東京マラソン2023への道 [パワトレ マラソン中級編] 50/105
「TEAM ONE TOKYO(プレ期) 年代別ランナー」として東京マラソン2023 に先行当選。東京マラソンに向けたマラソントレーニングの一環として、夏から秋は以下の3つのレースのエントリー。
・2022/8/21 赤城の森トレイルラン [ショート]
・2022/10/16 東京レガシーハーフマラソン
・2022/11/13 つくばマラソン
ランニング用パワーメーターのSTRYDを使ったパワーベースのトレーニングに取り組んでみてる市民ランナーの練習記録。
東京マラソン2023までの期分け(改)
秋は「東京レガシーハーフマラソン」に向けてスピード強化。ポーラ・ラドクリフ女史の「HOW TO RUN」を参考にした中負荷中頻度(週5日)のトレーニングとし、ランニングの日数を減らして(回復を重視して)練習全体の強度を上げます。また、各種補強トレーニングも行いながら、冬の「東京マラソン2023」に向けてしっかりとした土台を構築するイメージです。
進行中のスケジュール
3/14-3/27 パワー入門(5Kタイムトライアル)3/28-5/8 5Kレース(パワーベースの STRYD 5K プラン)5/9-5/13 休養(ワクチン3回目摂取、精密検査、距骨調整)5/14-7/31 TOKYO成木の森トレイルラン、釧路湿原マラソン(パワーベースの STRYD 10K プラン+)8/1-8/21 赤城の森トレイルラン
8/22-11/13 東京レガシーハーフマラソン2022、つくばマラソン
(パワーベースのラドクリフのマラソントレーニング)
今週のスケジュール
月 休養 / ウェイトトレーニングA
火 テンポ走
水 普通の または 軽いランニング
木 ワークアウト(全力走6分×5)
金 休養 / ウェイトトレーニングB
土 ファルトレク
日 ロング走(できればオフロード)
今日のトレーニング
ラドクリフのマラソントレーニング(中級)の今日のお題は
「休養 / ウェイトトレーニングA」
しっかりと休んで、軽くウェイトトレーニングを行いました。
STRYDのクリティカルパワーの調整
「ある持続時間(単位:分)での最大平均ワット数」
というクリティカルパワーでトレーニング強度を管理できたり、予想タイムを計算できるようになっていて、トレーニング履歴から自動的にクリティカルパワーを計算してくれるようになっていたりもするんですが、レースに出てみたり、やや強度高めのトレーニングをしていると、これがどうもここのところずれている(低めの判定になってている?)ような…
下記の公式の記事を確認してみると、
といった記述があって、上級ユーザーかどうかはさておき、自分の走力やタイムと自動計算されたクリティカルパワーが少しずれているであろうことはわかるので、手動計算してみたいと思います。
ただし、クリティカルパワーテストを実施するタイミングではない(トレーニング開始時に行い、定期的に更新していくべきな)ので、下記の2つをそれぞれ計算してみて、その中から適切と思われるものを暫定的にクリティカルパワーとして使用していこうと思います。
・直近の10Kレース(暑くてアップダウンが多かった)
・トレーニング履歴から推測される理論上のベストエフォート
直近の10Kレースのデータで高低差と気温を補正
まず、直近の10Kレースですが、これは9/4で、金哲彦コーチも一緒に走ったマイクロレース多摩川。
タイム 43:29
ペース 4:19/km
パワー 205W
気温が高かったり高低差が結構あったので、まずは「高低差」を補正するために確認した Strava の平均GAP(推定平地換算ペース)データは下記の通り。
推定平地換算ペースから10Kの予想タイムを計算すると、
平均GAP(推定平地換算ペース) 4:09/km
平均GAPに基づく10Kタイム 41:29
さらにVDOT計算機を使って「気温の高さ」を補正した10K予想タイムを計算してみると、
気温補正後のペース 4:01/km
気温補正後の予想タイム 40:14
※気温は10Kレース時のGarminの体感温度のデータを使用
(実際はもっと暑かったようなw)
この高低差と気温を排除した「理想的な10K予想タイム」をSTRYDアプリのクリティカルパワーの手動入力欄に入れてみると、
以上より、直近の10Kレースのデータから計算すると、コースに高低差もなく、気温がそれほど高くなかった場合の、理想的なクリティカルパワーは 226W でした。
※高度や気温の補正を行わないと、クリティカルパワーが下がってヌルいトレーニングになってしまうので、可能な限り厳密に理想的な数値を計算してみています。
