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蔵書紹介:入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン/Mike Julian

本の概要

『入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン』Mike Julian (著), 松浦 隼人 (翻訳)
システムの監視について体系的に書かれている。オライリー本なので信頼があり、世間的に評価が高く、監視について学ぶ本として上位に入るだろう(一番手かどうかは正直よくわからない)。
一般的にITシステムは開発よりも運用のほうが長く、監視の生産性や改善がコストに大きな影響を及ぼす。しかしこのコスト配分や推移はあまり意識されておらず、そして運用は開発より軽視されることが多く、また、運用の知識や技術はわかりづらいため、運用のオペレーションやコストに苦労する現場は多い。本書で監視について理解することで、運用の改善を期待できると思われる。

購入経緯と読書状況

古いシステムの監視で解決したい課題があったり、新しいシステムで簡易的な監視を作る必要があり、自分の体系的な学習のために購入した。
古いシステムの課題は、たとえば、必要な・有用な監視が不足している、不要な監視があってノイズになる、冗長構成部分の通知が多すぎる、通知後のオペレーションがわかりづらい、といったものがあり、ひとつひとつは地味ではあるが種類や数が多いため、根本的な設計思想から見直すべきと考えている。

しかし実際にはリソースの優先度の問題があり古いシステムの監視にまとまった工数を割くのは難しく、小さい改善を繰り返すことになったり、また、新しいシステムの監視は要件も実装もシンプルにすることができたため、結果的に本書を読むことはなかった。目次も読んでいない。オライリーは信頼はあるけれど、先入観で読みづらいイメージもあって、手をつけられなかった。
今になって考えると、工数をかけられない、小さい改善をするだけ、シンプルな実装をするだけ、といった逃げの前提があったとしても、本書を学んだ上で考えるほうがより良い開発ができたかもしれない。今からでも学び直して方向転換を考えても良いだろう。

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