将棋/棋士の人数の推移
棋士・女流棋士人数の推移
各年4月1日時点における現役の棋士および女流棋士の人数の推移を調査した(集計方法は末尾に記載)。
早速結果を下図に示す。
棋士人数の分析
概ね増加の一途であることが分かる。2014年に棋士編入試験が制度化され、これ以降は毎年1.3人のペースで増加している。
制度の変更がない限り今後もこの傾向は続いていくと予想されるが、
新四段は多く見積もっても年間5人、平均して21歳に四段昇段、60歳で引退と仮定すると40年間棋士でいるため、現在の仕組みでは5×40=200人程度が上限になると考えられる。その頃には四段昇段者と引退者の人数が釣り合うだろう。
しかし、上限到達は20年近く先と推測されるため、何らかの制度が変わっている可能性が高い。
女流棋士人数の分析
女流棋士については2008~2013年頃にかけて一時減少した。これは女流棋士資格付与条件が女流育成会の成績から研修会に変更されたためと考えられる。
しかし2014年以降は毎年2.9人のペースで増えている。
近年の増加ペースに抑制をかけるためか、2024年より女流棋士資格付与条件が研修会B2クラスからB1クラスへ変更された。
そのため、今後の人数の増減は不透明である。
人数増加による影響
棋士人数が増加すると、参加人数が定数である棋戦等への参加割合が低くなり、難易度が増す。
NHK杯(本戦出場49人)は30年前の1994年には棋士の37%が出場できたが、2024年は29%となった。
また、順位戦B1以上(名人+A 10人+B1 13人=24人)の割合も1994年は18%、2024年は14%である。
集計方法
Wikipediaの棋士一覧・女流棋士一覧をもとに集計した。
月・日の記載がないケースは四段昇段を4月1日、引退を3月31日と一律に仮定した集計であるため、正確でない場合があることに留意。