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「自分らしさ」の探究
「人には必ず役割がある。無用な人など本来この世には一人もいません」
子どもたちには「自分にしかできないことが必ずある」という信念をもって成長してほしい…
誰にとっても未来は確定していません。
特に子どもたちはどの方向を向いても大きな可能性が無限に広がっています。
青春時代に「自分の使命は何だろうか」という問いかけと共に積極的に行動していくことが「自分らしさ」を形成し、自分自身の探究につながるに違いありません。
1)松下村塾の教え
今から約150年前の幕末の長州(山口県萩市)に吉田松陰(しょういん)先生という教育者がいました。松下村塾という小さな私塾で近所の子どもたちや青年を教育しました。この松下村塾から後に明治維新の原動力となった人物や、明治政府で活躍した人物がたくさん出てきたのです。
しかし、松陰先生が松下村塾で教育をした期間はわずか1年余り…
全国から優秀な人材を集めたわけでもなく、今の学校のように毎日決められた授業があったわけでもありません。それぞれが自由闊達に学んでいたそうです。
そのような教育環境の中で、どうやって優秀な人物を育てたのか…
松陰先生が遺した言葉の中に次のようなものがあります。
どんな人でも一つや二つは素晴らしい能力を持っている。その素晴らしいところを大切に育てていけば一人前になる。これこそが人を大切にする上で最も大事なことである。
松陰先生は塾生一人一人の個性を尊重し、 お互いに切磋琢磨させました。
その人の資質や能力を見極め、その人の個性や特性を伸ばそうとした教育は、現代に通じるものがあると思います。
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「個性」は、生まれ育った環境や過ごしてきた時間や経験、接してきた人たちの影響などで独自性を帯びた感性が磨かれていき、それは兄弟や家族でさえ同じではありません。
「個性」は「磨けば輝いてくる自分にしかない長所」です。
2)好きこそ物の上手なれ
その人の好きなこと、得意なことを伸ばしていく…
長所を見出して伸ばしていく…
野球やサッカーが好きな子もいれば、音楽やダンスが好きな子もいます。勉強が好きな子もいれば、ゲームが好きな子も…
人にはそれぞれ好みがあり、得意なことが必ずあります。
サッカーが好きな子は、サッカーをしている時は時間があっという間に過ぎ、どんな厳しい練習にも自分から積極的に行ない、どんな朝早くからの試合でも自分で起きて準備して行くはずです。
「好きこそ物の上手なれ」
楽しんでやることによって上手くなる
自分の興味のあることに全力で取り組むことは、豊かな心を育むに違いありません。
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3)欠点も個性になりうる!
お笑い芸人「千鳥」さんの「クセが強い」というフレーズが有名になりました。
癖(クセ)とは
無意識に出てしまうような偏った好みや傾向
「習慣化している好ましくないこと」という意味もありますが「人とはどこか違う特徴や性質」は「他の人には真似できない独創性」とも言えます。
たとえ欠点であっても、視点を変えればその人の長所になり得る可能性が高い…
せっかちである → 決断や対応が早い
視野が狭い → 集中して物事を深く掘り下げることができる
マイペースである → 落ち着いていて周囲に流されない
心配性である → ものごとに慎重で責任感がある
自分の「クセ」を「ポジティブな個性」にコンバートして磨いていくことが、これからの時代に求められる考え方だと思っています。
同じことをしていてもおもしろくない…
自分の「クセ」を磨いていくことで、自分にしか出せない独特の輝きを放てば良いのです。
イチロー選手は「振り子打法」を、最初は「あんな打ち方じゃダメだろう」と多くの人から批判を受けたそうです。
しかしイチロー選手はその「自分らしさ」をブラッシュアップし続けた先に、他の人には真似できない存在となりました。
「そればダメだ!」と周りの大人が否定してしまうことは、可能性という火を吹き消すことになります。
当然、規範意識から外れる行為は当然厳しく注意しなければなりませんが「この子はどんなところが伸びていくのだろう」と思って励まし、応援し、良い方向に導くことが大人の責任だと思います。
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まとめ
「自分の好きなこと」「心に響くこと」「得意なこと」をまずやってみる…
行動してみることで、向き不向きが分かり自ずと道が開けてくるはずです。
人は誰にも他の人にはない自分にしかない優れたところが必ずあります。
この世に無用な者などいません。
個性を磨き「自分らしさ」を探究する教育をみんなで心掛けていきたい…
唯一無二の「らしさ」がその人にしかできない役割となり、生まれてきた使命を果たすことにも繋がっていくと信じています。
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