心理学的観点におけるリーダーシップ
リーダーシップとはいくつかのスキルを複合した曖昧なスキルであるが、その必要性を非常に重視されるスキルの1つである。
リーダーシップの定義は多岐にわたる。ハーバードビジネスプレスが出した論文(Psychological Perspectives on Leardership)では、VroomとJagoの研究を引用してリーダーシップを以下のように定義している。
Leadership is a process of motivating people to work together collaboratively to accomplish great things
(リーダーシップとは、協力し偉大なことを達成するために人にモチベーションを与える過程のことである。)
この定義をもとに、この論文では小さな組織から大きな組織に至るまでのそれぞれの段階で、リーダーがグループに対してどのような役割を果たしているかを分析している。
A leader’s role in a team or organization is to set the context for others to be successful.
【小さな組織(グループ)におけるリーダーシップ:Leading Work Groups and Teams】
小さな組織・グループにおいてのリーダーは、イメージ的にはマネージャーという方が役割を想像しやすいであろう。このマネージャー的役割には以下の3つの働きが強調される。
1. グループとしての強いアイデンディティの形成
2. メンバーのコーチングと各メンバーの強みの共通認識
3. グループにおける規範の形成
【大きな組織におけるリーダーシップ:Leading Organizations】
大きな組織のおけるリーダーとは0から1を生み出す始動者としてのリーダーシップである。「始める」というタスクにおいて、リーダーには3つのことから手をつけなければならない。
1. 組織モデルの設定と発展
2. 統率の取れた組織づくりのための組織文化の形成
3. 一貫した言動・行動
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ここで、IBのなかで目指されるリーダー像とはどちらの定義にあてはまるのか、と考えた時、自分は前者(グループにおけるリーダー)であるように思う。大きな組織を率いるリーダーは生まれ持った素質が必要不可欠であるように思うが、グループを統制・協調してゆく人材は教育(経験)の中で育っていくものだろう。また、近い将来、大きな組織からより小さい規模(個人)に価値がシフトしていくことを考慮すれば、前者のリーダーシップがさらに重要になってくるように思える。
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References
Psychological Perspectives on Leadership by Jennifer A. Chatman and Jessica A. Kennedy