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筋肥大の停滞を打破する為には、どうすればいいのか?

 トレーニングにある程度全力を注げられる環境にいるにも関わらず、筋肥大が停滞している状態がしばらく続いている。それを見過ごす日々を送っておきながら、何のためにやってるのか分からなくて辞めたくなる。
今筋トレを続けているのは、4ヶ月間辞めていた過去があり継続の大切さを既に学んでいるからで、続けている限り筋量が落ちることはない。
ただ、せっかく鍛えているなら筋肉には大きくなってほしい。そんな期待も込めてトレーニングをしている。
しかし、このトレーニングをこれくらいやればこれほど筋肉が大きくなるという確かなメニューは存在せず、計画的に行っても結果が分かるのは数ヶ月後となる。
なので、「とりあえず筋肉が追い込めればいいか」という満足感優先のトレーニングを続けてしまっている。


短期間で脅威の成長を遂げた杉中選手は、ジュラシックアカデミーで木澤選手にトレーニングを教わり、それまで好きだったトレーニングが嫌いになったという。
ある程度、全身の筋肥大が落ち着いてしまった人は、そこから更に伸びるにはそういうトレーニングが必要なのかもしれない。
「できるけど、やりたくないこと」、「できないし、やりたくないこと」の部類に入るような、他人の強制力を借りないと遂行できないメニュー。普段行っている満足感優先のトレーニングは言わば「できないから、やりたいこと」で構成されている。重量や回数の更新がまさにそうだ。
つまり、ただひたすらにキツいトレーニングを行い、対象筋が極限に疲労して、回復した頃にまた同じようにトレーニングし前回からの漸進を狙う。その繰り返しで勝手に筋肉が大きくなるフェーズは終わったということだろう。次のフェーズでは、自分の身体の中でどの筋肉が発達不足なのかをしっかり観察し、その部位を狙ったトレーニングを行っているにも関わらず何故思うように発達しないのかを深掘りして考える。
きっとその原因は、食事や休養、トレーニング頻度の問題ではなく、種目選びとボリュームにあると思われる。
例えば、大胸筋が望ましい発達をしていないとする。ベンチプレスやチェストプレス、ディップス等を行って重量と回数の漸進をし、疲労も来ているのに何故筋肥大は起きないのか。おそらく、既にある程度の発達をしたその筋肉が更に大きくなるには、それまで行ってきた種目の重量をただ漸進させるだけでは不足しているということだ。
つまり、疲労の属性を変えていかなければならない。もしくは、更に大きな負荷を必要としている場合も考えられる。それまで行っていたトレーニングが高重量の中回数、中セットであれば、中重量の高回数、高セットに変える、もしくは、超高重量に変えて回数を減らすなど。
そして、ただその数字を変えるだけではあまり効果は期待できない。どれだけ対象の筋肉に有効な負荷を乗せられているのか、少しでも余計な負荷が分散したりしていないか、今までよりも深く探る必要がある。

"効いている"や"重量も上がっている"という実感だけで、見た目の成長が見られないのなら意味が無い。筋力向上が目的であればそれでいいかもしれないが、筋肥大が目的で筋肉以外が肥大しては、本末転倒なのだ。
それを分かっていてなお、そのようなトレーニングを続けてしまう理由は、まさにその筋肉以外の向上という要素でも、充分モチベーションを得られるからだろう。筋肥大しなくとも重量や回数が更新できるのはとても嬉しい。その達成感の前には、筋肉が肥大するかどうかなどという考えは、無いに等しいのである。

筋トレにおいて他の何よりも重要なのは勿論"継続すること"だが、継続させるためのモチベーションにおいては、筋肥大の有無よりも使用重量更新の方が優勢だ。次のトレーニングで重量が1kgでも多く上げられるのか、半年後の筋肉が1gでも多く増えているのか。カイグリーンが言うように、自分はボディビルダーなのか、ウエイトリフターなのか、その線引きを100%できる人から停滞を抜け出していくのだろう。


最終的に言えることは、筋肉とは常に新しい刺激を求めている。重量の漸進に限界がる事が分かっている時点で、重量更新以外のバリエーションを考えて実践するのが望ましい。ボディビル志望で、将来的に筋肉の塊のような身体を目指しているのならば、自分も含め今一度自身のトレーニングを振り返って考えなければならない。これから先の筋肥大は、正しいフォームと適切な重量設定だけでは成り立つことが難しいということを。

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