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読み手を飽きさせない文章の「リズム」のつくり方

こんにちは!

ビジネス文書、SNS投稿、ブログ記事......。とりわけある程度の長さの文章において、読み手を最後まで飽きさせないためには「リズム」が大切です。

文章において「内容」が大切であることはいうまでもないですが、どんなリズムで展開するか、いわば「ヴィークル(語り口)」からも目を背けることはできません。

むしろ(まさにぼくがそうなのですが)「内容よりもヴィークルが大事」という人も一定数いるはずです。エッセイや小説に限らず、広義の意味での「コンテンツ」においてはヴィークルの選択や運用が読者からの反応を大きく左右します。

今回は、文章の「リズム」をコントロールする基本について考えてみましょう。

リズムはなぜ重要なのか?


文章のリズムにはさまざまな解釈があるのですが、この記事では「変化」にフォーカスします。

長さや表現が一定すぎると、読み手は早々に飽きて離脱してしまいます。

たとえば、次の文章を読んでみてください。

昨日、公園に行きました。そこで友人に会いました。一緒にベンチに座りました。たくさん話をしました。とても楽しかったです。

いかがでしょうか。内容は伝わりますが、単調で退屈な印象を受けませんか?

では、次の文章はどうでしょう。

昨日、ふらりと立ち寄った公園で、思いがけず旧友と再会した。久しぶりの再会に、時間を忘れて語り合った。青々とした芝生、さわやかな風、そして懐かしい友人との会話......。心地よい一日だった。

この例のように、同じ内容でも、文の長さや表現に変化をつけることで、より印象的で読みやすい文章になります。これが「リズムのコントロール」です。

では、具体的な方法を3つ紹介しましょう。

1. 文の長さを変える


短い文と長い文を組み合わせる。
シンプルですが、これだけでもリズム感が生まれます。

短文はリズムを速くし、緊張感や躍動感を出します。一方、長文は詳細な説明や落ち着いた雰囲気を表現するのに適しています。

【Before】
突然の爆発音が街中に響き渡り、その瞬間に人々が驚いて一斉に振り返ったところ、そこには想像を超える衝撃的な光景が広がっていた。巨大な隕石が街の中心部に落下して建物が倒壊し、路上に停まっていた車両が押しつぶされており、街の風景が一変していたのだった。

【After】
突然の爆発音。人々は驚いて振り返った。そこには、想像を超える光景が広がっていた。巨大な隕石が街の中心に落下し、建物や車を押しつぶしていたのだ。

短い文をつくるときに有効なのが「体言止め」「文末表現の変化」。以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

2. 段落の長さを調整する


文章だけでなく「段落の長さ」にも変化を加えることで、淡白な印象を避けられます。

長い段落は、詳しい説明や複雑な議論を展開するときに適しています。短い段落、とりわけ一文段落は、重要なポイントを強調したり、意外性を出したりするときに有効です。


AI技術の進歩は、私たちの生活に大きな変革をもたらしています。音声認識や自然言語処理の発展により、スマートスピーカーやチャットボットが一般家庭に普及し始めました。また、画像認識技術の向上は、自動運転車の実用化を加速させています。

しかし、これらの技術には課題もまだまだ多くあります。

プライバシーの問題。セキュリティリスク。そして、倫理的ジレンマ。 AIが答えを出す時代においても、問いを立てるのは依然として人間の仕事なのではないでしょうか。

3. 文字の種類を使い分ける


漢字、ひらがな、カタカナを適切に使い分けることで、文章に変化をつけられます。それぞれの特徴は以下のとおりです。

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漢字:フォーマルな印象や専門性を感じさせます。

ひらがな:やわらかく親しみやすい印象を与えます。

カタカナ:新しさや異質感を出し、強調したい部分に使えます。

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山田さんの手作りケーキは絶品だった。しっとりとした生地にクリームがたっぷり。一口食べると、ふわっと広がる甘さにホッとする。彼女いわく「コツは材料選びとオーブンの温度管理」だそうだ。その腕前に、みんなから「スイーツクイーン」というニックネームが付いたほどだ。

この例文では、以下のように文字種を意識的に使い分けています。

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  • 漢字:「手作り」「絶品」など説得力が必要な部分で使用

  • ひらがな:「しっとり」「ふわっと」など、感覚的な表現に活用

  • カタカナ:「ケーキ」「クリーム」「オーブン」など、洋菓子関連の単語や「スイーツクイーン」という愛称に使用

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総じて、リズムを生み出すのは「繰り返し」と「単調さからの逸脱」という相反する2つの概念であり、その奥深さゆえ、個性が出やすいといえます。

今回紹介したのは基本ですが、リズムについてはまたじっくり考えてみたいところです。

では、また次回の記事でお会いしましょう。

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