トレーニング履歴から推測される理論上のベストエフォート
STRYDにはパワーセンターというウェブサービスがあって、そこで、トレーニング履歴を分析することもできます。
クリティカルパワーテストのプロトコルは、
・ 9分/3分 テスト
・6周/3周 テスト(400mトラックを利用できる場合)
という2通りがありますが、1つ目の「9分/3分テスト」は以下のようなタイムラインになっていて、
9分の Extremely Hard(非常にハード) なランニングと 3分の All Out の(出し切る) ランニングのデータがあれば、その平均出力パワーの平均の90%がクリティカルパワーになるというものなんですが、リカバリーが長引いていてとても実施できそうにないので、レース時のパワー出力よりやや低くなりそうですが、過去90日間のPDC(パワー持続曲線)をチェックしてみると、
それぞれ生データ(日付・メニュー・平均パワー)と、理論上のベストエフォートのパワー出力を書き出してみると
9分間ピークパワー
・8/30 テンポ走 226W(実際のデータ)
・モデル化された能力 230W(理論上のベストエフォート)
3分間ピークパワー
・8/25 VO₂ maxインターバル 247W(実際のデータ)
・モデル化された能力 260W(理論上のベストエフォート)
となっています。
rFTPw = (9分間ピークパワー+3分間ピークパワー)/ 2 * 0.90
なので、モデル化された能力の値の方を使って計算してみると、
(≒トレーニングでいつも全力ということもないので)
rFTPw = ( 230 + 260 ) / 2 * 0.90 = 221W
※この計算方法での誤差は ±3% ということなので範囲は 214~227W。
したがって、トレーニング履歴に基づく理論上のベストエフォートから計算したクリティカルパワーは 221(214~227)Wとなります。トレーニングのデータなので、レース時よりもパワー出力が若干低くなってはいますが、概ね、同じようなパワー出力であることがわかります。
以上、まとめると、
・直近の10Kレースから計算した補正後のクリティカルパワー 226W
・トレーニング履歴による理論上のベストエフォート 221(214~227)W
となっていてほぼ一致していました。
ちなみに、このくらいのランニングパワー(224W)で走っていたテンポ走の履歴からどのくらいのペースや心拍数になっているかを見てみると、
・いつもの公園のコース(ゆるやかなアップダウンあり)で 平均3:58/km
・高低差を補正してフラットなコースで走れた場合は 平均GAP3:53/km
・さらに気温は20℃ではなくもっと涼しい日に走れた場合は 3:50/km
という感じのペースになっていて、心拍数は170bpm前後みたいです。
また、手動入力してクリティカルパワーを226Wとした場合の、PDC(パワー持続曲線)とトレーニング分布を確認していくと、
上図の赤線の部分の「Fatigue Resistance(疲労耐性)」が足りないことがわかります。具体的には 88%CP(199W)以上で走り続けるトレーニングが足りていません。
「Fatigue Registance(疲労耐性)」は、目標のレース距離で最大限の力を発揮して走り続ける能力を反映していて「目標レースパワーの直下で維持できる時間をなるべく長くしていくトレーニングが必要」ということのようで、おすすめのワークアウトは以下の3つ。
・ロングラン
全体的な持久力を向上させるための長時間の連続ランニング
・イージーランのボリューム
クリティカルパワーの50~80%(113~181W)で長時間走ると、有酸素能力が強化され、身体が一般的な「スキル」でより効率的になるのに役立つ
・有酸素閾値テンポラン
クリティカルパワー(226W)よりわずかに低い持続的なエフォートによって、個人の限界を超えずにランニングの閾値の上限を拡張する能力をターゲットとしたランニング
進行中のラドクリフ女史のトレーニングを少し「Fatigue Registance(疲労耐性)」対策に寄せるとうまく弱点を補強できそうなことがわかりました。
課題
・新しいクリティカルパワーでパワーベースのトレーニングに移行する。
・パワーはもちろん、ペースや心拍数にもこだわりすぎることなく、リラックスした自然体で走り、自分で自分の上限を決めない。
・目標レースペース直下でのパワーの持続時間をできるだけ伸ばしていく(現在は最長で55分程度)。
・レースでは後半からラストにかけて「出し切る」感じで走るようにする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?