなんだ。男?」
「そうだよー」
「大丈夫なの??」
「大丈夫だよ!仕事の話とかしたいって言ってたし、さらっと飲んで帰って来るー」
次の日。
仕事をなんとか残業1時間以内で終わらせた私は慎吾に連絡。
まだ道がこの辺の地理がよく分からない私の為に、駅で待ち合わせて、慎吾が予約してくれていたお店へ行った。
「昨日、〇〇さん(職場の先輩)と帰りに少し話をした時に、松浦さんがもういっぱいいっぱいになっていると話を聞いたんですよ」
あぁ、なるほど。それで今日、誘ってくれたのか。慎吾って優しい人だなぁと私は感謝しつつ、日本酒カクテルを楽しんだ。料理もおいしくて、お店も個室で良い感じ。このセレクトできる男性って、大人な感じがする。でも、実際は私より3つ年下らしい。普段の雰囲気が大人すぎて、年下な事にびっくりした。
2時間制という事で、私達はあっさりとその後解散しました。
でも、この2時間で色々な話が出来て、とても充実した時間を過ごせた。
仕事の話や、ちょっとしたプライベートの話、最近引っ越してきて、まだ全然この辺りに何があるのか分からないという話まで色々。
帰り際、「仕事の事は頭から外して、ゆっくり休んでください」と言われた一言が、とても嬉しかったのを覚えている。
この日は飲み会終わって、無事に帰宅したという内容を涼太に連絡して私は眠りにつきました。
ここから、慎吾とよく連絡を取るようになった。内容は他愛もない、仕事の話だったけれど。
その2週間後ぐらいだったと思う。
この日、私は仕事がしんどすぎて、もう無理なんですけど・・・とお昼ぐらいの段階で心が折れていた。別に泣きたくもないのに、涙が出てくる性質の私は、一旦、トイレに駆け込む。慎吾に、「もー限界かもです」という内容のLINEを送った後、深呼吸をして、とりあえず今日を乗り切ろうと耐えた。
途中、慎吾からLINEが入る。
「今日、仕事終わり時間あるなら飲みませんか?」
私はすぐに返事を返せなかった。
今日、もうこのまま家に帰った方がいいんじゃないのか?
私はこのまま飲みに行って、楽しく過ごせるのか?
考えた結果、行く事にした。
とにかく、この理不尽な仕事・理不尽なお局の悪口を言いたい!
この欲が、躊躇を上回った。
そしてこの飲みをきっかけに、私はカオス状態に突入していくのです・・・。