すべての新卒・既卒にTOEICのすゝめ
《就活にTOEICは必要か?》
1.英語力を求められる企業とは
就活に英語力は必要でしょうか?
答えは千差万別だと思います。その人の価値観にもよれば、志望業界にもよるでしょう。
一般に、英語力が求められると言われるのは次のような業界です。
・商社(総合・専門)
・航空
・海運
・外資コンサル
・外資系投資銀行
・外資IT
・外資系メーカー
また、日系の大手の中でも業界トップや2位・3位クラスの企業であれば求められる可能性はあります。
大抵の大手企業は、今後グローバル展開を考えているのが普通だと思うので、「総合職採用するなら、潰しの効く=使い勝手のいい人材が欲しい」わけで、当然海外事業が拡大した際に「この人英語できないから」みたいな感じだと使い勝手が悪いです。
なので、英語力=絶対基準ではないですが評価項目の1つにはなってきます。
2.英語力がいらない業界はあるのか
例えば、鉄道やデベロッパーなどは英語力不要な業界の代表格としてよく挙げられます。
しかし、本当にそうでしょうか?
例えば鉄道会社は、コロナによって減った乗客が一向に戻っていません。
私の知人の某超大手私鉄に総合職で就職した人は「コロナでもう普通の鉄道事業では食っていけないので、今後は不動産やその他のビジネスを主力にして、鉄道はサイドビジネスになっていく」と話していました。
不動産投資といいますが都内の一等地は財閥デベの独壇場、ましてやここ数年で急激に首都圏の用地取得は難化しています。
鉄道会社はいずれ、海外不動産の投資や開発にシフトしたり、あるいは新しいビジネスチャンスを求めて海外事業を強化するのではないでしょうか。
かたやデベロッパーも、そういった背景を受けて、徐々に国外の不動産開発に軸足を移し始めています。
日本の都市開発を進めるために、必要な資金を海外の都市開発で集めるという方針に変わりつつあるわけです。
3.英語力のない弊害は入社後にも
問題は、そういったドメスティックな業界でさえ、日々海外機運の高まる環境の中で「英語力のない人認定を受ける」ことで狭まるキャリアもあるのではないか?ということです。
選択肢がある中で自ら選んで日本にいることと、そうせざるを得ないから日本にいることは違います。
また今後外国人労働者の流入などが増えていく過程で、社内公用語が変わるとまではいかなくとも、やはり一定の語学力が社員に統一的に求められる可能性は無きにしも在らずです。
自分の選択肢を担保するためにも、英語は「学生の間に」学んでおくことが賢明ですし、
それが就活本選考前に終わっていれば、1つアピールポイントが増えてくるので、立ち回りはし易くなるのではないでしょうか。
《「TOEICなんて意味ない」と言われる理由》
さて、英語力の話が終わったところで。
「TOEICのスコアを取ることに意味はない」ということはよく巷で言われます。
理由の大半はおそらく「勉強すれば点数は取れる」=「英語力の保証ではない」=無駄 ということです。
実際問題、TOEICは東大や早慶に大学受験で受かったような人が、受験してもスコアが低く出ることもある一方で、少し対策したら劇的にスコアが伸びることもあります。
これはTOEICの問題がやや、実生活の、それも限られたシチュエーションに偏って問題を作成しているからです。
なので高校や大学受験であまり目にしない単語や表現なども多く、対策しているか否かで結果が比較的大きく変わるケースもあります。
また、ReadingとListeningで問題が構成されるため、いわゆる「Speaking」と「Writing」という前者の上位能力である【アウトプットの力】がまったく要求されていない、故に意味がないという主張もよく耳にします。
要は、「勉強すりゃ出来る暗記ゲームで、その割には話したり書いたり出来ない可能性が高くて、あのスコア何の証明になんの?」みたいな話です。
確かに一理あるとは思いますが、もし本当に「何の意味もない」のであれば、TOEICは普及しませんし、ましてや大手企業の中に「スコアいくつ以上推奨」みたいなことを掲げる会社は出てこないでしょう。
そこにある本当の価値は何か見定める必要があります。
