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九州の「早慶」、福岡大学と西南学院大学:九州の大学別受験事情⑥

このシリーズも第6回目になります。
(それほどビューが伸びているわけではないのですが個人的な趣味で書いています

関東や関西のように有名な私立大学があったり、多くの数の大学があるわけではありませんが、九州にも私立大学がそれなりの数、存在します。

その中でも最も有名で、多くの受験生を集める大学が二つあります。

それが福岡大学と西南学院大学の二大学です。

九州一のマンモス大学、福岡大学

福岡大学は1934年設立、福岡高等商業学校として開学しました。現在もその伝統を受け継ぎ、商学部や経済学部を中心として構成され、現在では理系学部や医、薬学部を含む9学部を抱える総合大学です。

1972年に医学部を設立し、九州では数少ない医学科を抱える私立大学でもあります。また、私立大学としては珍しく、単独の理学部を設置しています。

学生数は2万人以上という西日本では屈指のマンモス大学で、福岡県福岡市に立地し、在学生の大半は九州地方や山口県からの出身になります。

卒業生の就職状況も福岡県内を中心にしており、福岡県内、特に福岡都市圏の企業には多数のOBが在籍しています。

また、警察官や自衛官、消防職員に就職者が多い大学です。

入試難度に関しては、河合塾偏差値で学部間で多少差がありますが、45.0~50.0となっており、首都圏で比較すると「日東駒専」と近い難度となっています。

自由な雰囲気、マンモス大学の多様性、福岡市内の立地ということで九州中から受験生を集める人気大学です。

一方で、九州大学受験者のすべり止めから私立専願型の受験者まで入学者の層も広いこと、マスプロ大学ゆえの就職へのフォローが乏しい、といった声をも多く、卒業後の進路の幅が広いことでも特徴的です。

語学に定評、西南学院大学

西南学院大学は1916年に旧制中学校として設立された西南学院を母体としています。

その後、高等学部を設置し1949年の学制改革で新制大学になりました。

学部構成は全て文系のみの8学部を抱えていて、学生数は約8000人と福岡大学と比較すれば少ないですが、九州では規模の大きい私立大学です。

中でも外国語系の学部には人気があり、外国語を学ぶならば西南学院というイメージは強いようです。また、全国的にも非常に珍しい神学部を設置していることでも知られています。

受験者、入学者ともに福岡大学と比較すると福岡県内が多く、7割以上が福岡県内からの入学者になります。

入学難度は福岡大学の文系とほぼ同じで、河合塾偏差値で50~52.5に位置しています。

また、就職状況も福岡県内では外国語や国際教育などの評価が高く、福岡大学と勢力を二分する存在です。ところが、九州の他の県では福岡大学ほど卒業生が多くないため、存在感が薄い印象です。
(決して就職状況が悪いわけではありません)

福岡大学と比較すると、比較的規模が小さく、立地が早良区ということで都心部に近く、お洒落で洗練されたイメージがある大学です。

九州の「早慶」

福岡大学と西南学院大学は九州六大学野球連盟に所属していて、両大学の試合は「福西戦(西福戦)」と呼ばれ非常に盛り上がります。

このあたりの歴史的なライバル関係であったり、九州内の私立大学として数多くののOB、OGの輩出していることから、九州の「早慶」と呼べる存在です。

就職先も福岡大学はサービス業、建設業(工学部の存在が大きい)などが多いのに対し、西南学院大学は金融や保険などの割合が高く、大学のカラーの違いが表れています。

どちらの大学も九州内では抜群の知名度を誇っており、九州の高校生の多くがが大学進学を考えたときに、一番初めに出てくる名前の大学と言えます。

また両親、祖父母などもこの二大学へ行くことを期待しているというケースは多いようです。

地元の国公立大学と天秤にかけて、進学を悩むケースも多く、私の勤務校では佐賀大学と福大西南のW合格のケースでは、文系の場合は福大西南、理系の場合は佐賀大学を選ぶことが多かったように感じます。

九州での就職を前提に考えるならば、学習環境や就職状況を見ても非常におすすめできる大学です。

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