映画感想『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』
名作でした。当然今も、オープニングのRhythm and policeと、エンディングのLove somebodyが脳内でぐるぐると回っています。
1 映画になった
the movie1の感想で、ドラマの延長線の感じが抜けないなどと偉そうにほざいていましたが、今作は紛れもない映画でした。
新キャラの沖田仁美が嫌味な役どころで登場し、フレッシュさを与えると共に、後半の盛り上がりの下準備をしてくれていました。ここでしか観れない踊る大捜査線を作り出してくれたのは新キャラである沖田仁美の力が大きいと言えます。
冒頭のお台場の説明も良かったです。コナンでお馴染みの、後半で爆発する場所の壮大な説明パートですね。ここで事件が起きるんだ、ということがよくわかり、こちらも映画だけの特別感が生まれてワクワクします。冒頭の掴みだけでなく、いざレインボーブリッジを封鎖する時も、事前の説明を受けているので事の大きさを理解でき、作品にのめり込むための重要な要素になっているのは間違いありません。
2 大感動
最初から最後までわりとふざけているのに、大感動をしました。
感動場面は言わずもがな、「どうして現場で血が流れてる!」「捜査を立て直す!」の場面です。所轄という、組織の弱者こそが実は力を持っているのだ、とこの作品は繰り返し主張します。その最高峰がこの場面です。
沖田仁美が作り出したアンチ所轄の鬱憤が、室井さんと青島によって見事にひっくり返され、今まで存在感が皆無だった所轄の人間1人1人が輝いて見えていきます。
僕も当然弱者の立場ですから、自分も救われている気になって、感動しながらも、どこか力が湧いてくるような感覚に包まれました。
後に青島がいう、トップが優秀なら組織も悪くない、という台詞は、あの場面があったのでかなりしっくりきました。
また、これは明らかに別のベクトルの感動ですが、ようやく「レインボーブリッジ封鎖できません」という言葉や、「どうして現場で血が流れてる」という言葉を生で聞けて、ネットの世界の常識をまた一つ知ったような気がして大感動しました。真面目なシーンなのに、「レインボーブリッジ封鎖できません」の場面は爆笑してしまいました。ここで言うのか、と。
3 謎
踊る大捜査線には、なぜ人をここまで高揚させる力があるのか、さっぱりわかりません。今作を観て、それが解決されるどころか、さらに謎が深まりました。
人が死んでいるわけで、主人公たちが絶えず見下されているわけで、真面目な警察たちの話であるわけで、どうしてこれらの要素を持ちながらも、文字通り観ている人の血が踊るのでしょうか。
改めて、踊る大捜査線というタイトル自体が秀逸で、様々な要素が絡み合ってできた勢いのある雰囲気がたまらないなと感じた次第です。
次回作が待ちきれません。今からthe movie 3を観てきます。