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『屋上のテロリスト』 -知念実希人- を読んで

あらすじ

物語の舞台は、ポツダム宣言を受諾しなかったために東西に分断された架空の日本。

彰人は、学校の屋上で自殺を考えていると、クラスメイトの少女・沙希に声をかけられる。

「バイトする気ない?」という誘いに応じた彼は、次第に彼女の壮大なテロ計画に巻き込まれていく。

沙希の目標は「東西日本を再統一すること」。

彼女の手配したミサイルや計画に驚きつつも、彰人は次第に沙希の意図や覚悟を知ることになる。彼らの選んだ道の先には、驚愕の結末が待ち受けている――。


感想

まず、物語のスケールに圧倒されました。東西に分断された日本という歴史改変の設定は、ありえないようでいてリアルな緊張感が漂い、物語に引き込まれました。

特に、彰人と謎の少女・沙希の関係性が物語をぐいぐい引っ張り、彼らが繰り広げる壮大な計画は息もつかせぬ展開でした。

沙希の「誰も死なせたくない」という思いが根底にあることが明かされるにつれて、物語は単なるスリルやアクションだけではなく、深い人間ドラマへと昇華していきます。

テロという暴力的な手段に直面しながらも、平和や統一への願いが込められた葛藤が見事に描かれ、心を強く揺さぶられました。

特にラストは圧巻で、心が震えるような感動を覚えました。二人が選んだ運命が、何をもたらすのか、予想もつかない展開と衝撃的な結末が待っています。

どんな人におすすめか

この作品は、スリリングなエンターテインメントを求める読者にぴったりです。

歴史改変や政治的な設定が好きな人、壮大なストーリーが好きな人もおすすめです。

また、単なるアクション小説ではなく、登場人物の内面や信念、選択に重きを置いた人間ドラマも含まれているので、感情移入しながら物語を楽しみたい方にもぜひお勧めしたい一冊です。

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