興味ない人を引き込むための、「主語を小さくする」話し方
会議やプレゼンテーションで一番大切なのは、相手を引き込むこと。
でも、相手が聞きたがっている場合は良いのですが、興味が無かったり、面倒だな…と思われている場合、相手を自分の話に引き込むのは難しいですよね。
私が一番難しいなと感じているのは、非常勤講師として教壇に立っている大学の授業です。大学生は、興味があって授業を取る人もいますが、単位のためにしかたなく取っているような人もいます。
そして、学生たちは素直なので、つまらない授業からは分かりやすく離脱していきます。なので、どうすれば、そこまで興味がない学生を、授業に引き込むことができるかな…といつも悩んでいます。
そんなある日、「なるほど!」と思う記事を発見しました。その記事に書かれていたのは、「興味がない相手には、主語を小さくして話なさい」というアドバイス。
そこで今回は、その記事や自分自身の体験をもとに、相手をどうやったら自分の話に引き込めるのかについて、書いてみたいと思います。
実際に、主語を小さくしてみた
私が面白いと思ったのは、大阪大学で日本国憲法を教えている谷口先生という方の記事です。谷口先生は記事の中で、「興味のないオーディエンスにはとくに『小さい主語で話す』ことがだいじです」と語っています。
この「主語を小さくする」という言葉に、なるほど!と思いました。
思い返せば、私も大学の授業で色々と試している一つに、この「主語を小さくする」に近いものがありました。それは、「マーケティング・リサーチ論」という授業の初回に話している、ある例え話です。
「マーケティング・リサーチ論」は、300人を超える大人数クラス(オンライン)です。初めて専門科目を学ぶ2年生も多く、「マーケティング・リサーチ」っていかにも難しそうな名前に感じるのではないかな、と思います。
そこで、初回の授業では、マーケティング・リサーチの定義を「消費者のニーズを調べてまとめること」などと定義したあと、こんな話をしています。
厳密に言えば、マーケティング・リサーチとプレゼント探しは違います。しかし、学生たちから集まった感想をみていると、学生にとって聞きなれない、「マーケティング・リサーチ」という言葉を、すこしは身近に感じてもらえたのではないかと思います。
学生からの感想を、いくつかご紹介します。
このように、第一歩目として、マーケティング・リサーチを身近に感じてもらえたことや、マーケティング・リサーチにおいて一番大事な「相手の気持ちを考える」ことに気づけてもらえたことが、嬉しかったです。
これは私が授業でなにげなく使っていた例え話ですが、冒頭の記事に紹介されていた「主語を小さくする」という言葉を知って、「そういう事だったのかも」と理解することができました。
ビジネスでも「主語を小さく」は使える
この「主語を小さくする」という考え方は、大学の授業だけでなく、ビジネスの現場でも使える考え方ではないかなと思います。
ビジネスの世界においても、大きな話をしなくてはいけない時があります。そして、興味がない人を引き込むのに苦労している方は、結構多いのではないかと思います。
特に、オンライン会議などで自分の意図を伝えるのは、より重要となると言われています。
例えば、4月は会社の方針発表のような話が多かったと思います。このような話は、どうしても主語が大きくなりがちです。しかし、「我が社は」「この事業は」という話ほど、聞き手からは「自分とは関係ない、遠いもの」と思われてしまいがちです。
そんな時は、この「主語を小さくする」という手法が役に立つかもしれません。「あなたは」「あのお客さんは」など、相手にとって、身近で実感がわきやすいものに置き換えて話すことで、相手に対して「自分に関係ある話だぞ」と感じてもらえるのです。
私も、特にマネージャーとしての仕事の時は、大きな主語を使いがちです。ですので、メンバー一人一人と話す時は、意識して「主語を小さくする」ことを試してみたいと思います。
※Twitterでは気になる記事や出来事を投稿中。仕事でもうまく「主語を小さくする」ができたら、投稿してみたいと思います。
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