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映画感想『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』
オープニングのRhythm and policeと、エンディングのLove somebody、それから「レインボーブリッジ封鎖できません」が脳内でぐるぐると回っています。
1 誰!?
知らない人が多すぎます。映画なのだから新しいキャラが出てくるのがいい、なんてことをこのシリーズの感想では絶えず言っていたのですが、あまりにも知らない人が多すぎると、映画に乗り切れない要素になってしまいます。
映画の前にスペシャルドラマでもあったのでしょうか。強行班のメンバーがまるっと変わり、しかもわりと皆馴染んでいたので、一気に時代が進んだ感覚がありました。誰!?
にも関わらず初期メンバーの真下の扱いが大分雑ですし。
なんとなく今シリーズは、昔の作品を観ているという感覚がずっとあったのですが、時が経つのは早いですね、段々と知っている役者さんが新キャラとして登場し、画面の色も僕の知っている邦画に近づいていって、これがおかしな点なのですが、少し興醒めしてしまいました。
過去の伝説を覗きに行ったのに、それが思ったより自分に近いところにあるとがっかりしてしまうような、そんな感じです。
2 ダメだ
そんなわけで、出だしは乗り切れなかった僕ですが、決定的にこの映画に失望してしまったのは、封鎖された新湾岸署で押収したスカンクやワニ、シカなどの動物が暴れだすところです。コメディ要素が豊富なシリーズではありますが、ここまで現実味のないギャクは初めてでした。これは僕の中でやり過ぎというか、ぶっ飛んでいて、今シリーズ最大の特徴である(僕の中で)、「勢い」が削がれ、初期の塩梅がわからなくなっていることの証明だと感じてしまったのです。
3 時代の変化
時代の変化は、必ずしも悪いことではありません。初期からずっとタバコと共に刑事人生を歩んできた青島に、ガンができるというのは、かなり現実味のある展開でした(嘘でしたけど)。そんな踊る大捜査線は見たくないですが、嘘ではなくて、真剣にガンと向き合う展開があれば、深みのある映像作品になっていたかもしれませんね。
ただ、死んでも働くという価値観をぶち壊し、生きるっていいな、という結論に辿り着いたのは、個人的には感動でした。名誉ある死や、仕事を頑張りすぎて死を迎えそうな青島がそこに辿り着いてくれると、青島というキャラクターが僕たちの延長線上にちゃんと生きているような気がして、嬉しくなったのです。
4 パッとしない事件
大引越し作業は、面白かったですね。踊る大捜査線といえばこのグチャグチャ感でしょう。その途中のどさくさに紛れて、配達員に扮した犯罪者たちが拳銃を奪うのは、非常にスリリングでした。
しかし、終盤にかけての展開は、思ったより盛り上がらず、壮大なように見せかけて、結局意味がなかったような気がしています。人気だった小泉今日子を出したかったが故の茶番劇に見えました。最後、どうして青島が今日子を説得できたのかもわかりませんし、今日子に洗脳された(恋をした)男に上手く焦点を当てられず、なんだったんだあいつ、状態になっていたのも残念でした。
以上!
次がいよいよファイナルです。終わりを目指して観てきましたが、終わりがいよいよ近づくととても寂しいですね。