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大企業を中心とした顧客の理解を深めるサクセスプランの作成(前編)
カスタマーサポートをエンパワーメントするAIチャットボットなどのサービスを提供しているカラクリで、カスタマーサクセス部門を管掌している鈴木奨平です。
私たちの取引先は大企業のお客様が多いのですが、お客様に応じたカスタマーサクセスの一環として直近取り組んでいるサクセスプランの作成について共有したいと思います。
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提供サービスの特性
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これは2年以上前の2020年の10月にセミナー登壇した際の資料ですが、社数と金融系のお客様が増えてきている以外は大きく変わらないはずです。
上記のMRRは1社あたりの月額単価なのですが(ARPA(ARPC)は非公表なのと単価のバラツキがあるためこのように表現しています)、SaaSの中では比較的高額な部類です。その分、お客様側では社内稟議を通すのも大変ですし、私たちに対しては当然、大きな期待や投資対効果が求められます。だからこそ、山田ひさのりさんが提唱されているディープサクセスを実現する必要があります。
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顧客理解が大事な理由
ディープサクセスの達成のためにやっていることの一部はnoteの過去記事やインタビューでも答えています。それらでも「まずは顧客理解が大事」だと何度も述べていますが、その理由について少し補足したいと思います。
私たちのような大企業向けのカスタマーサクセスにおいては、相手の立場に寄り添い、深く理解したうえで、顧客と伴走していく必要があります。時には、プロアクティブに自己の主張(客観的に正しい提案など)を顧客に展開することが求められます(「顧客の言うことを聞くな、顧客のためになることをなせ」)。弊社に転職された方には、前職のカスタマーサクセスよりハイタッチかつコンサル的な対応をしているとよく言われます。
お客様にとって、チャットボットの導入やもっと上流のカスタマーサポートのDX推進は、これまでと違う新しいことですし、大きな変化が伴います。業務オペレーションやアナログからデジタルなど考え方も大きく変わりますし、「自分の今までの仕事がなくなるのでは?」と不安になるような方もいるため、頭では理解しても感覚的に受け入れがたいものであります。
また、大企業あるあるかもしれませんが、ステークホルダーが多く各自の思惑がバラバラであるケースもあります。私たちの場合、ディープサクセスを目指そうと言っている手前、経営課題に近い部分にまで触れることになるので、必然的に様々な部門の方と絡むことになり、それぞれの方々の利害調整が求められます。
このような要因からプロジェクトが進みづらくなることがあります。「あなたたちの場合はこのようにすれば良いですよ」「プロダクトさえ上手く使っていればサクセスしますよ」というパッケージ化されたような単純な顧客対応ではお客様の実態にそぐわず、のれんに腕押しになることもあるのです。
よって、顧客ごとの与件・課題・目指したいことに合った千差万別な対応が求められるため、そもそもの前提をしっかり理解することで、やっとお客様と同じスタート地点に立てるのです。そしてこれができてこそ、お客様と議論し、行動変革を促すことにつながっていくのです。これらの実現のために下記の内容を解像度高くインプット&アウトプットする必要があります。
一次情報(ヒアリングなど)、二次情報(Web上の情報)などを通じて、それぞれの相手の立場・課題・主張の理解
それらを踏まえた、顧客も納得する共通のゴールの設定
SMARTの法則に則ったマイルストーンとアクションの提示
そこで、1〜3の内容を社内でしっかり認識を揃えるために(私たちは全社でカスタマーサクセスを行っているので、1人のお客様に多くの社内メンバーが関わります)、私たちは昨年以前から一部顧客では実施していましたが、今年の10月から全顧客ごとにサクセスプラン(アカウントプランのカスタマーサクセス版)を作成するようにしました。なお、2、3の内容の一部は上の記事でも触れているサクセスロードマップとしてお客様にも提示しています。
サクセスプランの詳細については下記の「4. 営業プロセスからはじまるサクセスプランニング」をご参照ください。
サクセスプランの項目
弊社で使っているフォーマットを共有します。この後、一部項目は解説を加えていきますが、ここまでで長くなってしまったため、後編で説明できればと思います。
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