眠れない夜は天河に呼ばれてたからか?
ザワザワして昨夜は眠れなかった。
朝、二上山の上に満月が浮かんでいた。
「12月1日か」
激動の2020年も残すところ、ひと月。
「天河に行くか」
思い立ってま天河大辯財天社で車を走らせた。
吉野の山をぐねぐねとまわりながら登って約90分、たどり着いた。参拝客もほとんど見当たらない。しかし、いつ来てもピンと身の引き締まる場所だ。
鳥居でお辞儀をして、すぐ左手の手水舎で手と口を清める。いつもなら龍の口から勢いよく水が吹き出していたが、コロナ予防で竹の筒を通して水が滴り落ちている。
二の鳥居をくぐって社殿に向かう階段の左手に五社殿がある。こちらで先ずはお参りした。
階段を上り切ると拝殿と能舞台が一体となった社殿。この社殿を「妙音院」と呼ぶ。
手を合わせた。
自分の家族、仲間、そして日本中、世界中の人々が平穏で穏やかな新しい年を迎えられますよう祈った。
手のひらが熱くなった。
「あゝ来てよかった」
そう感じた。
「きっと呼んでくれはったんやなぁ」
今夜はぐっすり眠れそうだ。
小説「クロウ・キッズ❗️」支配者はKobeに待つ朗読20/note音声
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