映画感想『踊る大捜査線THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』
相変わらず、オープニングのRhythm and policeと、エンディングのLove somebodyが脳内でぐるぐると回っています。
てんやわんや
所轄が本庁の事件に無理やり協力させられる(下働きさせられる)ので、所轄の刑事たちはもういくつも仕事を抱えていててんやわんや、という構図が非常に面白い映画でした。
事件一本で2時間たっぷり使う映画もありますが、踊る大捜査線の事件はミステリーではなく、事件自体は謎を解くというよりも走って解決するかネットで解決するかなので、一本で絞るよりも、事件を同時進行させてぐちゃぐちゃにする方が「勢い」が生まれてグッと面白さが増すような気がしました。
実際、今はどの事件の被疑者を追っているのかわからなくなったりしましたが、別にそれが作品を観ていく中でのノイズにはなりませんでした。それよりも所轄の疲弊っぷりや、捜査員同士の掛け合いの面白さに惹きつけられました。
事件に大きいも小さいもない、というこの作品の一つのテーマも、複数の事件を同時進行させることでよく強調されていたと思います。
そんな混沌の中でもビシっと決まる、事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだという名言が痺れました。
映画?
実は、かの評価高きTHE MOVIE2を観てしまったので、それと比べているせいか、はたまた純粋な感覚かはわかりませんが、この映画はドラマ版とそこまで差がないな、とは思いました。
恐らく僕が感じる映画らしさは、単純ですが画面の派手さや、事件の大きさ、ドラマでは感じられなかった新しい要素、といったところでしょうか。
もちろん重々承知です。今作が、ドラマから映画になる、という今やお馴染みの風潮を作り出した初期作ともいえる立場にあり、ドラマとどう差別化するかを悩んだであろうということは。
ただ、映画の推進力を担うような新たな登場キャラがおらず、いつものメンバーで事件に挑むので、掛け合いがドラマと同じになってしまいます。青島と室井のやり取りや、和久さんと青島のやりとりは、ドラマ版で時間をとってじっくり見せられています。飽きるとまではいきませんが、またか、とはなりますね。
もちろん犯人役の小泉今日子はすこぶる怖くていいキャラでしたが、刑事物は犯人が毎回変わるのが平常運転なので、今回の犯人は存在感があったなという印象に止まり、映画を映画たらしめる要素には個人的になっていませんでした。
あおしまー!!
ただ、お決まりのRhythm and policeが流れて一気に物語が解決に向かう場面になった時、信じられない程の高揚感を抱き、ドラマっぽいだとか、映画っぽいだとかはどうでもよくなりました。
彼らが事件の大小に関係なく捜査しているように、僕も作品の大小に関わらず、踊る大捜査線そのものを区別なく好きでいることに気がついたのです。
映画が終わってしまい、とても悲しくなりました。絶えず続編を望むファンの仲間入りをしていることに気がつきました。
ですが製作陣は、続編があればなんでもいいというある意味よくない状態になっている人々をよそに、作品をより良いものにしようとし続けたっぽいです。二作目を観て、今さっき泣いたところですから。