『記号理論の基礎』が見つからない

 本を探す。
 C.W.モリスの『記号理論の基礎』である。
 記号論の三分野を説明しようと思ったのである。(注)
 しかし、本が見つからない。数時間探しても、見つからない。
 次のような慣用句がある。
 
  木を隠すなら森の中
 
 私の家には本棚が53本くらいある。(多すぎて何本あるのか自分でも分からないのである。)
 
 壁に沿って本棚を立てていては、そんなに立てられない。図書館のように部屋の中に本棚が立っている。(下の写真を参照。)

 
 本棚だらけなのである。
 さらに、本棚からあふれた本が、床でタワー状になっている。
 次のように言える。
 
  本を隠すなら森の中

 まさに本を隠すためにあるような場所なのである。
 だから、次のように言える。

  見つかる訳がない。
 
 しかし、文章を書く前に念のため確認しておきたい。モリスが記号論の三分野を定式化した本なのだ。
 どうするか。
 
  新しく買えばいいのだ。
 
 Amazonなら、たいていの本が中古で見つかる。何とかなるはずである。
 探してみる。やはりあった。
 早速、発注する。
 
  よく考えれば、Amazonも密林である。
 
 極端に言えば、Amazonがあれば本棚はいらない。必要になったら、買えばいいのだから。(「極端に言」っただけです。)

(注)

 前回の文章で、記号論の三分野の概念を使った。
 記号論の三分野とは次の通りである。
 
  1 統辞論 …… 記号と記号との関係の分析
  2 意味論 …… 記号と事柄との関係の分析
  3 語用論 …… 記号と使用者との関係の分析

 もちろん、本が無くても説明できる。
 しかし、念のため確認したいのだ。
 

〔その後。2021年1月22日追記〕

 『記号理論の基礎』が届く。

 記号論の三分野を説明できた。

 長い道のりだった。

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