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リーダーシップと個性の相関関係

誰しもリーダーシップは持てるのだろうか??そんな疑問から心理学者は個性(Big Five traits)とリーダーシップの相関関係について、263のジャーナルと77の医学論文からメタ分析をおこなった。 Big Five traitsはNeuroticism(神経症的傾向)、Extraversion(外向性)、Agreauleness(強調性)、Openess(開放性)、Conscientiousness(誠実性)の5つの要素を含む。 分析の結果、相関の値は順に、-.24,

心理学的観点におけるリーダーシップ

リーダーシップとはいくつかのスキルを複合した曖昧なスキルであるが、その必要性を非常に重視されるスキルの1つである。 リーダーシップの定義は多岐にわたる。ハーバードビジネスプレスが出した論文(Psychological Perspectives on Leardership)では、VroomとJagoの研究を引用してリーダーシップを以下のように定義している。 Leadership is a process of motivating people to work toget

情報の与えすぎは子供の探究意欲を阻害する!

学習者に教師がどれだけの手助けをするか、ということを教育心理学ではScaffoldingといい、その質と量はよく議論されるところである。 【概要】 Gweon氏たちの研究では、インストラクションなどの情報を生徒に多く与える教師とあまり与えない教師を比較して、生徒の教員に対する評価と生徒自身の探求意欲を測った。 【実験内容】 実験は42人の6ー7歳児を対象に行われた。実験1では以下の図のような3つの対照群に分かれ、被験者(子供)のインストラクターに対する評価を数値化した。

失敗を共有して信頼を高める

グループ、コミュニティで心理的安全性を確保するにはどうすればいいか?これがもっとも急速に確保されたと感じる経験がネガティブな体験の共有である。 2018年にHarvard Business Schoolからでた論文【Mitigating Malicious Envy: Why Successful Individuals Should Reveal Their Failures】は失敗経験の共有をした相手に対して人は悪意のある妬みを持たなくなる傾向があることを示した。 実

『最新論文』教室での生徒同士のヒエラルキーのバランスがクラスの学びに影響を与える!

子供たちが効率的に学習するにはまず、子供たちの心理的安全性(Psychological Safety)の確保が第一だ、という論調が教育会での今ホットなもののようだ。 信頼できる仲間と、信頼できる先生がいることは生徒一人一人にとって非常に重要なことであるのは想像に易い。どんな意見を言っても否定されない、そういう安心感があってこそ個々人が自由に振る舞えるのだ。 今回の論文(Classroom Popularity Hierarchy Predicts Prosocial an

疲労により運動学習効率は劇的に低下する!

適度な運動が学習を効率化することは過去の多くの実験が証明している。しかし、「適度」の枠を超えた疲労を感じるほどの激しい運動は記憶学習において逆効果であり、神経系の病気をも引き起こすということも知られている。 今日見つけた論文では、過度な運動による疲労が記憶学習だけでなく、運動学習にも悪影響を与えることを科学的に検証している(https://elifesciences.org/articles/40578)運動学習とは、アスリート、ミュージシャン、リハビリ患者など運動能力の向