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「霜月の精進料理」 2024年11月

11月は文化の日に始まり、七五三、新嘗祭、勤労感謝の日、酉の市と、たくさんの行事がありますね。茶の湯では風炉から炉に変わる季節で、私が一年で最も忙しい季節です。
秋も深まり、食材も土ものがおいしくなってきますね。

ご飯は、焼き豆腐と厚揚げを使って、夫婦煮飯にしました。京都ではよくおあげさんを食べるのですが、お豆腐とお揚げさんを煮た料理「夫婦(めおと)煮」も定番です。九条ネギを散らし、黒七味をぱらりとかけて食べるのですが、油揚げだと形がぺしゃんこになるので、今回は厚揚げを使って炊き込みました。薬味は精進料理のルールで葱が使えないので、おろし生姜です。

汁は、キャベツとジャガイモという相性の良い食材で、豆乳でまとめてスープにしました。アクセントにじっくり焼いた舞茸をのせています。フープロにかけてポタージュにしてもおいしいです。

主菜は朴葉焼き。飛騨の郷土料理ですが、朴の木はたからの庭の御山の上のにもあって、いつかはそれを使って朴葉焼きを作りたいなと思っています。乾燥した葉はデパートなどで売っていますので、ゆっくり水で戻してからきれいに洗って使ってください。味噌は本来なら飛騨味噌なのですが、現地でないとなかなか買えないので、作りやすいように白味噌と赤味噌を同割にして作りました。飛騨コンロがなくても、オーブンなどでやけますので、一度試してみてください。

副菜1は、薩摩芋と榎木の檸檬甘酢和えです。作家の向田邦子さんが生前よく薩摩芋のレモン煮を作られていたことにピントを得て、あえ物にしてみました。レモンの爽快な風味を効かせています。

副菜2は、里芋と南瓜の茶巾揚げにしました。が、簡易蒸し器だったので、食材の水分が上手く飛ばず、まとまらなくて2色にできませんでした。次回はちゃんと蒸し器を持参します。すみません!

1. 夫婦煮飯
2. 馬鈴薯と甘藍汁
3. 茸の朴葉焼
4. 薩摩芋と榎木の檸檬甘酢和え
5. 里芋と南瓜の茶巾揚げ

「霜月の精進料理」 2024年11月

1.夫婦煮飯

夫婦煮飯

材料:米600CC、出汁700CC、淡口大1,塩小1/2焼き豆腐1/2丁、厚揚げ1/2丁、煮汁:出汁100CC、みりん・醤油各大1 おろし生姜大2

1)米は研いで15分あげてから、浸水・調味する。

2) 厚揚げ、焼き豆腐は1cm四方に切って、さっと煮ておく。。

夫婦煮飯①
夫婦煮飯②

3)炊飯し、中火が終わるころに2)を加え、炊き上げる。

夫婦煮飯③

4)飯椀に盛り付け、生姜を天盛して食べる。

2.馬鈴薯と甘藍(かんらん=キャベツ)汁

馬鈴薯と甘藍汁

材料:出汁1000CC、メークイン3個(300g)、キャベツ1/4個(200g)、舞茸1/2P(塩少々)、油適宜、塩小2/3、胡椒少々、豆乳200CC

1) 舞茸は裂いてからしっかりと焼いて、軽く塩をしておく。

馬鈴薯と甘藍汁①

2)じゃが芋とキャベツは食べやすい大きさに切り、炒めて、軽く塩・胡椒し、出汁を入れて数分煮て柔らかくなったら調味し、最後に豆乳を加える。

馬鈴薯と甘藍汁②
馬鈴薯と甘藍汁③

3)椀に盛り付け、1)を載せる。

3. 茸の朴葉焼

茸の朴葉焼

材料:椎茸各1枚、占地1パック、エリンギ2本、生麩各1cm、蓮根各1cm、ブロッコリー適宜、銀杏各2個
大豆肉みそ:大豆肉(戻して)100g、生姜20g、赤出汁味噌・白味噌各60g、砂糖大2,みりん50CC、酒150CC

1) 朴葉を水に漬けて、しっかり戻ったらそっと洗って拭いておく。

茸の朴葉焼①

2) フライパンに油を敷き、戻した大豆肉を軽く炒め、味噌を入れてそのあと調味料を加え、ゆるいとろみがつくまで詰める。

茸の朴葉焼②
茸の朴葉焼③

3)キノコ類は食べやすい大きさ、麩・蓮根は1cmに切り、ブロッコリーは小房に、銀杏は殻を割り、ゆでて薄皮をむいておく。

茸の朴葉焼④
茸の朴葉焼⑤

4) 蓮根、麩を油で焼き、ブロッコリーはレンチンしておく。

茸の朴葉焼⑥

5)1)に2)の味噌を載せてから材料を置いて包み、オーブンで200度で7,8分焼く。

茸の朴葉焼⑦
茸の朴葉焼⑧
茸の朴葉焼⑨


4.薩摩芋と榎木の檸檬甘酢和え

薩摩芋と榎木の檸檬甘酢和え

材料:薩摩芋300g、榎木1/2P(出汁50CC,塩少々)、レモン1個、砂糖大1、柚子皮少々

1)薩摩芋は食べやすい大きさに切って10分程度蒸して柔らかくしておく。

薩摩芋と榎木の檸檬甘酢和え①

2)レモン汁に砂糖を加えて1)を熱いうちに加えておく。

薩摩芋と榎木の檸檬甘酢和え②

3)榎木は3cmに切り、出汁に塩少々でレンチンして2)に加え、盛付ける。

薩摩芋と榎木の檸檬甘酢和え③
薩摩芋と榎木の檸檬甘酢和え④


5.里芋と南瓜の茶巾揚げ

里芋と南瓜の茶巾揚げ

材料:里芋300g、出汁100CC、淡口・みりん各小2、浮き粉大1、南瓜300g(浮き粉大1、塩少々)、クリームチーズ各1/4個(5g)、揚げ油適宜、蕎麦適宜、海苔少々
衣:小麦粉大1,片栗粉大2,水大3

1)里芋は水からゆでて皮をむき、煮汁で柔らかく煮たら、浮き粉を加えてよく混ぜ、30g程度にわける。

里芋と南瓜の茶巾揚げ①
里芋と南瓜の茶巾揚げ②

2)南瓜は皮をむいて柔らかく蒸して軽く塩をし、浮き粉を加えて30g程度にわけ、1)と合わせて、センターにチーズを入れて丸め、ラップで茶巾にして衣を通して揚げる。

里芋と南瓜の茶巾揚げ③
里芋と南瓜の茶巾揚げ④
里芋と南瓜の茶巾揚げ⑤
里芋と南瓜の茶巾揚げ⑥

3)蕎麦を5㎝くらいにきり、2本を海苔で巻いてさっと揚げる
4)皿に2)と3)を盛り付ける

11月のデザート
創作和菓子・空羽kuu 「照紅葉」

空羽kuu 「照紅葉」

レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 11月の献立より)


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