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【本考察#018】 『崩壊学: 人類が直面している脅威の実態』 by パブロ・セルヴィーニュ & ラファエル・スティーヴンス


現代文明が直面している様々な危機に焦点を当てて、持続可能性の重要な領域で臨界点に達していることを警告を行っている本。
具体的には、以下の3つの内容が主要なテーマに感じました。


文明の加速とエネルギーの消費

産業文明が存続するためには常に加速し、複雑化し、ますます多くのエネルギーを消費する必要があると指摘されている。特に、化石燃料の利用は現代産業の主要な原動力。短期的なエネルギー利益を提供しながら、長期的な環境的コストを引き起こしている。
科学的な視点からは、化石燃料の消費による二酸化炭素の排出は地球温暖化の主要な原因であり、気候変動、極端な気象条件、生物多様性の減少など多くの環境問題を引き起こしている。国際エネルギー機関(IEA)や国連気候変動枠組条約(UNFCCC)などの組織が化石燃料依存の持続不可能性を示していて、代替エネルギー源への移行の必要性を強調している。


文明の複雑性と脆弱性

現代文明の複雑性が増すことで、その脆弱性も高まるということがもう一つのメインテーマ。社会がより相互に依存し、経済的・技術的に絡み合うにつれて、一部のシステムでの障害が連鎖的な影響を引き起こす可能性が高まることが懸念される。2008年の世界金融危機は、高度に相互接続されたグローバル経済での少数の金融機関の問題がどのようにして広範囲にわたる経済的混乱を引き起こす可能性があるかをを私たちに教えてくれた。
また、サプライチェーンの中断、サイバー攻撃、または自然災害による影響も、複雑なシステムにおける脆弱性も現在起きている脆弱性の例。変化のスピードと複雑化に対応しきれずに引き起きるこれらの事象にタイムリーに対応していく方法を打ち出せなければ世界の仕組みが崩壊してしまう。


資源の枯渇と環境の破壊

3つ目のテーマは、自然資源の過剰消費と環境破壊が文明にとって重要なリスクがあること。化石燃料、鉱物資源、水資源などの限られた資源の過剰な使用は、それらの資源の枯渇や、生態系への損傷、生物多様性の喪失につながる。
地球システム科学の分野では、人間活動によって引き起こされる「地球境界」の概念が提唱されており、これには気候変動、生物多様性の喪失、窒素とリンの生物地球化学的循環の変化などが含まれている。科学者たちは、これらの地球境界を超えることが地球の安定した状態を損ない、人間社会にとって深刻なリスクをもたらすと警告している。
これらに対する取り組みの一つが、国連の持続可能な開発目標(SDGs)。資源の持続可能な使用と環境保護の重要性を強調し、全ての国に対してこれらの目標達成に向けた行動を促している。


いつもとは違う、より地球視点での課題を考えるときに、おすすめの一冊。

普段モヤっと分かっているがそこまで真剣に考えたり、うまく言語化できていなかったものをクリアにすることができると思います!


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