「四季や自然、食べる、生きる」をつなげる植育&食育活動──写真で知ろう!小規模保育【食育】
園の入口すぐ外にある、3メートル四方の畑は、どこに出かけるときも真横を通る場所。ここで野菜を育て、食につなげていくことが、子どもたちの興味や、保護者との日々のコミュニケーションに大きな影響を与えています。
<木太にこにこ保育園/香川県高松市>
■ ねらいと配慮
『「四季や自然、食べる、生きる」がつながる保育園』をコンセプトにした木太にこにこ保育園には、園舎横の大きな庭に加えて、玄関のすぐ前に約3メートル×3メートルの畑が備わっています。
春にはキュウリやオクラなど夏野菜の苗を植え、収穫後は秋に向けてサツマイモ、その後はニンジンやそら豆、玉ねぎなども栽培。年間を通じてさまざまな野菜を育てる「植育」活動を、2018年の開園以来続けてきました。
収穫野菜は、調理の先生とも連携しながらのクッキングにつなげたり、持ち帰ったあと家庭での話題にもしてもらったりと、「食育」活動を進める大切な役割も担います。
■ 振り返り
園庭に出るときも、お散歩にでかけるときも必ず目に入る畑は、子どもたちがいつも自然と足を延ばす場所です。「芽が出てる!」「大きくなってる!」などと野菜の生長を感じたり、葉っぱや土のちょっとした変化に気づいたりと、子どもの好奇心や興味を日々引き出しているのを感じます。
登降園時に、保護者と一緒に畑に入っていく子どもも少なくありません。「お水あげたんだよ」「いつ食べられるかな」そんな親子のコミュニケーションが生まれるシーンを、これまで何度も見てきました。
そうやって育ててきた時間の長さが、大きな達成感に変わるのが収穫です。2歳児さんを中心に、1歳児さん、0歳児さんとも喜びを分かち合い、採ったものを自ら調理の先生に渡します。時には皮むきをするなど簡単なクッキング活動も経て、給食の時間に友だちと一緒に食べる。すると、普段から食べている野菜も一段とおいしく感じられたり、苦手な種類の野菜もなぜか食べることができたりするのです。
また収穫野菜は、ご家庭にも持ち帰っていただきます。家でも実際に調理していただいて、次の日に「すごくよく食べてました」と保護者さんから言葉をもらうこともあり、園と家庭のつながりを生んでいるのを感じてきました。
■ 「小規模保育」としての視点
「前は食べられなかったのに、食べられるようになったね」「おいしかったよ!ごちそうさま」。植育&食育活動を続けていると、こうしたやりとりが子どもと調理員の間にも、自然と出てくるようになります。わずか十数人の子どもたちから生まれる、そうした温かい雰囲気はまるで家庭の食卓のようで、小規模の魅力が詰まった部分かなと考えています。
それは子どもと大人の関係にとどまりません。子ども同士でも、友だちと一緒になって料理をしたり、自分より少し小さな子のところにも「ほら、できたよ」と見せに行ったり。年齢をまたいで一つの家族のような空間で過ごすことの大切さを、この活動は教えてくれるように思います。