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2023年に読んだ本


今年買った本。技術書はあまり買わなくなった。

今年読んでよかった本を紹介していく。今年はiPadを購入し、電子書籍に寄せようと思ったのだが、結局紙の本の比率が以前高いまま。やはり、紙の本じゃないと頭に入らない感覚がある。なんでだろうね。

詳解 システム・パフォーマンス

読んだのは第1版のほう。社内の輪読会で読む機会があった。私は途中参加かつ章ごとの担当制だったため、全てに目を通していないが、輪読会が完結した際には大変良い読後感があったことを覚えている。
この本で紹介されているDtraceをはじめとした解析ツール群を実務でバリバリと使うことはあまりないため、読んですぐ実践ということはできなかったが、CPUやメモリ、ネットワークやファイルシステムなどの体系的な知識を学ぶきっかけになった。
また、節々のBrendan先生の溢れ出るSolaris愛がとてもよかった。内容は理解できなくても、技術を愛する者のエッセイを読んでいる感じで楽しめると思う。

入門 モダンLinux

Linuxを広く浅く、ちょうどいい分量で学ぶことができる。[試して理解]Linuxのしくみが予備校で使う実践的なチャート式みたいな感じならば、こちらは学校で使う教科書というイメージ。
この本を読んで初めてeBPFを知り、面白そうだなと思い、同じくオライリーから出ている入門eBPFを買った。こちらも読むのが楽しみ。

GitLabに学ぶ世界最先端のリモート組織のつくりかた

リモート民は必読レベルでは、っていうくらい良い本だった。 即時レスを期待しない非同期の業務スタイルはそもそもリモート/非リモートの枠組みは関係ない、っていう所が腑に落ちた。
最近はドキュメントを中心として業務が進まない組織や、昇進するためには出社して対面でのコミニュケーション必須な会社がコロナ明けに続々とオフィス回帰している流れを見かける。良い悪いの話ではなく、単に業務スタイルが非同期じゃないからリモートワークが合わなかっただけで、そりゃそうなるよね、と。この本に書かれていることは確かに理想的なリモート組織なんだけど、同期的な業務スタイルから非同期な業務スタイルに力学が働くのはかなり難しいと思う。
そもそも新卒入社から転職して今までずっとリモートワークだったからこそ、スッと内容が染み込んだ感はある。

世界一流エンジニアの思考法

もともとこの著者の方のブログ記事のファンだったので、本の出版は待望だった。「何かを早くできるように急ぐよりも、理解に時間をかける」だったり、「マルチタスクは生産性が最低なのでやらない」だったり。著者のメソッドを取り入れて日々の仕事がうまく回り始めた実感がある。以前自分が書いた以下の記事も、かなりこの著者の文体の影響を受けてたりする。


事実はなぜ人の意見を変えられないのかー 説得力と影響力の科学

どこかのネット記事で紹介されており、タイトルでジャケ買いした本。ある大統領選の自閉症に関する討論で、トランプがなぜいくらでも研究論文を引っ張り出してくることのできる科学者よりも、聴衆を惹きつけることができたか、というトピックではじまる。よく「正論は人を傷つける」というけど、この本を読めばもっとうまく説得したり、人に影響を与えられるヒントがあるんじゃないかな。

解像度を上げる

副題の通り、曖昧な思考を明晰にするには「深さ・広さ・構造・時間」の4視点があり、それぞれの行動法が書かれている。ただ、自分が刺さったのはそういったHowToの部分より、「基本的にはそもそも深さが足りてない」からその努力をしろ(意訳)、という部分だった。
具体的な例として、「本屋にいって、自分の課題に関連する業界の本を端から端まで買う」「最低100の事例を集めて、300、400以上するとようやく頭の中に地図ができてくる」ことが紹介されている。私はそこまでやれていなかったので、調査のちの字もできていないなと。
とりあえず今年は仕事で使う金融と自分が好きなコーヒーについて、片っ端から本を読み漁ってみるなどした。

おわりに

私は元々本を読む人種ではなかった。「本を読む本」を読んでから変わった気がする。この本には以下のような言い回しがある。

「私の持論」とあるが、私がことばを語っているときにことばを語っているのは、私が身につけた語彙であり、私が聞き慣れた言い回しであり、私が先ほど読んだ本の一部です。

本を読む本 (講談社学術文庫)

なんとなくだけど、私が本を読み続ける理由なのかもしれない。

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