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個人事業主が絶対にやっておくべき3つの節税法

ほとんどの人が知ってそうで知らない節税方法をお話したいと思います。
個人事業を開業した方は、自分で「確定申告」を行うことになります。サラリーマンの方の多くは、勤務先で「年末調整」を行ってもらいますが、個人事業主の方は、この「年末調整」の代わりに、確定申告を行う必要があります。

「確定申告」を行うのは面倒だなと思っている方も多いと思いますが、実は「確定申告」を行うというのは税金を減らすことができる大チャンスです。


所得税が累進課税であることを理解する

これから具体的に節税方法についてお話する前に知っておいて欲しいことが1つあります。

それは、「所得税が累進課税である」ということです。

ここで、累進課税とは、なんでしょうか?
累進課税は、所得が高くなるにつれて、所得税率が上がるというものです。

例えば、課税所得が約100万円の人は、所得税率は5%ですが、課税所得が約500万円の方は、所得税率が20%になります。

つまり課税所得が約100万円の人は、約5万円だけ所得税を支払えばいいですが、課税所得が約500万円の人は、約57万円も所得税を支払うことになります。

課税所得が5倍になった場合、支払うべき所得税は10倍以上になるということです。恐ろしいですね…

そこで、この所得税率が上がってしまうことを防ぐためには、課税所得を下げる必要があります。

本記事では、課税所得を下げるために個人事業主が行うべき3つの節税方法をお話したいと思います。

1.家族に給料を払う

個人事業主が得た利益は、基本的には、すべてが自分の所得になってしまいます。しかし、「専従者給与」という制度があるのをご存じでしょうか。

「専従者給与」による所得分散

家族(生計を一にする人)に対して、この「専従者給与」を設定することで自分の所得を家族に分散することができます。

たとえば、約500万円の課税所得の方が、家族に「専従者給与」を年100万円支払った場合、約20万円の所得税を削減することができます。

専従者になれるのは仕事に専念できる人だけ

ただし、この「専従者給与」を支払うことができる相手は、専ら仕事に従事できる人でなければいけません。つまり、他の仕事をしている人や学生は対象外になるので注意が必要です。

専従者が働いている実態がないと「脱税」になる可能性あるので要注意

この「専従者給与」は、あくまで給与なので、労働の対価として支給しなければいけません。そのため、専従者となる家族の方には、簡単な仕事でも良いので、何かしら仕事をしてもらうようにしましょう。

もし、何も仕事をしていないのに「専従者給与」を支払った場合は、架空経費となり「脱税」となってしまうため気を付けてください。

2. 青色申告、かつ、電子申告を行う

まず、個人事業主が知っておくべきなのが、確定申告には、「青色申告」と「白色申告」があるということです。

この青色と白色は何が違うのでしょうか?

「白色申告」とは

「白色申告」は、会計や簿記、税務の知識がなくても簡単にできる最もシンプルな申告方法です。

白色申告で求めらえる会計処理は、単式簿記と呼ばれるレベルのものです。

収入金額と支払った経費をそれぞれ集計し、収入金額から支出金額を差し引くことで簡単に所得を計算する方法です。EXCELなどで収支を計算するレベルで対応可能です。

  • メリット:手続きが比較的簡単で、帳簿の記録が簡易で良い。

  • デメリット:税額控除が少なく、利用できる税制優遇が限られている。

「青色申告」とは

「青色申告」は、より複雑な申告方法となり、複式簿記形式での記帳が求めれます。一般的には、会計システムを活用して所得を計算します。昔は、手書き計算していましたが、相当レベルの簿記の知識がないと手書きでの計算は難しいのでオススメしません。

この「青色申告」を行うには、税務署に「青色申告承認申請書」という書類を事前に提出する必要があります。
この申請書は、開業してから2か月以内、又は、毎年の確定申告期日(3月15日)までに提出する必要があります。

  • メリット:所得から差し引ける経費の範囲が広い、特別な税額控除が受けられる、損失を翌年以降に繰り越せるなどの税制上の優遇を受けることができる。

  • デメリット:帳簿の記録に厳密さが求められ、会計知識が必要になる場合がある。申告書の作成が複雑。

「青色申告」の最大のメリット

青色申告の最大のメリットは、65万円の「所得控除」を受けられることでしょう。

この所得控除により課税所得を65万円減らすことができます。

本来の課税所得が500万円の人は、この青色申告により課税所得が435万円に下がります。これにより所得税が10万円以上も減少することになります。

電子申告もセットで行うべし

青色申告を行う場合、電子申告もセットで行いましょう。確定申告書類の提出は、「電子申告」する場合と「紙を郵送」する場合の2パターンありますが、「紙を郵送」してしまうと本来65万円の青色申告特別控除が、55万円に減ってしまいます。

そのため、「青色申告」を行う場合は、「電子申告」とセットで行うことをオススメしています。

3. 小規模企業共済

小規模企業共済は、個人事業主や法人の社長が入ることができる退職金の中小機構の積立制度です。

この制度も青色申告と同様に「所得控除」に該当し、積み立てた金額分だけ、課税所得が減少します。

積立額は最大84万円

積立額は、月々1,000円~70,000円から選択できます。つまり、年間で最大で70,000円×12か月の84万円を積み立てることができます。

定期預金に預けるのと比べて最大”2.8万倍!”もお得

金融機関の定期預金に預けても毎年の金利は0.002%程度です。もし定期預金に小規模企業共済の最大積立額である年84万円を預けたとしても16.8円しか利息がつきません。

一方で、もし所得が500万円の人が小規模企業共済に84万円積み立てを行った場合、課税所得が84万円減少するため、所得税だけで16.8万円(=84万円×20%)の節税効果を得ることができます。

定期預金に預ける場合と比較して、なんと”1万倍!”の効果を得ることができます。

所得がより高い人は、この効果がさらに上がります。たとえば、所得が5,000万円の人は、所得税と住民税を合わせて55%の税率となります。そのため、この年84万円の積み立てを行うことで、年間46.2万円の節税効果を得ることができます。

定期預金に預ける場合の”2.8万倍!”の効果を得ることができます。

この制度は、あまり知られていませんが、個人事業主の方は、必ずやった方がよい制度です。

まとめ

個人事業主がまず行うべき節税対策3選について理解が進みましたでしょうか。
無駄な支出を行い、不必要に経費を増やしても税務上否認される危険があります。そのような経費のかさ増しをするくらいであれば、今回紹介した個人事業主の3つの節税方法をぜひ実施してみてください。

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