大学入学共通テストの「これぐらいは大丈夫」が不正行為になる恐怖
今週末は大学入学共通テストが実施されます。
受験予定の方は落ち着かない日々を過ごしていることでしょう。
私も今年は高校3年生の担任を受け持っており、なんとなくそわそわした感覚でここ数週間を送っています。
試験における「不正行為」の存在
さて、試験と切っても切れないのが「不正行為」に関してです。
韓国の大学修学能力試験(修能)では試験会場の外からイヤホン越しに答えを教えるなどの事例で摘発されたこともあるようです。
日本でも昨年度のスマホによるカンニングは記憶に新しいですし、10年ほど前には京都大学の2次試験においてYahoo知恵袋を利用した携帯電話を利用したカンニング事件が発生しました。
こうした悪質なカンニングに関しては、受験生全体の努力を足蹴にする行為であり、弁解、養護する余地もありません。
また、試験全体の信用を失墜させかねない行為であり、偽計業務妨害に問われる可能性もある、列記とした犯罪行為です。
ところが、そうした悪質な違反ではなく、悪意無く「不正行為」と見なされるケースが試験においては存在します。
そうした「事故」を防ぐためにもガイドラインをきちんと理解しておくことは極めて重要です。
スマホ持ち込みの厳格化
昨年度のスマホカンニング事件を受けて、今回の共通テストからは試験中に使用を禁止する機器として、スマートフォンに加え、イヤホン、タブレット、音楽プレーヤーが追加されました。
また、イヤホンに関しては試験中に着用しただけで不正と見なされるようです。
補聴器などの利用に関しては必ず事前の申請が必要となります。
また、スマホ関連には試験場入場前の電源オフの確認、試験場における監督者の指示による電源オフの確認などが要項に追加されています。
おそらく今回の共通テストでは、試験監督が特に注意するポイントがスマホ関連になると思います。
扱いに関しては細心の注意を払い、試験監督の指示をしっかり守る必要があるでしょう。
マスクの着用義務
先日書いた記事でも触れましたが、試験会場ではマスクの着用が義務付けられています。
何らかの理由でマスクが着用できない場合は事前申請が必須(そしておそらくこの記事が上がるころには期限が過ぎている)です。
監督の指示を無視する行為
これが意外に多いのですが、監督の指示を無視して行動してしまって試験会場を退場となるケースがあります。
特に多いのが「解答やめ」の指示に従わないケースです。
時間が足りず、ついつい指示の後も鉛筆を動かしている生徒が私の勤務校にもいますが、こうした指示無視は非常に危険です。
最悪の場合は退場となりますし、一度目の注意で退場とはならずとも、一度注意を受けると平常心で受験をすることは難しくなります。
「解答やめ」のあとは即座にペンを置くことを練習しておくべきでしょう。
地歴公民、理科2科目に関する注意
正確には違反とは異なるのですが、地歴公民や理科の受験においては、1科目と2科目受験者は入場時間が異なります。
1科目受験者は後半の時間に受験しますが、2科目受験者は初めから入場しておかないと受験することができません。
これは事前の登録科目ですの、当日変更は不可能です。
また逆に、2科目受験者の場合は第1解答科目を受験中に第2解答科目を読むことは不正になりません。(第1解答科目を選んでいるかどうかと区別がつかないため)
とはいえ、たいていの場合は第1解答科目の方が利用機会が多いことを考えるとこの裏技はほとんど役に立たないとは思います。
(物理が得意過ぎて速く終わるが、化学は余分に時間がかかるというケースではつかえるかもしれません)
自己判断は大きなミスを生む
これ以外にも定規やコンパスの利用など、机上に出してよいもの以外の持ち込みは厳格に制限されています。
これを「これぐらいは良いだろう」という自分の感覚だけで判断すると、痛い目を見る可能性は大いに存在します。
まずは、要項や受験上の注意にしっかりと目を通し、頭に入れてから試験に臨んでほしいと思います。