蔵書紹介:アジャイルサムライ−達人開発者への道−/Jonathan Rasmusson
本の概要
『アジャイルサムライ−達人開発者への道−』Jonathan Rasmusson (著), 西村 直人 (監訳), 角谷 信太郎 (監訳), 近藤 修平 (翻訳), 角掛 拓未 (翻訳)
アジャイル開発の方法論を学ぶときの定番の一冊。アジャイルに関わるなら本書を読んでいないとモグリ扱いされてしまう、というくらいの定番になっている。内容はかなりの骨太で難しい。また、本の厚さはあまりないが、中身の紙が薄いので見た目以上にボリュームが多い。
アジャイルの手法は一般的なウォーターフォールやその他開発テクニックに比べて教科書的であり独自性が高いように思う。明示的なアジャイルの学習やコーチングがない状態で自然に実務をこなしているだけでは習得できないものが多い。このため、本書や本書に相当する書籍による学習はアジャイルの実践にはほとんど必須と言って良いだろう。
購入経緯と読書状況
ある時期に合流したチームがアジャイルの手法を取り入れていたため、先行メンバーに追いつくために購入した。しかし当時のチームの取り入れ方は自分の感覚と乖離があり、本に書いてあることを真に受ける部分と現実的にエッセンスだけ取り入れる部分のさじ加減が合っていなかった。現場の運用を見て学ぶほうが早かったため、本書は精読せず、見出しのキーワードを拾う程度に読んだ。
後に別のチームでプロジェクトを立ち上げる機会があり、当時のプロダクトマネージャーがアジャイル手法を取り入れようとしていたため、本書を勧めて一緒に読みながら推進した。このときは企画や計画の作り方がわからない点が課題になっており、計画後の推進には大きな懸念がなかったため、インセプションデッキの部分を重点的に読んで、通読はしなかった。
その後も現在に至るまで通読するべきという認識は持っているが、まだ読めていない。学びは多いのだけど、単純に文量が多く、内容は難しく、説明が回りくどいので、モチベーションを保って読み続けるのが難しい。