「自由な時間」と「学校の責任」
先日のクローズアップ現代で話題になっている内容に関して考えていきます。
以下のツイートでも話題のようです。
放課後は学校の管理する時間か
そもそも放課後は学校が管理する時間なのでしょうか。
教員の職務に関して調べると
学校内における諸活動を担当するのが教員の職務であり、それらは正規の勤務時間を適正に割り振り、時間外勤務を行わない、と明示しています。
つまり、学校から帰った生徒に関して、通常は教員の勤務時間外の取り扱いとなるため責任を持つことは不可能です。
従って、必然的に放課後を管理することなど「制度上は」できないのです。
指導は勤務時間内に行うもの
勤務時間外の例外は超勤4項目という上記のイ~ニのケースのみで、通常の放課後はこれに相当しないことは自明です。
当然ながら、部活動に関しても同様です。部活動は教員の勤務時間外に行われているものであり、それは超勤4項目にあたらないためあくまでも教員のボランティアに過ぎません。
帰宅後や休暇中の過ごし方に関しての指導も、学校における学習効果を高める目的で指導を行う場合、事前や事後の指導であっても教員の勤務時間内に行われるべきものです。
宿題は追加オプションサービスに過ぎない
「宿題を出してもらえないとうちの子が勉強しなくて困る」という要望を頂くことは決して少なくありません。
そもそも、家での学習は本人と家庭が責任を持つものです。学校は学校の学習補助の一環として宿題を課しているに過ぎません。
家庭での学習を子供に習慣づけたいのならば、塾や家庭教師など民間のサービスを使うことで解決します。
学校に時間外で家庭学習の指導を求めることは、あくまで授業者の善意のサービスによって成り立っていた虚像であることを認識する必要はあるでしょう。
少なくとも、学校以外の場での指導が無料で付属すると考えるのは過剰サービスを要求しすぎだと思います。
(私の勤務校は私学ですので、そのあたりもサービスでやらざるを得ないという事情はありますが…時間外手当も付きますし…)
家庭での時間は保護者が責任を持つのが当然
リトルリーグやピアノなどの習い事に関して、学校の教員に責任を被せることは当然誰もしません。
それと同様に、家での過ごし方や学習に関しては保護者が責任を持つのが当然であり、それを公的機関に丸投げすることはあまりにも無責任です。
私自身、一保護者としてそう感じますし、逆に子供の家での過ごし方や学習を学校に口出しされたいとも思わないのですが…
生徒を学校に縛り付けたい人々
生徒を学校に縛り付けたい人達がいます。
仕事に忙しく子供のことを丸投げしたい保護者
地域のコミュニティが崩壊し隣近所との人間関係も希薄な地域住民
生徒を管理することで自身の存在意義を見出す教員
これらの人達の思惑が奇妙に一致した結果、現在問題となっている、学校が生徒を雁字搦めにする状況に拍車を掛けています。
彼らの主張を否定するつもりはありません。それぞれがそれぞれの現実と主張の下で生徒を学校で管理すべきという結論に至っているのでしょう。
自由な時間が成長の起爆剤
今の高校生を見ていると、圧倒的に自分で考え、選択し、自分の判断で行動した経験が乏しいようです。
常に責任を追い立てる風習が社会の中に存在しているからかもしれません。
学校は授業や教育に関しては責任を持ちますが、生徒本人の成長そのものに責任を持っているわけではありません。
かつて、犯罪者として捕まった人間の元担任や授業担当者が批判されたことがあったでしょうか。
ただの一度もありません。
だからこそ学校は生徒の自由な時間を作っても、何ら心配はいらないはずです。
自由な時間こそが生徒の成長の起爆剤となるように感じます。
私自身は校外での生徒の行動に関して学校が口を出す感覚が全く理解できていません…
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