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ギリシャの想ひで『憐れみの3章』

昔、アテネの片隅のゲイエリアでもなんでもない場所で「日本人は世界一フェラがうまいって聞いたからして欲しい」と男に声をかけられて車の中でしてあげたんですよね。
それからミコノス島へ向かうフェリーの中で「3人でしよう」と親子みたいなゲイカップルに声をかけられ、年上の男がアタシに腰を振る姿を、金髪の少年みたいな恋人が煙草を片手に楽しそう見ながら、口移しでタバコの煙をくれた。
ミコノス島のヌーディストビーチでは「どうして裸にならないの?」と白い胸毛だらけの太ったお爺さんに声をかけられ「恥ずかしいから」と答えると「その退屈な水着の代わりにこれを巻きなさい」とエーゲ海と同じ色をした小さなパレオをくれたっけ。

ギリシャの思い出はちょっと不思議で、エロティックで、滑稽だけどなんだか人間らしくて可愛くて、思い出すたびに心がキュンとするものが多い。
ギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス監督の映画も、まさにそんな感じよね。この監督の不思議な感じとか、独特な感じ、なんか突然エロやりだす感じとか、私は「だってギリシャ人だもんな」の一言で納得できたりします。

でも、今回のはちょっと難解過ぎるけどな笑。


『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』の成功で、すっかり大御所になったランティモス監督が、予算をいっぱい使って自分の趣味に思いっきり走った感じ。たぶん制作会社も「これ、一般受けする?」って不安に違いなかったけど言えない、止められない、だって大御所だから。

ま、つまらないわけじゃないんですけどね、全然。

世界線の全く違う3篇のショートストーリーを同じ役者で構成。
1話目は「上司と部下」、2話目が「夫婦」、3話目が「教祖と信者」という主従関係を軸にして、支配するものとされるものの悲しみや可笑しみ、愛しさや切なさを描いた…のかしら?

おそらく神話とか聖書とかに詳しい人が観たら「なるほどランティモス監督はあの神話をこう解釈したわけね!」ってピンときたりするのかもしれないけど、私には無理。時々、まさにそういう考察を論じているnote民がいらっしゃいますけど、マジ尊敬。

でも世界観は好きよ。

それから細みのイケメンが好きな私の好みでは全然ないのに、なぜか、ジェシー・プレモンスに口説かれたら家ついてっちゃうなってくらい好き。

全然タイプではないんだけど

あとテーマ曲みたいに流れてくるユーリズミックスの『スイート・ドリームス』も大好きです。

なんだかんだ言って好き。
よくわからなかったけど笑。

みなさんも、ぜひ。

あ、そういえば、アテネの男はコトが終わった後、「これからフェラはできるだけ日本人にしてもらうようにするよ」って笑ってたよ。私は妙にホッとしていた笑。

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