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蔵書紹介:通信の数学的理論/クロード・E. シャノン、ワレン ウィーバー 他2冊

本の概要

  • 『通信の数学的理論』クロード・E. シャノン (著), ワレン ウィーバー (著), 植松 友彦 (翻訳)  - 2009/8/10

  • 『情報理論』甘利 俊一 - 2011/4/8

  • 『シャノンの情報理論入門』高岡 詠子 - 2012/12/21

今回は類似書籍3冊をまとめて紹介する。
情報理論とは、(私の理解では)データを0と1で表してアレコレすることで情報通信の効率化を実現する学問である。クロード・シャノンはコンピュータの父として知られる3人のうちの1人であり、情報理論の基礎の提唱者となっている。このときの論文が『通信の数学的理論』であり、今回の3冊は『通信の数学的理論』および情報理論について説明されている。

IT技術やネットワーク通信の基礎的な話であり、数学の計算が用いられている。つまり本書を読むにはある程度の数学知識が求められるし、応用的な上位レイヤーでの理解のためにはITの知識も必要になるだろう。比較的ハードルが高い話だが、ITに関わる人間(特にITエンジニア)であれば一度は読むべきという意見もある。

電気信号を0と1に置き換えて、データとして組み上げて読むためのルールを事前に決めておいて、このルール下で送受信する。ルールは出現確率に応じて重み付けすることで効率的な送信ができるようになるし、事前に取り決める読み替えのルールを複雑なものにしておけばセキュリティが向上して盗聴や改竄を防ぐことができる。したがって通信の性能や安全性に影響する。・・・という話だと思っているが、正直なところ私は理解できていないので、もしかしたら全然違う話かもしれない。

今回の3冊は主題が概ね同じだが、多少の違いがある。『通信の数学的理論』はシャノンの論文がベースになっておりウィーバーの解説を付けてこれを日本語訳したものになる。『情報理論』はシャノンに限定せずシャノン以降も含めた情報理論を対象にとり、最初から日本語で説明されたものになる。『シャノンの情報理論入門』はシャノンが提唱した情報理論を対象にとり、最初から日本語で説明されたものになる。いずれにしても数学は出てくるが、パラパラと見た感じでは『シャノンの情報理論入門』が一番読みやすそうに見える。

ちなみにコンピュータの父の残り2名は、映画イミテーション・ゲームやチューリングテストで有名なアラン・チューリングと、ノイマン型コンピュータで有名なジョン・フォン・ノイマンである。

購入経緯と読書状況

昔、同じ研究会に参加していた人がシャノンについて学んでおり、前述の「ITに関わる人間(特にITエンジニア)であれば一度は読むべき」という主張を冗談まじりに話していた。これを聞いて、冗談まじりとは認識しつつ、真に受けたつもりになって試しに購入した。

しかし、ほとんど読んでいない。購入直後に軽くページをめくったが、想定以上に数学のことが書かれていて、私は数学に自信がないので、それ以降は読めていない。「数学がたくさんあって大変だ」という理解はできたので、これだけでも十分な学びがあったと考えるようにしている。

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