本にまつわるツレヅレ#4 「蒔」名付けまでの道
こんにちは。
No,No,Yes! 所作生産部の椿です。
ひごろは主に生産管理やペイントをしていますが、こちらでは週1で個人的「本にまつわるツレヅレ」を綴ることにして本日4回目。#3まで来たところで、noteマガジン機能を使ってみました。続ける動機付けになるよう…。
それでは、#4
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「時間じゃない。流れるものは春の風。」
と言われたことがある。(春はどこへ?)
だが、今日は時系列にゆく。
ただでさえとりとめのない文章が、さらに四方山になってしまうから。
初めてそれを見たのは父のアコースティックギター。
ネックの輝きが幼心に美しく見えた。
大人になってからは重箱や工芸品に見かけて、「螺鈿(らでん)」というものだと知った。貝殻の内側、虹色光沢を持った真珠層の部分を切り出した板状の素材を、漆地や木地の彫刻された表面にはめ込む装飾法である。
それから長らく時を経て6、7年前だったと思う。この本を大学の先輩J氏経由で譲っていただいたのは。
京都国立博物館編集『japan蒔絵 ー宮殿を飾る 東洋の燦めきー』読売新聞大阪本社、2008年。
それまで「蒔絵(まきえ)」を知らなかった。漆(ウルシ)を使って、器物の表面に金銀粉を文字通り蒔きつけ文様を描き出す、日本独自の装飾技法だそうだ。譲り受けた図録であるからして、この企画展へ行っていない。(椿上京以前の開催であるし)
それでもって2年前の話。
気になっていたジュエリーの展示会が開催される。しかも熊本に拠点をもつ作家が在廊とのことを知り、有給休暇をとって海を渡った。香川県へ。初めて高速マリンライナーに乗る。
展示会では散々迷いながらもブレスレットを入手。(道に迷うプロではあるが会場へは難なくたどり着いた。高松中央商店街を抜けて行ったがアーケードが立派だった。後から調べると、日本一を誇るはずである。納得。)
すぐ姫路に帰るのももったいなく、そこから歩いて1分ほどにあった高松市美術館に入ってみる。
時間もたっぷり。特別展と常設展の両方を観る。「高松市美術館コレクション+(プラス) 木村忠太とこぼれる光のなかで」(2018年2月17日~3月25日)、常設展「かわいい?カワイイ?KAWAII?/愛でたい!讃岐漆芸の食べもの」(2018年1月5日~3月25日)。
特別展にて件のJ先輩の影響で一時期 熱をあげていた大岩オスカールの作品実物を観ることができたのもよかったが、常設展にて見た讃岐漆芸がすばらしかった。
ふだん伝統工芸に強く惹かれる性格ではなけれど、技巧が駆使された作品の数々に単純に感ずる。
『japan蒔絵〜』の図録をもらい受けたのも、元来興味のない美術品に触れようと動くのも、未知のモノコトへの知的欲求からにすぎない。
偶然か必然か「螺鈿」から「蒔絵」、漆芸に感動、これらがゆっくり自分の中で繋がりながら今日まで来た気がする。
名付けることでより具体性をもって動き出すこと。(いつの時代か、このような内容が国語の教科書に載っていておもしろく読んだのを覚えているがタイトルは忘却の彼方… くやしい30歳。)
"所作"新作をリリースするうえで、名付けをする。テーマがあって制作の順と比べると、制作してからの名付けには毎度頭をかかえさせられる(実際にも抱えている)。
今回もご多分にもれず。
私が考えている名称のヒントとしては
「ちりばめる。
貝殻も漆も使っていないが、金銀色で一点一点模様をちりばめている。偶然の柄行きではあるものの、感覚的に美しく思えるよう。。。」
週明けnakabayashiと協議案件。一押しのシリーズにすべく。
…というわけで、来週"所作"新作リリース予定。(一昨昨日ブログにてちょこっと出しあり)
※5月16日追記:リリースしました。
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それではまた次の日曜日に。
椿
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