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【和歌山県】神々への信仰のはじまりという大地を訪れて
約1500万年前の西日本で起きた地球史上最大級の「熊野カルデラ火山爆発」により今の紀伊半島ができました。
そして、その大噴火によって起きた大地の変化から、わたしたちの祖先は恵みと美と恐怖を併せ持つ神々が宿る大自然への崇拝により自然信仰が生まれたのだと思います。
それ故、紀伊半島にある「紀伊山地の霊場と参詣道」として2004年に世界遺産にも登録された吉野熊野には、古くは神の御座する聖域となり「蟻の熊野詣で」とまで言われるようになった熊野三山(熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社)が建立されています。
さらに、紀伊半島には2億5千万年以上前のロマンもあります。
そこで、今回は自然信仰が生まれた原点となったと思われる、興味深い奇岩の一部につきシェアしますのでご関心あればご覧ください。
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一枚岩
古座川町にある一枚岩は、冷え固まったマグマの塊が隆起して川に浸食されて出来た高さ100m幅500mの大岩壁で、約20㎞にも及ぶ「古座川弧状岩脈」の一部。
日本の地質100選に選定されています。
この地には岩を食べる魔物から一枚岩を守ったという「守り犬伝説」があり、4月19日と8月25日前後の数日間、夕陽を受けてこの岸壁に守り犬の影が浮かび上がると言う。
驚くほど大きな一枚岩です。
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虫喰岩
古座川町にある虫喰岩は、「古座川弧状岩脈」の一部で、風雨に侵食されて虫に喰われたような穴が無数にあることから「虫喰岩」という。
この穴は、岩を食べる魔物によるものと考えられてきたため、観音菩薩を祀った祠がありました。
小石に糸を通して(?)願掛けすると耳の病が治るというそうですよ。
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瀧の拝
古座川町にある瀧の拝は、岩床の上を川が走り、小さな石が川の流れで回転してできた無数の岩穴(ポットホール)など独特の形状をしている。
小さな滝もあり、夏にはその滝壺に鮎が密集し連日釣り人で賑わうそう。
そして近くには、「瀧ノ拝太郎の龍宮伝説」の石を祀った祠(金毘羅さん)がある。
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橋杭岩
串本町にある橋杭岩は、幅約15m長さ約850mにわたる様々な形状の巨岩柱約40本が、一列に並び橋脚の杭のように見えることからその名がついた。
弘法大師と天邪鬼の賭け伝説などがあり、橋杭岩の沖合にある弁天島には祠がある。
岩柱の下では魚が飛び跳ねたり、鷺が羽を休めてたり、と癒される空気感でした。
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海金剛
串本町にある海金剛は、朝鮮半島の名勝金剛山から名をとったと言います。
断崖絶壁に割れ目が生じ離れてできた鋭く切り立った岩礁、そしてそこに荒波が砕け散る迫力満点の景勝地。
日本とトルコの友好物語の映画「海難1890」のロケ地にもなった場所。
約2㎞先にはトルコ記念館があり、トルコ皇帝特派使節650余名を乗せたエルトゥールル号遭難事故の座礁現場もある。
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弁天島とお蛇浦
那智勝浦町にあるお蛇浦は、地震などで地下水圧で液状化した泥が上部の地層に割り込み形成した蛇のウロコのような波食棚(岩棚)。
潮が引くと弁天さんを祀る弁天島にに歩いて渡ることが出来るようです。
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千畳敷・三段壁・円月島(白浜)
千畳敷
白浜町にある千畳敷は、波食棚が隆起して海岸段丘となった広大な大岩盤。
千畳敷は有名な観光スポットで、わたしは過去に何度か来たことがあります。
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三段壁
白浜町にある三段壁は、千畳敷の南海岸に立つ高さ50mの柱状節理の大岩壁。
この下には地下36mの海蝕洞窟があり、エレベーターで降りて洞窟内部を見ることが出来る。ここには日本最大級の弁財天となる牟婁大弁財天を祀っている。
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円月島
白浜町にある円月島、その正式名称は「高嶋」。
真ん中に海蝕洞が空いている姿が親しまれ、運がよければ春分・秋分の時期にはこの穴に夕陽がすっぽり入る美しい夕焼けを見ることが出来るという。
一度見てみたいなあ。
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白崎海洋公園
最後は、日高郡由良町にある「日本のエーゲ海」とも称される白い岬「白崎海洋公園」。
石灰岩で出来ており、古生代ペルム紀となる2億5千万年以上前にできた化石を含め地球誕生の神秘に触れる場所。
管理人さんに話を聞くと、戦時を含めセメント会社が採石して産業発展に寄与したほか悲しい過去もあるという。
その場にいた観光客はみんな感動。
思いっきり晴れた日や夕焼けは、信じられないぐらいに美しい景観といいます。もう一度行って見たいな。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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