戻したがる人達
全国一斉休校からもう2年が経ちます。
この間、新型コロナの感染は広がり続けています。
同時に、ワクチン接種率が向上など複数の要因で、重症者率は下がり、症状の予測がある程度できるようになったように感じます。
その結果、社会全体として何となくコロナへの恐怖が一時期よりも薄れつつあるように思います。
新型コロナで変化した人間の動き
働き方やコミュニケーションのとり方など、このコロナをきっかけにして大きく変化しました。
リモートワークやオンライン授業など、物理的距離を縮めずに機能が足りるものとそうでないものを分類する良い機会となったのも確かです。
実際、都心のオフィスが必要ないと撤去した企業がある一方で、リアルなコミュニケーションや雑談がイノベーションの原動力となる、という気づきを得てオフィスを再設置する動きもあります。
この2年間で、社会において本当に必要なものとそうでないものをきちんと分別することができたはずでした。
コロナ前に戻したい人達
社会全体のコロナへの恐怖心が薄れた結果、コロナ前の状況にとても強いシンパシーを感じ、どうにかやって元通りにしたいと行動する人が最近動き始めたように感じています。
人が集まる場所で行事を設定したり、食事などの機会を設けるなどはその典型的な例でしょう。
折角、いろいろなことを考え直し、取捨選択をする機会を得たにも関わらず、それを活かすことができず、「取」、「取」、「取」あるのみの人が公私にわたってよく見かけるようになりました。
全くイノベーションが進まなかった学校現場
学校現場では、部活動や違法労働、ICT教育の推進など問題が以前から山積みでした。
ところが多くの人たちが日々の雑務に忙殺され、それを見直す機会を逸していました。
しかし、今回の感染症の流行はそれも考え直す、あるいは改革をすすめる契機になりました。
構想段階のGIGAスクール構想のタイムスケジュールは5カ年計画、しかもおそらくはさらに伸びる可能性すらありました。
ところが実際には何が起こったでしょうか。ICT端末の普及がほぼ1年で終わり、学習支援ソフトを日本中の学校で利用する日が2021年度内に訪れるなど誰が考えていたでしょうか。
危機がイノベーションを引き起こした事例となったのは間違いありません。
戻させてはいけない
もちろん、コロナで不十分になった経済活動などは早急に戻す必要はあります。
現在のような見切り発車で再開する動きも全否定はできません。
ただ、あまりに今まで無駄だったものを減らすことができたのに、それを戻すことは絶対に避けなければならないと思います。
通勤や無駄な出社や出張、会議などオンラインでできることの可能性は大きく広がりました。
これを戻させてはいけないと私はここ最近つくづく痛感します。
ということで、私は明日から業務として出張に行くことになりそうです。
この当たりの習慣もどうにか変わっていくとよいと思うのですが…