『量』か『質』か
Prologue
自分が人生の通算で何カ国訪れたのかは、一つのステータスになる。
相手の出身国を問わず、その数が多ければ多いほど、すごいと思う。
でも、それが全てだとか訪問国数が少ない人はすごくないとか思っているのかと言うと、そんな事は全くない。
数を聞いただけでは凄いと思うが、それぞれの国々でどれだけ充実した時間を過ごせているのかという事も大切だと思う。
冒頭の文章と矛盾しているように見えるかもしれないが、詳しく説明したい。
My Thoughts
例えば、欧州の一部の地域で、出入国審査をせずに国同士を往来できるシェンゲン協定には31の国と地域が加盟している。
ただし、観光ビザの場合は有効期限が90日間なので、その期間内で全ての国を深掘りする事は難しい。
ここでは、90日間通して周る場合の周り方について考えていきたいと思う。
90日間で全部の国々を周ったAさん
1週間で1カ国、合計13カ国を周ったBさん
30日間で1カ国合計3カ国を周ったCさん
90日間1つの国に滞在したDさん
上記で挙げたように、多種多様な周り方がある。
国数だけで言えばAさんが一番だけど、必ずしもAさんが総合的に一番すごいとは言えない。
短期間で30カ国周る事は容易ではないから、Aさんは勿論凄いと思う。
ただ、この場合、1カ国1都市のペースで動き続けなければ到底周りきれないし、充分な満足感を得られずに次の国に行かなければいけなくなってしまう事が多いだろう。
俺自身はまだヨーロッパへの訪問経験がないため、あまり偉そうな事は書けないが、憶測だけで書いている訳ではない。
何を隠そう、似たような経験をしたのが、3年前の俺。
『47都道府県踏破』を至上命令として掲げ、当時未訪問だった県を周っていたのだが、1県1県満足出来るほど楽しむだけのお金と時間がなく、それぞれの県でやり残した事は少なくない。
一方で、長期で一つの国に滞在する事でその国の事を深く知れる。
Bさんのように1つの国に1週間滞在し続ければ複数の都市にそれぞれ2泊ずつ滞在して楽しむ時間は充分に確保出来、同じ国の中でも都市によってどのような違いがあるのかを楽しむ事が出来ると思う。
似たような経験をしたのが、1年前の俺。
年末年始の1週間近くの休みで首都のクアラルンプールとユーラシア大陸最南端のジョホールバルをそれぞれ2日以上滞在して深い部分まで楽しめた。
Cさんのように1つの国に1ヶ月滞在すれば、旅行気分だけでなく、その国での生活をじっくり味わう事も出来ると思う。
Dさんのように1つの国に3ヶ月間ほど滞在すれば、数日の短期滞在では見えない部分まで見え、現地の友達や顔見知りも沢山出来ると思う。
その意味では、BさんやCさん、Dさんの方が充実した時間を過ごせている可能性だって充分にある。
Epilogue
多くの国を周ろうとして1カ国1カ国満足するほど楽しめなかったら、本末転倒。
周り方や楽しみ方に、『正解』は存在しない。
さて、あなたはどうする?
2024.2.9 SHOMA.O