水害体験記 打合せと工事

 さて、浸水後、かなり早い段階でリビング床をはがしてもらい、壁を破壊した我が家でも、乾燥やらなんやらで、着工まで2ケ月ほどかかりました。

 ここで、ちょっと前にさかのぼるのですが、わたしが住宅を建てた業者さんに連絡をしたのは、片付けが始まった後、ご近所さんに「早く連絡した方がいいよ」とアドバイスをもらってからでした。
 また、保険屋さんから「(家の修理費の見積もりは)複数の業者から取ってもらったかまいません」と言われ、他の業者さんにも電話したのですが、実際に見積もりを貰ったというか、話したのは修理をしてくれた「我が家を建てた業者さん」一社のみとなりました。
 それというもの、他社に連絡して言われたのは「ご相談に乗ることは可能ですが、いつそちらのお宅に伺えるのかわかりません」と言うお返事だったためです。
 ほとんどの業者さんがそうだったのではないかな、と思うのですが、受付の優先順位が「①過去に何らかの取引があった顧客であること ②被害が深刻な家」なのだそうです。

  つまり、顧客でもなんでもない、過去に何の取引もしていない我が家は、床下浸水の顧客の家庭よりも後回しになる……ということになります。
 
 つまり、見積もりを作ってもらうだけで1年待つかもしれない。というお返事だったわけです。
 資材も、業者も、人手も、みーんな取り合いの状態です。

 じゃあもうね、優先的にやってくれるっていう業者さん一択だったわけです。

 もう自社を建てたハウスメーカーがない、とか、他県のハウスメーカーで建てたお宅とか、どうするんだろうと思いましたよね(県の助成金を受けるためには「県内の業者に修理を依頼すること」という条件がありました)

 今、リフォームとか、ちょっとした家の修繕とかを考えている方、アフターサービスって大事ですよ……! 顧客として登録してくれて、万が一災害があったときに、優先的に見てもらえるような業者さんを選ぶと、万が一の時にいいかもしれませんよ!

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 さて、ちょっと脱線しましたが、打ち合わせと修理が始まってからの体験談になります。
 
 業者の担当者さんは、本当に話しやすい言い方で、ショートメールでも質問に答えてくれて、とにかくわたしにとってはとても付き合いやすい方で、助かりました。
 明るくて前向きなあの人に、何度も助けられたものです。
 できることなら、盛大に社名を挙げておすすめしたいくらいですが、諸事情により控えておきます。

 担当者さんは「せっかくだから生活しやすくいろいろ配置も変えちゃおう」という精神で、ちょっとでも楽しくできるように気を遣ってくださいました。
 ショールームを何件か見て回ったり、カタログを見せてもらったりして、ちょっとずつ前向きな雰囲気になってきました。子供にも「ここの壁紙は好きなように決めていいよ!」とか言って選んでもらったら、落ち込んでいた子供もちょっと明るくなりました。

 我々が各パーツを選んでいる間、可能な限り作業をすすめてもらっていました。
 防蟻処理もしてもらいました。
 数軒先に白アリ被害がメッチャ出ていると聞いていましたが、我が家にもちょっといたそうです。タイミング的に、白アリ被害が出ている最中のお家から、浸水した水に乗って我が家までたどり着いたアリたちではないか、という予測でした。恐ろしい……!
 なので、防蟻処理も激しくオススメしておきますね!

 白アリさんが食べてしまった箇所があったり、壁の中の柱の亀裂(これは普通にできるものだそうです)があったりして、まあ、経年劣化的に傷んでいた場所も、ついでにと補強していただきました。
 強風の日とかちょっと家揺れてたんですけど、揺れなくなりましたね!
 あと、古い断熱材でしたが、今の、もっと新しいモデルの断熱材を入れて頂いたことで、ちょっと室温などの環境も改善した気がします。

 カビが気になってた窓やサッシも新しくなったし。

 確かに災害はショックでしたが、ここまで来たら、「せっかくだから心配してたとこは全部直しちゃおう」「せっかくだから、もっとかわいい壁紙にしよう」とか、そんなメンタルに切り替えることができました。

 被災すると、不安がすごくて、みんな「来年も床上浸水するよきっと」とか言うし、もうほんと落ち込むことだらけですけど、それじゃ病んでしまうので。
 ここはひとつ。ちょっとでもポジティブに考えて乗り切りましょう。