《TOEICのスコアに眠る価値》
前述のTOEIC無駄派の主張のように、確かに必ずしも英語力の証左になるシロモノではありません。
ただ、一定の指標にはなります。
TOEIC 900のスコアの人が、「英語の文章全然読めない」「日常会話もままならない」なんていうことはあり得ないでしょう。
逆も然りでスコア350なんて人は、確定で「英語が出来ない人」の認識で間違いないでしょう。
TOEICは、簡単な問題も多いため英語がある程度できれば500切るなんていうことは恐らくあり得ません(寝たり、マークミスしない限り)。
また、TOEICが「やりゃ誰でも出来る」というのであれば、現実問題として990満点を取っている人が受験者の0.3%というのも説明がつきません。
満点は流石に極端としても、750〜800くらいは取れて良いはずです。
「やれば出来る」はその通りですが「それをやれる=努力出来る」人はごく一部だということなのです。
スコアが高い人は、そういう「努力ができる人」ということの証左には必ずなるでしょう。
企業人事は必ずそういうところを見ています。
体育会が大手企業からモテる理由は「毎日、上下関係の厳しい中で、場合によっては毎朝早く起きて、1つのことに打ち込み、努力を重ねた、それを4年間続けた」という実績、事実がそこにあるからなのです。
私には取り柄なんてないし、頑張ったことない、なんて人こそ「やっても無駄だし」なんていう言い訳をするのは10代のウチに留めて、今すぐ努力してみませんか。
《目指すべきスコア》
努力するなら、皆さんまずは指標が必要なはずです。
そこで、「世間一般の感覚」と「一流企業の感覚」に分けてご説明します。
1.世間一般の感覚
世間一般では、一応スコア600を取れればそれなりに英語ができるという判定になります。
考えてもみれば、TOEICは学校で受験を強制されたりするようなものでもないですし、スコアを保持していなくても困ることはないので、
一流企業勤めでも受けたことない人は確かに一定数います。
TOEIC受験者は「英語に関心がある」「意識が比較的高い」といった前提を踏まえれば、
その中で600というのは、世間一般に均すと高いスコアと言っていいでしょう。
履歴書にも600以上のスコアがあれば書いていいと言われています。
ちなみに、ANAやJALの新卒採用は600以上のスコアを基準としているので、やはり最低限600あれば、スコアを取得する価値は出てくるようです。
2.一流企業的な感覚
結論から言えば、大手企業やそれに匹敵するキャリア観の人の間では730がボーダーラインになってくると思われます。
最大の根拠は、総合商社の中途採用でしょう。
総合商社は、各部門ごとに中途採用をやっていますが
必須条件のところに
・TOEIC730以上
と必ず記載があります。
つまり730あれば、スタートラインに立てますが、730を下回った瞬間に「論外です」と突きつけられるわけです。
総合商社は日系企業の中でも最難関クラス。
730がボーダーである、これ以上ない証拠だと言えるでしょう。
ちなみに、総合商社の中でも特に英語力を求めらる部署では、中途採用時点で「TOEIC830以上」と記載されるのでボーダーは更に上がります。
参考までに、TOEICを採用基準に加えている企業とそのスコアを書きますので、参考にしてください。
・JAL 600以上
・ANA 600以上
・NTT東日本 700以上
・三菱電機 700以上
・旭化成 700以上
・ソフトバンク 730以上
・楽天 800以上(入社までに)
・住友不動産 800以上
・野村不動産 800以上
・NTTコミュニケーションズ 850以上
・ゴールドマンサックス850以上
・マッキンゼー900以上
まずは、730を目指してみるのが良いのではないでしょうか?
《どうやって勉強するか》
さて、TOEICやってみようかなという気が起きたみなさん。
ただ、どうやってやるか考える時間が勿体無いでしょう。
間違ったやり方をして、手戻りするのも時間の無駄です。
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